33/76
31. 病気?
「カン!あのリーンって子に会ってから、体調が良くねぇ、うまく喋れないし、心臓がバクバクなるし、顔がなんか熱くなって、あの子を見てられない。なんだと思う。」
ドラさんが壺に顔をうずめたまま、切羽詰まった感じでこちらに言ってきた。思い至る事はあるけど……。
「ドラさん、それって……母さんに聞いたことがあります。……病気の名前までは聞けませんでしたが、ほとんどの人がかかる病気だそうです。そして、いつ発症するかも分からないそうです。」
返答すると、壺から少し顔を出して言ってくる。
「マジか!カンの家は村で唯一の医者の家だからな。帰ったら、もう少し詳しく聞いといてくれ。」
「分かりました。」
道の分かれ道でドラさんと別れて、壺にいつもよりユラユラ揺れながら呟いた。
「あのドラさんにとうとう春が……。」




