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タンタンコロリンと甘~い柿スイーツ

「秋だな」


「秋ですね」


 弁当箱の中身を見つめながら、感慨深そうに生徒会長は、そうおっしゃいました。

 そりゃ、今は10月だからね?

 10月といえば、秋でしょう?


 だからこその、このメニューだったのではないのでしょうか?

 一体何を考えながら、弁当箱の中身をご確認ですか?


 ということで、本日のお弁当の中身は、“秋の味覚:栗ご飯”です。

 もち米使用しなくったって、お米でも充分美味しく作れます!

 とはいえ、もち米も入っているとモッチリするから、より美味しいんだけどね?


「これはまた、シンプルな味付けだな? だが、この塩味で栗の甘みが引ひきたてられていて、美味しいぞ。栗自体もホクホクしていて、いくらでもいけそうだ!」


 と、かなりお気に召したご様子です。

 相変わらず、どっかのグルメ漫画みたいな感想ですが・・・。


 他の家庭では、醤油を入れたり、だし昆布やみりんを入れるところもあるらしいですが。

 私個人の意見としましては、栗本来の甘さを堪能するなら、やっぱりシンプルイズザ✩ベスト! が、一番だと思うのです。


 そしておかずにはいろどりを気遣いながらも、なるべく秋の食材を使用するという、この気使いよう。

 私、もしかして女子力高い? ・・・まあ、誰にも言われたことありませんけどね?

 ハイ・・・自己満足です。


 さつまいもとにんじんのきんぴら、鯖の竜田揚げ焼き、カブの葉とじゃこのさっぱり炒め、 舞茸と大葉のベーコン巻き、そして食後のデザートに柿を入れてみました。


 会長様はとおっしゃいますと、いつも通りの綺麗な箸使いと所作にて、お上品に黙々と秋の味覚を堪能しておいでです。

 私にしか見えることはないであろうワンコ尻尾は、今日も元気よくフリフリしております。

 よって、かなりご機嫌はいいはず!

 

「このままどうか、今日も平和に・・・」


 という思いを込めて、心の中で手を合わせ、一心に神に祈る私。

 しかし・・・。


 神様は、私のことが嫌いなのでしょうか?


 主食とおかずをいつも通りに綺麗に平らげ、さあ! 次はデザート! という時にございます。


「??」


 突然、会長の手がピタリ・・・と、止まってしまいました。

 そのお姿に、思わず“ゴクリ・・・”と、喉を鳴らしてしまう私・・・。


 会長はそのまましばらく、手に持ったままの柿とにらめっこをなさっておいでです。

 

「も、もしかして・・・お嫌いでしたか?」


 遠慮がちに、恐る恐る聞いてみると・・・。


「いや、オレには嫌いな食べものはない。ただ・・・」


「ただ?」


「もう、柿の実のなる季節になったんだな・・・と。そう思ってな・・・」


 そう言うと、


「ハァァァァ~~・・・」


 と、盛大なる息をつかれたのでございます。

 それから、“シャクリ!”というみずみずしい音を立てながら、柿を食べ始める会長さま。


 なんだかちょっとけだるげで、そのお美しい姿から、セクシーさが漂ってまいりますが。

 私的には、かなり美味しい光景ですけどね?

 この光景を写真なるものに収めて売りさばけば、かなりの金額になるはず!

 結構な高値で、取引されることだろう。

 

 しかし。


「悪魔の声に、耳を傾けてはいけない!」


 頭をブンブンと左右横に振り、邪念を追い払う。

 そんなことをした日には、会長の悪魔よりも怖いお仕置きが・・・。

 数多くの、下僕という名の妖怪たちを従えていらっしゃる会長の、怒りを買ってはいけない!


 なぜならば・・・。

 私は今まで、会長の怒りを買った人たちの末路を、見てきているのだから・・・。


「それにしても・・・」


 一体、どうしたんだろう?


 その時である。


“バーーーーーーン!”


