1日目…沖縄から離島へ。3
みんなも乗り込み時間通りに船が出発した。と言っても片道20分程度らしいが。
(澄み渡る青空に海風が気持ちいいな、今日はやっぱり来てよかったかもしれない。おや、中田くんが近寄ってきたぞ。)
「いやーさっきは吉川くんがタイミングよく登場してくれて助かったよ、ありがとう。」
自分は何かしたのだろうか?
「いやこっちの話さ、それより正直スケベの助野と吉川くんの二人が同窓会に参加してくれるか一番不安だったんだよ。女子たちはそれぞれの性格を考えれば来るだろうことは予想がつくし、のぞみちゃんが来るなら旦那の昌大も来るだろうと踏んでいたからね。」
さすがにあそこまで頼み込まれたら断れなかったよ。それより笹山さん結婚したんだね、自分SNSとかやってないから知らなくて。
「そうだよ。さっきも言ったから相手は昌大、だから今は渡辺さんって呼ばなくちゃダメだぞ。それより吉川くんは今スポーツインストラクターをしているんだって?年齢層は?」
自分は陸上をやっていた経験を活かして、小~中学生を担当してるよ。走り方や姿勢の基礎から、一緒に走り込んだり。それに併せてスポーツマッサージもやってるッス。
「今度吉川くんの職場にお邪魔しても良いかな?特に小学生はおもちゃづくりのメインターゲット層だからね、色々聞きたいんだよ。」
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(明美ったら、誰にでも愛想よく話しかけるタイプのくせに肝心なときはモジモジして行けないんだから。意識すると緊張しちゃうタイプってことかしら?)
ちょっと明美!せっかく吉川くんと同じ船になったんだから話しかけに行きなよ~。
「え…でも、中田くんと話してるし。それに久しぶりに会いすぎてなんて話しかけたら良いか分かないもの。」
そこはホラ、沖縄の海と空はキレイだねとかでいいのよ!
「そんなしょうもない話題、一瞬で終わって気まずい沈黙が訪れるだけでしょ。こういうのって昔話をして懐かしむのがベターなんでしょうけど、吉川くんって転入生だったし中学校は3年間違うクラスだったしで一緒にいたの1年ちょっとくらいなのよね。」
(いつも謎に自信満々の明美がモジモジしてるのはある意味おもしろいからいいけど。でも他人の恋路に首を突っ込むのって楽しい~♪)
そんな風に過ごしているうちに船は離島に到着。
「みんなお疲れ。見ての通りここは完全なプライベートビーチ状態だ、俺のコテージがある以外は海に囲まれてる。SNS映え写真もたくさん撮れるぞ!」
中田くんが指差す方を見上げると、少し小高く広い丘のようになっているスペースの真ん中に平屋のコテージがある。中田くんによるとコテージの裏は崖になっていて、一応転落防止用のガードは張ってあるが不用意に近づかないように、と言われた。
コテージの周りには木もまばらに生えており、コテージをちょうど日陰にしてくれていてなんだか涼しげである。
中田くんを先頭に、吉川くん・明美・あたしと続く。一番後ろは船の運転手の方がついてきており、この人があたしと明美のキャリーケースを運んでくれているので、登り坂だけど楽勝だった。
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※この話はすべてフィクションであり、実在の人物・地名・事件・建物その他とは一切関係ありません。




