推しの破壊力と甘すぎる朝【番外編】
胸焼け注意報です。(心の声)⇒早口で、お読みください。
ー禁忌の森騒動から、一夜明けた朝のお話であるー
背景、推しを愛でてる、世界中の皆様へ。森宮春は、カップ焼きそば片手に異世界転移、聖女召喚されて、猫の国ハーベルト王国、アルト·タタン·ハーベルト王子殿下が、目の前に…
朝、カーテン越しに差し込む光。天蓋のカーテンが少し揺れる。
温もりに包まれながら目を覚ます─。
…近い。
とても、近い。
ゆっくり、春が視線を上げる。
(ドアップでアルト王子殿下がすやすやと私を抱きしめながら寝ている…夢か?あれ?やっぱ、あの夜で、私死んだ?ここは、もしかして冥界の入口で、最後に神様が見せてくれてる夢かな…?)
サラッとアルト王子のアッシュグレーの前髪か落ちると、春は自分の口を左手を押さえる。最高だと、右手の親指を立てた。
「……っ!!」
…ゼロ距離。
いや、マイナスでは?
鼻先が触れそうなほどの、至近距離から見える、長い睫毛。整いすぎている鼻筋に、わずかに開いてる唇。朝の光に照らされるアッシュグレーの髪。これぞまさに、顔面国宝級以上のビジュ。
皆様、春は気付いていないが、心の声のはずが、ちょっとずつ漏れている。
(…ちょっ、待って!はぁー。無理、無理、無理!これはやばい。スマホ。スマホはどこ?あー!!この世界に、スマホがあれば間違いなく連射機能で百枚、いや千枚?フォルダ分けしながら、タイトル名『天使の寝顔』『推しの寝顔アップ』『まつ毛数えるシリーズ』、動画も撮って、分類して…それから、大画面のテレビ買って毎晩、再生して…保存してバックアップして、クラウドにも上げて、プリントしてコンビニ走るのに……!)
"もう一度、言います。心の声がダダ漏れております。"
アルト王子の猫耳が、ぴくりと動く。
(え?やば、耳がピクって動いた。推しが生きてる、推しが…息してるだけで尊い)
春は、鼻を手で押さえた。物理的に鼻血が出そうな気がしたからだ。
(心臓が…もたない…な、なんこ、必要??)
「……春」
低い、アルト王子の寝起きの声に春の肩が跳ねる。
「ひゃい!な、ななな何もしてません!」
まだ目を閉じたままの、アルト王子が、春の細腕を抱き寄せて、抱きしめる。完全に私、推しから抱き枕扱い。(最高のご褒美)
「騒がしかったよ?」
「さ、騒いでないですよー」
「春、全部、聞こえていたよ」
ゆっくりとアルト王子のオッドアイの瞳が開くと、春の目にも映る、至近距離で。
(目、開いた───!!!)そら、開けるだろうに。
「ぐふっ」
春は、悶絶しかけた声を、口で押さえながら心の中で悲鳴。耳まで一気に赤くなる。まだ半分眠そうな顔で、春を見つめる。
「俺の寝顔で、何をするつもりだったのかな?」
「な、な、なにもし、してません!!」
「ふーん」
アルト王子が、春の頬に手が触れ、春はもう、心臓がもちませんと自分の鼓動の速さに、アルト王子に聞かれてるんじゃと、ブランケットを頭から被った。
「春、れんしゃって、?」
「殿下、忘れてください!」
アルトの唇がわずかに緩む。
「んー。絵画がか、何かな?」
「っ…!!」
春は観念して、ぽつりと本音を落とした。
「眠ってても、完璧なアルト王子殿下が悪いんです…」
潜って出てこない春にアルト王子が、ブランケットをめくると、理性さえも吹っ飛びそうな春の表情に、喉が鳴る。
「今は、それでいい」
「え??」
「春が、傍にいてくれる。それだけで十分だ」
アルト王子の優しい眼差しに、春は動く猫耳に手を伸ばした。
「春??今、いいこと言ったのに、何をしようとしてるのかな?」
「あ…殿下の猫耳が…」
「触りたいの?」
コクンと、頷く春に触りやすいように頭を下げた。
「くすぐったいから、少しだけね」
