表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
166/303

交渉

短いです


 乗り合い馬車内で出合った女性のパシュナさん。

 ルルーチィの顔見知りと深い因縁があったよう。

 でもルルーチィはそんな修羅場には関わりたくなかったので全力ですっとぼけました。


「でさ、当面その獲物のアテがないならさ。ちょっとバイトしてみない?」

「バイトですか?」

「そう。実は私、これからある人の家に伺うんだけど――ちょっと訳ありで直接会いづらいんだよね」

「はあ」

「で、パシュナさんがまず出向いて様子を伺ってほしいの。私の使者として」

「なるほど」

「……」

「……」

「ダメ?」

「いえ、報酬は?」

「あー、うん。銀貨三十枚(三万円)でどう?」

「残念ながら私にはやるべきことが――」

「銀貨三十五枚」

「……こうしている間のもあの野獣は――」

「あー、私、その野獣の情報知ってるかもー」

「受けます」

「銀貨二十枚。成功報酬としてネーたんの旦那情報。OK?」


 ルルーチィ、ネーたんの旦那を売った。

 

「はい? ねーたん?」

「どう?」


 メイド喫茶の身内でしか通用しない芸名でパシュナさんを引っ掛けたルルーチィ。

 だが明確な単語を提示してみせたおかげで信憑性は増したはずだ。


「やります」

「成功させなきゃ、報酬なしだからね?」

「お任せください」

「……(流れの勢いでこうなったけど、この不安な気持ちはナゼだろう?)」


 出刃包丁を握り締めているパシュナさんを眺めながら、そう思ったルルーチィでした。




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