 という、激しい音とともに、生徒会室の扉が、荒々しく開け放たれた。

 と、同時に、


「よかった~。藤原さん、ここにいてくれて~」


 胸に手を当てて弾んだ息をしながら、私を見るなりニッコリと微笑んでくる。

 長身で、口元から見える白い歯をキラリ! と光らせた爽やか系男子が、そこにはいらっしゃいました。


「え? 篠原くん? 私に何か用事でも?」


 そんな彼の登場に、驚く私に対し、


「チッ! やっぱりきやがったか!」


 と、思いっきり舌打ちをなさる、生徒会長様。

 しかし、篠原くんはそんな会長をガン無視し、困ったような顔を私へと向けてこられます。

 おやその顔、捨て犬が“お願い! 僕を拾って”って目で訴えているようで、なんとも可愛らしいではありませんか!

 お姉さん、無条件で手を差し伸べてしまいそうです!


「そうなんだ! 用事がおおありなんだよ! 助けて欲しいんだ!」


「え? 助ける?」


「そう! お願いだ! 我が家を助けてくれ!」


 そう言うと彼は、“パーン!”という大きな音とともに、自分の顔の前で両手を合わせ、私に向かってお願いを始めだした。


「え? 助ける? 私が篠原くんをっていうか、篠原くん家? どうやって? って、ソレ私でいいの?」


 とにかくわけがわからない。

 突然“助けて”と言われても、私に出来ることって・・・ありましたっけ?


 クエスチョンマークを脳内いっぱいに張り巡らせ、腕組みなんてしながらも、一応考え中の私。

 そんな私を無視して、


「オイ! オレの許可なしに、コイツは貸せんぞ!」


 いつもよりかなりトーンの低くて、いかにも不機嫌全開そうな会長さまの声が、耳に入ってきましたよ~。

 って、なんで私は、あなたの私物扱い?


 顎をクイッと前に突き出し、大親友兼幼馴染の篠原くんを、睨みつけておいでです。


「お前だってわかっているだろう? 秀! 今年はいつもよりも豊作で、時期も早かったんだ。毎日あればっかり食べていて、もう飽き飽きなんだよ~」


 と、ゲンナリとした顔を見せる。

 ・・・このカオ、見たことあるわ・・・。


 この前、同じ料理部の知恵ちゃんが、調理室前の廊下にて、彼氏と大喧嘩をしていたときのこと。

 

「いくらカレーが好きだといったからって、毎回カレーとか、マジ飽き飽きなんだけど?」


「だって、“三度の飯より好き!”って言ってたじゃない!」


「だからって、カレーオンリーとか、マジムリ! お前、料理部だろう? もっといろいろうまいもん、作ってくれよ~!」


「なによ~、私の気も知らないで~!」


 と言うなり、大声で泣き出す智恵ちゃんに向けていた、彼氏の表情に似ているわ。

 ・・・それにしても、


「毎日飽き飽きするほどに、何を食べているの?」


 ハテ? 

 秋の味覚はいろいろあるので、絞り込むのも難しい。

 ここで、私の個人的見解を言いますと・・・。


「噛んだ瞬間、ジュワッと脂が溶け出す美味しさ満載の、(サバ)のこと? それとも、こってりと濃厚な味わいの戻り(かつお)? それともトロ~りとろける脂に、あのお口に広がる旨みがサイコーな秋刀魚(さんま)のこと? それとも・・・」


「お前、魚ばっかりだな?」


「だって会長、秋には旬な美味しいお魚、多いんですよ!」


 ここは譲れません!

 この時期のお魚は、とにかくいい感じに脂がのっていて、美味しいんだもの!

