なんか闘いの始まり、だー!
立派な馬車だった。
というか、車を引いているのはマンモス?だった。
そのデカイ車の中にセイヤ一行と出迎えのギイ親子が乗り込んでいる。
ギイはお忍びのチィルール(セイヤ一行)を匿ってくれるとのことだが、その理由とは?
「お初にお目にかかります、チィルール殿下。わたくしはセンエン国中央政府の議員を務めておりますギイ・グーグーという者であります。ぜひお見知りおきを」
「うむ。苦しゅうない」
形式ばった二人のやり取り。
だが、その一方で――
「ヤーイ! やーい!」
「あ、コイツめぇ」
十畳くらいはある大きな車の中。それに天上も高い。普通に部屋の一室といった様相の車内。
そして空間の端に山積みになっているクッション。
そのクッションを拾ってセイヤに投げつけてくるギイの息子ギコくん。小学生くらいの子。
喰らったセイヤが投げ返して反撃するも、ギコくんはとっくに山積みクッションの中に飛び込み姿を隠す。
「へーん。ノロマー!」
「くっそーぅ」
クッションの中から顔を出し、セイヤをからかってご機嫌のギコくん。
文句を言いながらセイヤもなんかニヤけてるし。
「この度のコト、殿下が無事であらされまして、わたくしも安堵したしますれば、殿下の配下にいらっしゃいます……」
「う、む――」
「……」
「……」
「ベーだっ」
「あーもー」
「うひゃー!」
セイヤとギコくん、じゃれあって賑やかである。
「コラッ! ギコ! 大事な話中である。静かにせんか」
「たいひー!」
ギイに怒られたギコくん、言葉の意味がわかって言ってるのかどうか、でもクッションの中に飛び込んで姿を隠した。
「申し訳ありませんチィルール殿下」
「いやかまわん。それに……」
「?」
「いや、なんでもない(私もマクラ投げヤリたいぞ!? だって私はマクラ投げ名人だし)」
チィルールは『とこゆめ』で暮らしていたとき、チビッコ達と毎晩寝る前にマクラ投げ合戦をしていたのだ。
その時のことを思い出し、マクラ投げ戦士の魂がうずくのであった。だが今は我慢の時。自分から参戦するのはギイの手前、みっともない感じがするのだ。
「殿下におかれましては……」
ギイの言葉は途中、後頭部に投げつけられたクッションで途切れてしまう。
「……コッッラアー!!」
ギイもソレを拾って投げ返したー。
「スわ! ギイ殿! 助太刀致します」
「え!?」
「うおりゃー!」
チィルール、手元のクッションを拾って投げかえす。興奮して「ふぅふぅ」してる。でも、うれしそう。
「殿下?」
「陣形を整えろ!」
「は? ははっ!」
「物資が不足しておる。右翼に突っ込み陣地と物資の確保だ!」
「ラジャ!」
二人で山積みクッションの右側にヘッドスライディング。
「よし、陣地確保。物資は?」
「は、攻撃には充分かと」
「よし。こんな僻地の陣地で守っていてもラチは開かん。進軍するぞ!」
「ラジャ!」
なんか始まった。




