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エピソード9:最後の鍵

蒼真そうまたちは失われた財宝を探す最後の手がかりを宣教師が書いた古文書で解読する。

タイプはそれを阻止するため、強力な魔法の守護者を放つ。

蒼真そうまは潜在能力を解き放ち、守護者に立ち向かう。

【手がかり】

宣教師の駐在所。

陽翔はるとが1601年に書かれた古文書を英国の大帝国図書館から取り寄せていた。

海外から史料を取り寄せるのは大変なことだが、倉壮くらあきの出身大学の恩師で、碩学の名誉教授を紹介してもらい、やっとのことで入手したものだ。


その写真が表示されたスマホの画面を宣教師に見せる。

古文書を解読し、失われた財宝の最後の手がかりを見つけようとする。


「これを書いた宣教師は良く知っています。

私がこの地に着任した時に、巡察した一行の中にいた人です。

これは本国に宛てた報告書ですね。


長崎の修院に写しが残っているかも知れません。

取り寄せてみますので、少しお時間をください。

今度、南蛮船が入港するのは、えーっと・・・」


「今の時代とは違って、ここでは主な交通手段が船だからね。通信も手紙じゃ、時間がかかるよ」


「ねえ、蒼真そうま、スマホでサクッとできないの?めんどいんだけど」


蒼真そうま花音かのんの話を聞いていたみんなが大笑いする。

失われた財宝の最後の手がかりを見つけようとする蒼真そうまたち。

部屋の側でこの話を悪党のトンが盗み聞きしていた。


「いい話を聞かせてもらったぜ。

タイプ様に伝えなきゃ」


ニヤリと笑いを浮かべた。


【タイプの妨害】

この地を支配していた小西行長は、1600年、関ヶ原の戦いで敗れる。

そして翌年から肥前の唐津城主であった寺沢広高が治め、富岡城を築き、城代を置いた。


富岡城で城代とタイプが何やら企てている。


「城代様、次の南蛮船が入港するのはいつでしょうか?」


「その方から異時代の宝物、沢山貰ったからには何なりと相談せい。

志岐の港へ入港する時は、おまえにも知らせようぞ。遠見番所から良く見えるでのう。

何か良いものでも運ばれてくるのか?」


「いえ、大したものではござりません。ホッ、ホッ、ホ」


タイプは強力な黒呪術ブラックマジックで魔法の守護者を放ち、ヒロたちを襲う。

そして宝の秘密が書かれた文書を横取りする策略だった。

まずは志岐の港へ入港する予定の南蛮船を沈め、積荷の宝と文書を横取りする計画だ。


【仲間たちの援護】 

志岐の港へと向かう南蛮船が、静かな海を進んでいたその時、穏やかだった海が突如として変貌を遂げる。

海面が一瞬で波立ち始め、まるで古の怒りを呼び覚ましたかのように激しい波が船を襲い始めた。

タイプが操る黒呪術ブラックマジックによるものだった。


「叙事詩:志岐の港で天使たちの神秘的な出来事」

(ヨハネの黙示録7・1~8

1 この後、わたしは大地の四隅に四人の天使が立っているのを見た。彼らは、大地の四隅から吹く風をしっかり押さえて、大地にも海にも、どんな木にも吹きつけないようにしていた。=後略=)


(呪文)

「風よ吹け、呼べよ嵐、いかずち沛雨はいうとなり、悪魔の怒りを届けよ!」


空は暗く沈み、突然の強風が船の帆を容赦なく打ち、海水が横殴りの雨と共に船員たちを激しく打つ。

全てが急変し、船は嵐の中心へと引き込まれ、狂ったように揺れ動く。

船員たちは必死に舵を取り、船を守ろうと奮闘していたが、船は遭難寸前の危機的状況に陥っていた。


港で南蛮船の到着を心配して待っている蒼真そうまたち。


「あんなに天気良かったのに、大変な嵐になった。このままじゃ、船は沈んじゃうよ!」


「あれを見ろ!タイプが黒呪術ブラックマジックを操っているんじゃないか」

と、蒼真そうまたちに加勢するデラが言う。


「何とか船を助けてあげなきゃ!」

花音かのんも心配する。


「よし!俺の白呪術ホワイトマジックで!」

と、言って蒼真そうまは魔法の呪文を唱える。


(呪文)

「迷雲妄霧の眼前に遮るも、国駆けり、天駆けり来て、安らかに諸神鎮まり奉つるを祷拝する」


すると、天が割れるような雷鳴が轟き、絶望的な状況の中で一筋の光が海へと射し込む。

天空からは、光輝く4人の天使が静かに降り立ち、彼らはその手を海に向かって広げた。


天使たちの周囲からは、柔らかく強力な光が放たれ、嵐の中心でさえもその光は減じることなく、荒れ狂う波を次第に鎮めていった。


天使たちの存在は、嵐を穏やかな風に変え、荒波は静かな波紋へと変わり、天空は再び明るい光に包まれる。

船員たちは救われたことを知り、天を仰ぎながら感謝の祈りを捧げた。

南蛮船は再び志岐の港へと安全に向かうことができるようになり、天使たちは静かに天へと昇っていった。


この驚異の光景に立ち会った船員たちは、天使たちの神秘的な力と海の猛威を目の当たりにし、その日の出来事が語り継がれる伝説となった。

船は無事に港に到着し、船員たちの心には深い感謝と共に、この奇跡の物語が人々の記憶に永遠に刻まれるのだった。


「叙事詩:封印を解く章。白い馬に乗った恵護者が勝利と平和をもたらす」

(ヨハネの黙示録7・1~8=第1封印を解く)


志岐の港へ無事に入港し、宣教師が文書を携え、蒼真そうまたちと出会った。


「無事、上陸できて良かったですね」

「これが例の文書ですね」


彼らが喜ぶのも束の間、そこには船を沈没させる計画が失敗したタイプが待ち受けていた。


「その文書をこっちへよこせ!