 (さけ)(にしん)(いわし)(さわら)だって・・・、ああ、今にもヨダレがお口の中から、あふれ出してしまいそうです・・・。

 なんて、幸せ気分にひたっていると、


「ごめんね? 確かにとても魅力的な食材ばかりなんだけど、うちの場合は魚類じゃないんだよ」


「え? じゃあ、キノコ? えのき、まいたけ、しめじにもしかして、松茸とか?」


「うん。それも違うから・・・」


 篠原くんは困ったかのように、苦笑いを向けてきた。

 そんな篠原くんを助けるかのごとく、


「こいつの家が困っているのは、コレだ!」


「むぐっ!!」


 あきれた口調の会長が、無理やり私の口の中に押し込んだのは・・・。 


「ムグムグムグ・・・・・・ゴックン! え? 柿?」


「そう、柿!」


「ああ、柿だな?」


 柿といえば、秋を代表するフルーツ。

 ふっくらまるっとしたフォルムに、ツヤツヤしたオレンジ色の皮。

 その下からは、繊密でとろけるような柔らかさの果肉が、姿を現す。

 そしてその果肉をお口に入れると、あの独特の甘さが、お口に広がるのである。


 ということで・・・・。


「どうして柿で、そんなに困るの? いつもよりも豊作って、まさかそんなにたくさん・・・」


「ああ、まさにその“そんなにたくさん”実をつけているんだよ、我が家の柿の木は」


「じゃあ、ご近所に配るとか・・・」


「ご近所にも、柿の木があるんだ・・・」


「柿ってすぐに、実を取らないといけないの? しばらく木につけたままには・・・」


「すると、大変なことになるんだよ!」


「え?」


「オレは、それはそれで面白いと思うぞ? まあ、我が家に来なければ・・・だがな?」


 とおっしゃる生徒会長様は、おかしくて笑いそうなのかそれとも困っているのか、判断し難い表情をなさっておいでです。


「イヤ、このままだと確実に、お前の家にもやってくるぞ?」


「それは困るなあ・・・。仕方がない、特別にコイツを貸してやる。ただし、俺も監視役として同行するがな!」


「ありがとう! 助かるよ!」


 二人は私の目の前で、がっちりと固い握手なんぞを交わしております。

 が!


「なんで私の意思はそっちのけで、交渉が成立しているんですか? 助けるかどうかの権限は私に・・・」


「ハア? オレがいいと言ったら、いいに決まっているだろう?」


 という会長様の一言により、私、篠原君の家に行くことになりました。


 しかも放課後になるやいなや、教室で会長と篠原くんに拉致られて・・・。

 気分は、今から死刑執行の場に連行される、囚人的な感じです。


 もう、周りの目がグザグザと突き刺さって、痛いのなんの・・・。

 その視線だけで私、細切れになってしまいそうです。


 まさか女の妬みつらみな視線が、あんなに精神的に破壊力抜群なものだっただなんて・・・。

 こんな経験、本来なら一生することはなかったはずなのに・・・。

 はっきり言って、今すぐおうちに帰りたい・・・。


 うつむいたまま、怖くて顔を上げることなく、気が付けば私は、大きなお屋敷の前に・・・。

 って、


「え? もしかしてココが、篠原君のお家なの~~!!」


 なんと!

 篠原くんは、いいとこのおぼっちゃまでした。

 常緑樹の生け垣に囲まれたその中には、昔ながらの大きな古い平屋が、どど~んと構えていらっしゃいます。

 茅葺(からぶ)き屋根の、玄関には大きな木製の引違戸で、年代の古さをかもし出していらっしゃる。

 って、テレビとかで見る“大昔から大金持ちの庄屋さん”的な、そんな歴史の重みを感じさせるような、大きなお家にございます。

 家の周りのお庭も、とにかく広い。

 そして縁側っぽいところには、大きな柿の木が・・・・。


「??」


 アレ? 

 柿の木って、こんなものでしたっけ?

 普通の柿の木って・・・。


「人の顔、ついてんの~~??」


 ということで。

 篠原くんの家の柿の木には、男の人の顔がついていました。

 しかも、めっちゃ大きい!

 そして、よく見ると・・・。


「なんで、西島 ○俊似の、大人の魅力満載な渋系イケメン仕様?」


 イケメンでした。

 ただし、坊主ですが・・・。


「この木には、“タンタンコロリン”という“柿の精”という名の、付喪神がいるんだ」


「柿の実を取らずに、しばらく放置していると、こうやって出てくるんだよ」


「ヘエ・・・ソレハタイヘンデスネ? もしかして、それだけ?」


 まさか、それだけのことに呼ばれたの? って、私は何をすればいいの?