春は両手で、そっと猫耳を包む。ふわふわで、あったかい。春が触る度に、ぴくぴく動く猫耳。アルトの眉がぴくっとする。
「もふもふで、柔らかい…」
まだ、触り続ける春の腕を掴むと反対の手で顔を覆うアルト王子。
「もう、触るの終わりね」
「殿下、もう少し触りたいです」
耳が赤くなるアルト王子。春の要求する表情に、喉を鳴らしながら、春に覆い被さる。手の指が絡み合って、ギュッと、春の手を握ると寝台に沈む春が目を閉じた。アルト王子と唇が重なる。やわらかなキスが離れては、また触れてを繰り返した。春の長くなった髪をすくい上げて、キスをする破壊力に、顔が真っ赤になっていた。アルト王子殿下の眼差しに、いつ天に召されても悔いは無いと、祈りのポーズをしている春に、クスッとアルト王子が笑った。
「ひゃっ!」
「その、可愛い表情で俺を見つめる春が悪い…でしょ?」
首筋に、キスを落とされると、春の体がピクっと反応する仕草に、ゆったり動いていた尻尾が、激しく揺れていた。
「ッ…。ごめん、ちょっと離れるね…」
アルト王子が、春から離れると、何やら独り言を、話し出す。春が体を起こして首を傾げて見ていた。
…これ以上は、駄目だ。うん。あの反応…煽るから…我慢だ、俺は紳士だ、王子だ我慢だ…
春が、声をかけようとしたとき、突然、天蓋の外から咳払いが聞こえてきた。
「おはようございます。アルト王子殿下」
「な、なんでダリアンが、そこに!」
「私は、アルト王子殿下の護衛騎士であり、政務のお手伝い、秘書、何でも器用に、仕事をこなすダリアンに、ございます」
「そんな、説明じゃなくていつから…」
「そうですね─春が好きすぎて、理性を保つのに…」
「うわあああ!!」
アルト王子の悶絶する声が響いて、寝台から飛び降りると、ダリアンに詰め寄った。
「おい、それ以上言ったら分かってるだろうな?」
「はて?私は、アルト王子殿下が、いつからそこに居たのかと、聞かれたので、ありのままをお伝えするのが責務かと」
「責務を使うな!」
メガネの縁をクイッと持ち上げて、平然とした顔で立ってるダリアンに、アルト王子が睨みながら、寝台に戻ると春がブランケットの中で、笑っていた。
「春?春、なんで笑ってるの?」
「だって、二人とも仲良しだなって…ふふっ」
「いえ、春様。殿下とは仲良しではなく腐れ縁でございます」
「ダリアン後で、覚えとけよ」
黙ったままの、ダリアンに春が笑いが止まらない状況を見て、王子の威厳がと手で顔を覆った。ダリアンが追加で話し始める。
「お戯れの時間も、そろそろ切り上げてもらわなければ、政務に響きますよ。アルト王子殿下」
「あと少しくらいは…」
「3分もありません」
「5分くらいは、あるだろ」
「そんな、お時間があるのなら、貯まってる政務追加でできますよ」
「あーも!1分だけ外で待っとけ!」
「御意にて」
扉が閉まると、ブランケットからチラッと春が顔を覗かせて、アルト王子を見ていた。
「春すまない。政務で、行かないと」
アルト王子が春の髪を触りながら、名残惜しそうに口付けをした。パタンと、寝室のドアが閉まると春は夢心地に足をばたつかせ、口に枕を押さえて小さく悲鳴を漏らす、春なのでした。
…え?こんな、甘すぎる展開でいいの?
特別編にて第1章、完結なります。20話で終わるかハラハラしましたが、激甘胸焼け注意報作品で、完結(笑)アルト王子殿下と、春は相思相愛なのか?王子妃になるの?とか、書き足りていない描写がありますが、作者のやる気スイッチしだいと思っていただけたら…。書けば書くほど、煮詰まりが激しくなり、ここ数日、ストーリーを練りすぎてか自分の世界感に没熱しまくって寝れない日が続いていて字が、書けない、視界がぼやけたり、限界の睡眠不足から、暫く充電しようかとも、考えております。ブックマークへ登録、評価よろしくお願いします!




