プロローグ
『緊急事態発生、緊急事態発生、本艦は外部からの攻撃により、航行不能、乗組員は直ちに避難ポットに乗り脱出をしてください。』
艦内は赤い光に包まれアナウンスが響き渡る。銀髪の少女は息を切らせながら緊急避難ポットの所へ急ぐ。数分後、避難ポットがある部屋に到着した。
扉を開けると、脱出の準備をしていた彼女の父である白髪の男が居た。
「お父様、早く脱出しましょう」
少女はキーボードの操作していた父に早口に声をかけるが、父は悲壮な表情で少女に向き答える。
「すまない...どうやら攻撃によって動かせるポットが1人分しかないようだ...私はどうにかするから、リーン...先に脱出しなさい。」
「イヤよ!お父様もどうにか脱出できる方法を考えましょ!」
少女は父の腕を掴んで叫んだ。
「コード119!対象リーン!今から1分後に緊急脱出!」
『コード確認。実行に移します。』
「すまないリーン...私は我が娘を守らなければならない、もし生きて次に会うことがあるのならば...」
父の声はそこで止まった。
不可視の力によってリーンはポットの中へ入れられた。泣き叫んで叩いている娘を見るが、声はこちらに届かない。
「リーン...愛しい我が娘、行き先は我が故郷の地球にした。もう数えきれない程の年月が経っていて、問題は解決しているかはわからない。だが、生き残るためにはそれしか方法はない...」
「こちらの声はもう届いていないだろうが、君が生きるためにポットを改造しておいた。また会う日を願っている...」
ハッチが開きポットが宇宙に排出された。
そして、見送った数秒後、父は艦内に消えていった…




