意識し合う手紙
手紙を見られた…読まれた…殿下に!!ダリアンさんに笑われるし…
春様は、本当に可愛らしいお方ですわ。早く、くっついたらいいのに。じれったいです。ダリアン様は、私が後で、きっちりと抗議しましたから。ルミネは、春様の見方であり、専属侍女ですからね!
アルト王子の誕生日パーティーの夜会が終わり、あれから2週間がすぎていた。ファーストダンスが、求婚だと知ってから、アルト王子と顔を合わせるのがなんだが気まずくて、自分の気持ちが揺らいでいた。異性として考えれるだろうか、身分差で無理じゃないって考えれば考えるほど頭が痛くなり、バースデーカードに書いた手紙の封筒を、春はソファーテーブルに置いた。心地いい風が部屋に入ってきて、春の眠りを誘う。
「結婚…考えたことがなかったな」
部屋の前を通りかかったアルト王子が、初めて春が異世界転移してきたあの日の光景が懐かしく感じ笑みが零れた。彼女の寝息が、部屋の中から微かに聞こえ、中に入ると、自分に宛てた手紙がテーブルに置いてあるのに気付き、封を開けて、アルト王子が手紙を読んでいた。愛しい人の字を、眺めながら指でなぞり、眠る春の唇にアルト王子の、唇が重ねると部屋を離れた。
アルト王子殿下とキス……
「って、推しとキスとか!!」
春が起き上がり置いていたずの手紙がなく、周りに落ちていないかと探すが、どこにもない。もしかしてと、部屋を飛び出す春が向かったのが、アルト王子の執務室。コンコンと、ノックするとダリアンが、ドアを開けると、寝癖が付いたまま息を切らしてる春の姿に、思わず手で口を抑えたが間に合わず、吹き出していた。
「…ぶはっ…これは、これは…聖女様、春様、何の御用でしょうか?」
目線の先が、髪の毛と気付いた春が慌てて髪を直して息を整えると、アルト王子との面会は出来るかとダリアンに尋ねた。
「アルト王子殿下は、政務でお忙しいので」
断るダリアンだが、春はあの手紙を見られたらと思うと、お構いなく部屋の中に入った。
「アルト王子殿下、中に入ってもよろしいでしょうか?」
ドアをノックする春の声に、『 ガタ、ガタガタガタン!!』と、すっごい音がドアの向こうから聞こえて、ドア越しに耳傾けると、ガチャっとドアが開いた。
「ヒャっ!」
「危ない!」
アルト王子殿下に肩を引き寄せられ、そのまま抱きしめられてしまった春の心臓が早くなるのを感じたが、アルト王子の心臓は、それよりも早く脈打つ音が聞こえた。
「春、どうか、しましたか?」
ハッとして、春がアルト王子から離れると手紙を持ち帰ったかと、尋ねる。上着の内ポケットから白い封筒を出すと春が、返して欲しいと言った。
「汚い字ですので、お返しください」
「春が、心を込めて書いてくれた、大切な手紙を汚い字だなんて、思うはずがありません」
……今、春って呼んだ?何度も、春って。
笑顔を向ける彼の優しい眼差しに、頬が熱くなるのを感じ、黙ったまま執務室を飛び出した春は、来た道を全力疾走で走る姿を、ダリアンが笑い転げていた。
「おい、その癖、悪趣味だぞ」
「ひっひっ!!あー面白い光景が見れた」
ダリアンの性格の悪さは今に始まったことじゃないと、ため息をこぼすアルト王子の手には、大切な手紙を、大事にしまうのでした。
アルト王子と、春の恋の行方がゆっくり進む中、1期も後編へに入ります。2期は続けるかは未定ですがどうぞ次回も、よろしくお願いいたします。恋愛経験乏しくて、恋愛小説や漫画を読み漁ってはイメージを膨らませてますが、描写の表現不足、文才の低さが、目立ち読みにくい中小説を読んでくださり、本当にありがとうございます。




