1日目…夜の過ごし方。6
ウチ達は中田くん吉川くんコンビと合流した。
なぁ中田くん、素朴な疑問なんやけど誰かが急に熱出したとかしたらどうするん?ここ完全な離島で船を呼ぶにしてもすぐには来られんやろ?救急キット備品倉庫にあるって聞いたけど、それだけじゃ不安やん。大怪我したりするかもしれないし。
「それは大丈夫、北の崖の下に小型のボートが保管してあってそれで本島に行けるんだ。せいぜい3人程度しか乗れないがエンジンも付いてるし、小型な分スピードが出るから飛ばせば10分かからず沖縄に着くよ。吉川くんは何回か崖の方に行っていたから見たんじゃないか?」
「うん、病人と付添人を乗せて行くことくらいは余裕そうだったね。流されたりしないか不安だけど、しっかり固定されていたし。」
まぁ所有者の中田くんが運転できそうやもんな、でもウチが乗って転覆したりせんかな?それに肝心の中田くんが具合悪くなるってこともありえるやん?
「あはは、平気平気。エンジンかけて舵を取るだけだからコツさえ分かれば素人にも扱えるよ。本当は車みたいに免許が必要なんだけど、緊急事態にそんなこと言ってられないしな。」
「大丈夫なのかなぁ?そういうのって普段使わないから、いざというとき動かなかったりして。」
「まったく一言多いんだよ助野は。それも安心してくれて良い、3ヶ月に一回試運転を兼ねてメンテナンスしてもらっているから。燃料の方も古くなりすぎないよう定期的に使って補充されているよ、証拠にホラ。」
今どきはペーパーレスだからね。そう言いながら中田くんがスマホを見せてきたので3人で覗き込むと、そこには船舶の整備証明書が表示されており日付は2ヶ月前になっていた。
「なんだ最初からこれを見せてくれればよかったのに、疑っちゃってゴメンよ~。」
「それよりそろそろコテージに入ろう、せっかく一度シャワーを浴びたのに潮風と汗でベタベタしてきた。」
賛成!夜とはいえこの時期は暑い。歩き回っていた中田くんと吉川くんは、月明かりの下でも分かるくらい汗をかいていた。
戻ると明美が入浴タイムで美優と渡辺くんが何やらおいしそうなデザートを食べている。
「千佳っち達の分もあるよ、みんなが外に出ている間にフルーツゼリー作ったの。冷蔵庫にあるからどうぞ。」
お言葉に甘えて、ウチはパイン味をゲット!助野くんはりんご味。中田くんと吉川くんはお風呂上がりに食べるからと辞退して、中田くんはさっさとお風呂の方へ行ってしまった。
ん~!甘さ控えめでおいしい!これ誰が作ったの?
「あたしと明美で作ったよ、砂糖だと甘さがクドくなっちゃうと思って蜂蜜を使ったの。砂糖を使うよりヘルシーだし、お肌にもいいよ!」
いつも閲覧・評価ありがとうございます。感想・誤字の指摘などありましたらよろしくお願いいたします。
※この話はすべてフィクションであり、実在の人物・地名・事件・建物その他とは一切関係ありません。