「まさか! そのあとが大変なんだよ・・・」


 なんでも柿の実を大量に抱ては、町内を一巡りしながら柿の実をばらまくのだそう・・・なのだが・・・。


「ここら一体は皆、柿の木を植えていてね。どこに配っても柿が大量にあることに変わりないものだから、それが気になる“タンタンコロリン”は、さらにとても困った行動に出るんだよ・・・」


「え? どんな?」


 すると、篠原くんはスーーーーーッと私から視線を逸らし、


「ボクの口からは、その・・・言えない・・・かな?」


 そう言うなりチラチラと会長に、お助け視線を飛ばす。

 が!


「バ、バカいえ! オレだってあんなこと、こいつには、口に出して言えんわ!」


 顔を真っ赤にして、怒ってしまわれました。


 なんだかよくわかりませんが、結構なことをしでかすようです、イケメンな柿の精霊さん。


「で? 私は、何をすれば・・・」


「この柿を使って、いろんなスイーツを作って欲しいんだ! それも大量にね?」


「え・・・」


 ということで。

 今度は、篠原家のとてつもなく広くて清潔感満載なキッチンへ、隔離されることとなりました。

 大きなテーブルの上には、所狭しと柿が山となって積まれております。


「何を使ってもいいし、材料が足りなかったら、ボクが買いに行くから。いつでも言ってね」


「・・・って。どのくらい作ればいいの?」


「ひとまず、ここにある柿を全て使い切るくらいの量で、お願いします」


「・・・え? そんなに作って、食べられるの?」


「全然OKだよ! 助っ人も呼んであるし・・・」


 なんて、軽々しく言わないで欲しい。


「結構時間がかかりますが・・・」


「ご両親には、オレから連絡しておいた。“娘が役に立つのなら、よろこんで! なんなら2、3日戻らなくてもOKよ~”って、お前のお母さん、かなりお喜びだったぞ!」


 生徒会長様。

 一体、うちの母親に何を言ったんですか?


 そして、母よ。

 あなたは何簡単に、コロって騙されてんの?

 っていうか、心配じゃないの?

 あなたの可愛い一人娘は、同級生とは言え男に拉致されているんですけど!

 年頃の娘を持つ親として、いろいろ心配しないといけないところがあるのでは、ないのでしょうか?


「で、でも、父が・・・」


 そうよ!

 いくらなんでも、可愛い一人娘をヤローどものところに泊めるなど、普通の父親なら発狂するほどに、怒り狂うに違いない!

 しかも私の父は、


「彰子は、お嫁に行かなくていいよ~。ずっとお父さんが、養ってあげるからね~」


 って、毎日私だけのために、仕事に精を出す人だもの。

 きっと、反対するに違いない!


「お父さんなら、鼻をグズグズ言わせながらも涙声で、“ふつつかな娘ですが、どうかよろしくお願いします”って言って、電話を切ったぞ?」


 なんですとーーーーー!

 生徒会長様、一体うちの父に、なにをおっしゃったんですか?


 ということで、完全に退路を絶たれた私・・・・・・。


「分かりました・・・。この柿をすべて使い切るまで、私はひたすら、スイーツ作ればいいんですね?」


 何かが、プツン・・・と、切れる音がしました。

 それからの私は、記憶なるものがあまりありません。


 なんでだろう?

 まるで何かにとりつかれたかのように、ひたすら柿を使ったお菓子を作っております。

 それを篠原家のみなさん(お祖父さん・お祖母さん・お父さん・お母さん・そして3人のお姉さん)に生徒会長と篠原くん、そして助っ人に呼んだという、頭がパッカリ割れる昔美人な二口さん、それから口裂け女さんと花子さん、地面に着くほどの長いウェーブのかかった黒髪をした、絡新婦(じょろうぐも)さん以上の巨乳の持ち主でこれまた美女な毛倡妓(けじょうろう)さんが参戦し、大量に作るお菓子を次々と平らげております。


 作っても作ってもすぐになくなるって、あんたらどんだけスイーツ好きなの?

