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カップ焼きそば持って異世界転移、猫の国の王子殿下に聖女じゃない私が溺愛される!?  作者: 猫又 マロ
ハーベルト王国編/第1章

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プロローグ

カップ焼きそば食べようとしたら、まさか自分が異世界転生し、聖女として召喚された場所とは?


「おい!森宮!書類まだできないのか!」


上司の怒号が今日もオフィスに響き渡る、社蓄OLの宿命

ブラック企業の毎日に、私の疲弊が募るばかり。


─今日も終電ギリギリ。晩ご飯どうしょうか


ご飯すらも作る気力なんて、1ミリも残っていない。入社してもう2年経つが、コンビニか、スーパーの半額シールのお惣菜とパックのご飯をチンするだけの毎日。


「あ、この焼きそばのパッケージ、推しとコラボしたんだ」


コンビニで、カップ焼きそばのパッケージを手に取り見ていた。ストレス発散で、たまたま見始めたアニメ"猫の国の王子は異世界から召喚された少女と出逢い恋に落ちる"のアルトのパッケージに、目が止まった。アニメも好きだけど、本作の漫画がまたいいのよね。アルト王子が、異世界転生で召喚された、美夢(みゆ)が最初こそ、聖女の力がなくって、アルト王子と喧嘩ばかりしてて、そんな中、子供が魔物に襲われかけた時に、聖女の、力が芽生えてるんだけど、その中で幾度なくピンチの時に限って、アルト王子が、美夢の前に出て、助けていくんだけど……とにかくアルト王子が、最推しでかっこいいんだよね。


カップ焼きそば片手に、ニヤケながら惚ける私に、店員さんがレジ前でチラチラと、私を見ていて慌てて、カップ焼きそばを籠に入れると、パン、お菓子、明日のお弁当、飲み物を入れてレジに向かった。


「2期が、始まるんだ。録画しないとな」


コンビニの袋から、カップ焼きそばを取り出してパッケージを読みながら、家路まで歩く。家の鍵を開けると、薄暗い部屋には、捨て忘れたゴミ袋や流しには、洗い損ねたコップたちが、そのままだった。


「流石に汚い…」


明日は、1ヶ月ぶりに会社が休みになって、明日片付けだなと、ゴミ屋敷一歩手前の我が家の惨劇を見ながら、水道水の蛇口を捻った。ケトルに水を入れ、沸騰するのを待つ間に、テレビをつけると、推しのアニメの録画再生を付けたまま焼きそばの袋を破いて、中のソースや、かやくを取り出すと1枚のカードと、手紙が入っていた。


「おめでとうございます。アニメ2期に伴い、公開アフレコのご案内を……」


推しのアルトが描かれ、声優のサイン入りカードと一緒に、招待券が入ってて、思わず、私は嬉しさのあまり声が出た。日にちを見ると平日だから、流石に仕事だ。行けない!一気にテンションが下がると、カップ焼きそばにお湯を入れて、数分待った。スマホのタイマーが鳴ると、お湯を流し台に捨て、付属のソースやマヨネーズを入れて、割った割り箸で焼きそばをぐちゃぐちゃに混ぜたら出来上がり。狭い部屋に、置いた小さなテーブルにカップ焼きそばの容器を置いて、私は静かに手を合わせた。


「いただきます──」


カップ焼きそばを片手に持ち上げた瞬間、眩しい光が私の部屋を包んだ。


「え?」


──────────


「この者が、聖女か?」


「左様でございます。アルト王子殿下」


顔は人間で頭に猫の耳のようなものが付いてる人達が、大勢並んでいる。


目の前の大きな椅子に座って、私を見下ろしてるグレーの髪色に、身なりも周りとは違う、どこかで見た事ある正装した服装に、カップ焼きそばの湯気で曇ったメガネをスーツのジャケットの袖口で拭き取った私に声をかけられた。


「そなたは、異世界転生の聖女か?」


「はい??」


……てか私って、死んでるの?


────☆


「私の世界にアルトが来たら、カップ焼きそば一緒に食べようね」


「春が最初に持ってたあの、得体の知れないもの食べ物か…」


悩むアルト王子を横目に笑う春。星空をみげながら笑い合う二人は、手を握り体を寄せ合う姿。ハーベルト王国は平和な日々が訪れるがそれはまだ先のお話だ。

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