はじまり。
人間とは、愚かなものだ。
いつの時代も、争いは絶えることがない。日本史を見ても世界史を見ても、大小さまざまな戦争や反乱が起こってきた。
こうしている今だって、マンションやアパートでの騒音クレーム問題やママ友同士のマウントの取り合い…種類は違えど人は憎しみ合い、争いあう生き物。
理性のある大人ですら争うのだ、理性よりも好奇心や闘争本能などが勝ちやすくなる子供のときはもっと顕著である。
例えば"いじめ"だ。
いじめのなかった時代、そしていじめのない学校などおそらくこの世に存在しない。
戦争と一緒で、大小さまざまないじめがあるだろう。
"イジり"や"悪ふざけ"で済まされる程度や、果ては被害者が自殺に追い込まれてしまうものまで。
事の発端は、12年前に遡る。
A県にある、県立金緑小学校。山間にある小さな村の中心にある小学校で、各学年10人ずつほどしかいない。教師も校長や保険教諭を含めて13人。
そんな小さな学校でも、集団生活を送る上での問題は当然起きる。
結論から言ってしまえば、ここでいじめが起こった。
当時の金緑小学校5年、このクラスには9人の生徒がいた。
その中の一人、高見山直人(当時11歳)がいじめの被害にあったのだ。
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※この話はすべてフィクションであり、実在の人物・地名・事件・建物その他とは一切関係ありません。