~第1章~ 仲間
俺「お前は誰だ⁉」
「お前だよ」
俺「何言ってるんだ!」
「どうでもいいだろう、お前が居ると俺に不都合があるって話」
俺「は、なんだよそれ」
「知らねーよ!」
と言いながら弱々しい足からなされる速さとは思えないスピードで相手に近づいていき、そいつにナイフを振りかぶる。するとそれに合わせて距離をとってくる。これは予想外だ。まさかここまで動けるなんて。
まあいい。俺には時間がある、が。それも全て社長がいつ起きるかによって変わってくる。だから俺は一発で決めるつもりだったのだが。
「ここでのお前は前とは違うんだな」
という言葉を吐きもう一度ナイフを振りかぶる動作をする。そしてさっきと同じように防御態勢をとる。ただそのことを予測していた俺はそいつの後ろに回りその勢いで押し倒す。
俺「くっ!」
「さあ、終わりだ」
という言葉を言い放ってからそいつの首に刃を当てる。すると俺の右ポケットから、ピー!という携帯の着信音が聞こえる。だから俺はそいつの上にまたがったまま電話に出る。
「なに?いま良いところなんだけど」
⁇「お前の社長起きたぞ。ビビってて話してくれない。埒が明かないから早く戻ってこい」
「了解」
と言ってから電話を切る。するとそいつは俺の方を向いてきて少しにやける。
「じゃあお前を討伐してから行こうかな」
俺「討伐?」
「ああ、お前みたいな奴には討伐という言葉が妥当だ。じゃあな」
と俺が言うとそいつは動かなくなった。そいつが完全に動かなくなったことを確認して立ち上がる。そしてそいつを担いでそいつの寝床に入れる。
「ただいま」
⁇「ああ、遅かったな」
社長「だから!私はなんで生きてるの⁉」
「お前は命を狙われてたんだよ」
⁇「ああ、また適当なことを(呆れたような小声)」
社長「あなたに⁉」
「いや、隣の会社の社長に」
⁇「ああ、そうだよ」
社長「なんで?」
「おお、やっと冷静になったね」
社長「そうだね」
「で、理由についてはまだ言えないかな」
⁇「ただこちらの要件を満たしてくれれば教えてやろう」
社長「え~。でも私もそんなに命狙われてた理由を知りたいわけじゃないんだけどな~」
「じゃあ、もう一つ」
と言い、社長の耳元でとある提案を囁く。
社長「乗った~!で、そっちの条件って?」
「お前言ってなかったのかよ。しょうがね。俺が言ってやるよ」
⁇「いや、言ったんだけどこいつ忘れたっぽくてな」
「まあまあ、俺が言うから。で、肝心の条件なんだが、お前ネット得意だろ」
社長「おお、ネットっていう言い回しから機械の不得意さがにじみ出てる……!」
「で、俺らの仲間になって欲しいんだ」
社長「なんで?」
「まあ機械得意なのは関係しないんだが、お前『転生者』だろ」
社長「ほお、なんでそう思った?」
「まあ推理で行けたよ」
⁇「で、なってくれるのか?」
社長「ああ。いいだろう。お前らが何をしたいのかが大体わかった」
「それじゃ行くか」
と言い、ホテルをチェックアウトするのだが、入って来た時は2人で出るときは3人だと何も知らない奴視点だと矛盾点が生まれる。だから俺はまた社長をトランクケースに入れる。入れるときに何か言っていたがこのトランクケースは防音だから聞こえないな~。
「じゃあ一旦基地向かうぞ~」
⁇「は~い」