 っていいますか、そのペースで食べ続けて、大丈夫なんですか?


 柿のキャラメリゼが、甘くて美味しい『柿のタルトタタン』。


 熟した甘い柿の味がクセになる、とろ~り『柿プリン』。


 大量の柿を投入し、しっとりとした落ち着いた甘みの『柿のパウンドケーキ』。


 柿のトロリとした食感と、キャラメルソースで絡めてこっくりとした何とも言えないお味な、『柿のキャラメルマフィン』。


 サクサクの生地に、甘い柿の味がとてもマッチする『柿のパイ』。


 アーモンドクリームと柿の甘さが心地よい『柿のタルト』。


 柚子の皮を入れて、上品な味わいにした『柿の羊羹』。

 

 この7種類をひたすら作っては食べてもらうという、ある意味カオスな状況は、朝日が昇り切るまで続きました。

 はっきり言って、太陽が黄色に見えます・・・私の視力、ヤバイかも・・・。


 それにしても・・・。

 さすがは妖怪の皆さん(一部は多分人間だと信じたい!)、よくぞまあこんなにも綺麗に(皿を舐めてまで・・・)、食べ尽くしてしまわれましたね?

 作った方にしてみれば、感無量にございます!


 テーブルの上の柿を全て使いきり、最後に冷蔵庫から取り出した柿羊羹を持って、気分転換にと庭に出でました。


 そこには・・・。


 とても満足そうな、穏やかな表情をした“タンタンコロリン”のお姿が・・・。


「あの~。味見しません?」


 私はそう言うと、フォークでぶっ刺した柿羊羹を、“タンタンコロリン”の口の中へと突っ込んだ。

 しばらくは、モグモグ・・・と口を動かしていた、“タンタンコロリン”だったが・・・。


「美味しいよ、ありがとう・・・」


 とってもお素敵な重低音イケメンボイスにて、お礼を言われたあと、スーーーーーーっとお姿を消してしまわれました。


 成仏・・・でなはく、満足していただけたご様子です。


 やりきった感で、とってもすがすがしい気分な私・・・。

 だが・・・。

 そんな私の左肩を、チョンチョン・・・とつつくものが・・・。


「? 何?」


 振り向くとそこには。


「生徒会長? どうなさったんですか?」


「あ~ん・・・」


 と私の目の前で、口を大きく開けた生徒会長様が。

 私限定、しっぽふりふりをなさっているので、多分機嫌はいいと思うのですが・・・。

 

「あの・・・一体何を・・・」


 え?

 コレ、どういうこと?

 この人一体、何がしたいの?


 混乱したまま、その場に固まってしまう私。

 しかし、口を開けていた生徒会長様は、みるみるうちにご機嫌ナナメな形相となり・・・。


「第一だなあ~」


 ビシリ! と人差し指を私めの唇に押し当てると、


「お前は、オレにだけ食べさせてくれていれば、それでいいんだよ!」


 と、すっごく真面目なお顔で、言い放ったのでございます。


 え?

 ナニソレ・・・。


 ・・・・今日も、意味がわかりません!


 こうして私は会長への謎を深めつつ、一日が始まったのでございます。

タンタンコロリン


 柿の実を取らずに長期間放置していると、柿の木に現れるそうです。

 僧侶のような姿をしていて、懐に大量の柿を所持し、町内を一周りしながら、柿の実をばらまくと言われています。

 ただそれだけで、害のない柿の付喪神らしいのですが・・・。


 あまりにも熟れすぎた柿が大量に残っていると、迷惑行為に出てしまうようです。

 宮城県の民謡では、小僧さんに自分の糞(熟れた柿の実)を食べさせたり、ある屋敷に仕える女性に、自分のお尻の穴を舐めて(甘い柿味だったとか・・・)もらったりさせてたらしいです。

 

 どうやら熟れた柿を残さずきれいに食べてもらえると満足するらしいです。

 ですので、柿を使い切るほどにたくさんの柿スイーツを作って、タンタンコロリンを満足させてあげましょう!


 ・・・・・・変態行為に、巻き込まれる前に。

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