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辻々の徒花たち 紫陽花

紫陽花




私に引き止める勇気はない

その魅力もなかった


雷とともに降り出す雨

一瞬で水たまりを作る程の雨足



あの人の手を取り握って縋り付きたい


でもこの恋は私が手を離せば終わる恋だった

繋ぎとめられるものは何にも無い



向こうからこっち側には絶対に来ない



あの人に大切な人がいるのは知ってた

知ってて欲しがった

だから承知の上での関係


それでも束の間の逢瀬だけで充分に

満たされていた

病弱なその人の代わりでも良かったのに


少しくらいは愛されている

その思い上がりが自分の首を絞めた…

独占欲に支配され始め



独り占めにできないなら、いっそ…




私は手を離した




あの人が離れて行ってしまうのは

判りきっていたのに止められなかった言葉


「もう、会わないでおこう」





止められなかったのは、あの人が戻らなければならない理由を作り出すこの雨のせい



……きっと雨のせい



この雷雨のせい


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