焼き餅の晩餐会
ミケ柄のメルは、アルト王子殿下の専属侍女頭として、小さい頃からアルト王子殿下の身の回りのお世話をする中で、密かに想いを寄せていた。春が異世界から召喚されてから、アルト王子殿下の変わりように嫉妬が募っていくのだった。波乱の晩餐会になるのか?
ソファーで眠る春の寝息を見つめながら、春の解いた長い黒髪を、触りながらアルト王子が髪にキスを落とした。アルト王子が部屋を静かに出ると、起きていた春の顔が真っ赤になっていた。
── い、今、私の髪にキスをしたよね?
メガネを外していて、ぼんやりとした気配しか分からなかったが、アルト王子が付けていた、甘い香りの匂いだけは、覚えていた。
─晩餐会ー
「聖女様、大変、お綺麗にございます」
死んだ私の髪の毛や体を磨き上げられ、ツルツルの肌に、サラサラの髪の毛を綺麗に整えてもらい姿見で見る自分は別人に見えていた。
……アレよね……死人に化粧みたいな?
死んでるはずの自分の姿が、姿鏡に写っていて不思議そうに、自分の変貌に驚き、腕や頬を春は、触っていた。晩餐会なんて気分じゃなかったが、呼びに来た侍女に案内され食堂に到着すると、大きなシャンデリアが、ズラっと天井から吊るされて、大きな暖炉、テーブルには、赤いクロスが敷かれ、大きな花瓶にバラの花が80本くらいはあるだろうなと。部屋の中も無駄に広い(流石、王族)。アルト王子が、私を見たまま立ち尽くしていた。軽く咳払いをする執事に、アルト王子が椅子に慌てて座ると静かな、晩餐会が始まったが、特にこれといった会話がなく、フォークやナイフの音だけが食堂に響いていた。
「うわぁ!これ、すっごく美味しい」
私が、一人で料理に舌鼓しているとアルト王子が、小さく右手を挙げ、小声で侍女に新しい皿をと、指示を出すと、私のお皿を取り替えようとした。
「まだ、残ってるので食べてからでいいですよ」
驚いている侍女に、アルト王子が膝に広げたナフキンの端で口を拭きながら春に答えた。
「新しいのを、食べるといい」
「ちょっと口にしたら下げるなんて、食べ物に対しても、作ってくれた人に対しても失礼よ!これだから、金持ちって無駄が多いのよね──」
アルト王子は、春に言われるまで、気付かず食べかけの皿を見つめていた。気に入った配膳なら、残っていようが、新しい皿に変えればいいだけなのにと、今の今までそう、思って教育を受けていた。
「そうか、私が間違えていたな。皆、聞いてくれ。明日から、食べ切れる量を私と、彼女に配膳してくれ」
アルト王子の言葉に執事や侍女たちが、静かに頭を下げて聞き入れていた。
「美味しかった!ごちそうさまでした」
手を合わせて、お皿に挨拶をする、不思議な光景にアルト王子が春に声をかけた。
「それは何かの作法か?」
「え?いただきますと、ごちそうさまは当たり前の作法でしょ?」
「そうなのか?我が国ではそのような作法は、ないのだが」
「命を頂きます、作ってくれた人にありがとうの意味で、ごちそうさまを言うのは、私の世界では普通のことだったわ」
「なるほど。いただきますと、ごちそうさまか──」
手を合わせて、春の真似をするアルト王子に、専属の侍女、メルがアルト王子に、声をかけた。
「アルト王子殿下、僭越ながら申し上げます。王族が、人間の世界での作法を覚える必要はありません。この者の話を聞き入れては、我が王国は恥をかいてしまいます」
私を睨む、メルになるほどと女の勘が働いた。
……ふぅん。王子がやたらと私に関心を持つから、ヤキモチ妬いてるのか
春は、ナフキンをテーブルに置くと、席を立った。
「するかしないかは、ご自身が決めればいいかと」
私が、意地悪で言い返すと、メルが私に言い返そうと前に出ようとしたが、アルト王子が止めたのだった。私は食堂を後にし、部屋に帰ると重苦しいドレスを脱ぎ捨て、ふかふかのベッドに横たわり、肌着のままブランケット中に潜ると、春はそのまま眠りについてしまっていたのだった。
焼き餅を妬いてる、我が家のニャンズたち。1匹のにゃこを、可愛いって言うと、私は?僕は?俺は?って順番に言われたくて待ってる我が家のニャンズたちに、作者はつかの間の推しタイムチャージしています。※プチ猫カフェみたいな?(笑)
勿論、アニメや漫画も大好きだし小説の挿絵とかの、イケメンキャラクターにも、萌え(*´∀`*)ってチャージしてるくらい、推しの広さは無限だなと。




