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猫と月  作者: くー
5/10

満月

「はい、では明日伺います」


 携帯の通話を切り、自宅に帰る。


「お前の飼い主になってくれる人が見つかりそうだよ」


 出迎えてくれた朔の首の下を指で擽ると、ごろごろと喉を鳴らし、目を細めた。

 携帯のバッテリー残量が少ないので、カラーボックスの上にある充電器に繋げる。

 一方、朔は珍しげに窓の外を見上げていた。


「満月が珍しい?」


 帰宅の道中、まん丸な月が昇りかけていたのを思い出し、朔を抱き上げベランダに出ると、涼しい風が吹いている。コンクリートで囲まれたベランダなので、危なくないだろうと朔を下ろす。暫くきょろきょろと辺りを見回し動かないので、冷蔵庫からビールを持ってくると、朔は既に探索を始めていたどころか、どうジャンプをしたのか手すりに立っていた。


「朔?!」


 その時、慌てた理由はなんだったのだろう。

 朔が落ちるとでも思ったのか、それとも逃げるとでも?

 急に掛けられた声に怪訝そうに首を傾げた朔だったが、危なげない足取りでくるりと向きを変えた。

 月を眺めてる?

 狼男なら変身するところだが、猫の場合はどうなんだろうか?

 人間になるなら中学生?それとも小学生か?

 変身するなら猫又ってところだが、猫又になるには年をとらなくてはいけないはずだ。どうみても大人にもなっていない猫にそれは無理だろう。

 意味もなく真剣に頭を悩ましていると

 ……猫又自体空想でしょ。

 嘲笑うかのように朔の尻尾が左右に揺れた。



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