さもないと・・・」


彼はさらに強力な魔法の守護者を放ち、襲いかかろうとする。


「お前みたいな悪いやつに渡せるわけないだろ」

「今度こそはお陀仏だぞ!覚悟しな」


(タイプの呪文)

「悪魔の守護者よ!大いなる怒りを持って地上に降り落ちよ!」


天が暗転し、風が唸る中、タイプの放った巨大な魔法の守護者が、轟音を立てながら現れる。

その圧倒的な姿に、蒼真そうまたちは一瞬たじろぐが、すぐに冷静さを取り戻し、老婆ミホから授かった魔法の呪文を唱える。


(呪文)

神威しんい顕輝けんきして我らを護り給わん。来たれよ!」


蒼真そうまの声が響き渡ると、空気が振動し、世界が静寂に包まれたかのような瞬間が訪れる。

突如、天空が裂け、一条の光が地上へと射し込む。

その光の中から、白い馬に乗った恵護者が降臨する。


恵護者の頭には光輝く冠が輝き、手には神秘的な力を帯びた弓が握られている。

彼の出現により、場の空気が一変し、希望の光が蒼真そうまたちを照らす。


恵護者は一瞬にして魔法の束縛を解き放ち、白馬は雷のように地を蹴り、戦場を駆け巡る。

その動きはあまりにも迅速で、侍たちは彼の姿を捉えることができない。


一直線に突進する馬の背から、恵護者は次々と矢を放つ。矢は風を裂き、正確無比にタイプの魔法の守護者の心臓を射抜く。


恵護者の矢が的を射るたびに、敵は光の粉になって消え去り、その姿は美しくも悲壮な舞踏のようだ。

タイプは自らの計画が崩れ去るのを見て、怒りと恐怖で顔を歪める。

しかし、彼の怒りも虚しく、彼の創り出した魔法の守護者もまた、恵護者の神がかり的な力の前に敗れ去る。

タイプもまた命からがら逃げ去った。


戦いが終わると、恵護者は静かに白馬を駆り、蒼真そうまたちの前に立つ。

彼の目は優しく、しかし厳しい光を宿しており、蒼真そうまたちはその姿に畏敬の念を抱く。


恵護者は蒼真そうまたちに向かってうなずき、再び光の中へと消えていく。

彼の去った後、戦場には平和の訪れを告げるかのように、穏やかな風が吹き抜ける。


蒼真そうまたちはその勝利を確認し、互いに笑顔を交わすが、彼らの心には、これからの未知なる旅路への覚悟が刻まれていた。

蒼真そうま花音かのんが凄まじい激闘を体験し、振り返る。


「大変な戦いだったなぁ!壮絶っていうか」

「怖かったけど、黙示録の1シーンをみてるみたいだった...」

「財宝発見まであと少しだ。みんな、頑張ろうぜ!」


【財宝の発見】

蒼真そうまたちがタイプとの戦いに勝利し、文書も無事入手した蒼真そうまたち。

宣教師にポルトガル語で書かれた報告書を読んでもらう。


「天草の内のカワチノウラ(河内浦)という地では彼らは慰められた。そこは迫害の時に、永年にわたりコレジオがひっそりと存在した地であった。


というのは、一人のパードレがそこに着いたまさにその日に、シマドノの役人たちが三人のキリスト教徒を捕らえてその首を斬ろうとしたからである。

彼らが主君の禁令に背いて、森林に行って木材を切り出したからである。


同パードレがこれら異教徒の役人たちに伝言を送って、その哀れなキリスト教徒たちを赦してもらいたいと嘆願しただけで、役人たちは直ちに彼らを赦した。」


「ここにも書かれている通り、やっぱりカワチノウラ(河内浦)がコレジオの場所だったんだ。これで証拠が2つ見つかったよ」


蒼真そうまはコレジオの場所が書かれた証拠の文書を発見した喜びで興奮している。

花音かのんは、


「ここに書かれてるのって、最初にタイムスリップした時の状況に似てない?」

「本当だね!」


陽翔はるともその時の様子を思い出してうなずく。

さらに蒼真そうまは前回、コレジオ遺跡を調査した場所が財宝の隠し場所ではないかと推測する。


「今は破壊された建物しか残ってないけど、あの隠し部屋の地下室が怪しいよ。陽翔はるとどう思う」


「いいね!宝探しに行こう!」


再び、コレジオ遺跡に潜入し、財宝が隠されたと思われる地下室で、宝を探す蒼真そうまたち。


「おい、ここ何か変だぞ」


蒼真そうまは壁に隠された扉を発見し、その重い扉を押し開けると、そこには語り継がれてきた財宝が入った木箱が眠っていた。


古びた木箱がいくつか並んでいる。

一つ目を蒼真そうまがこじ開ける。

「中身は空っぽだ」


二つ目を楽人らくとが開けると・・・

「がらくただな」


三つ目を花音かのんが開けたら・・・

「これかな?・・・ きゃ〜!!」


ヘビやムカデが飛び出した!

さらに陽翔はるとが紐で厳重に結ばれた箱に入った壺を発見する。


「何だ、これ!」

「これ、宝の入った壺じゃないか!?

信じられないよ、本当に見つけたんだ…!」」


蒼真そうまが叫ぶ。

彼らはついに“秘められた秘宝”らしきものを手に入れた。


喜びで仲間たちはその場で抱き合い、歓喜の声を上げる。

彼らの冒険がついに報われた瞬間であった。


(次回予告)

ついに金銀財宝を発見した蒼真そうまたち。

「ヤバいぞ!金持ちになっちまうぞ!

どう使う?何に使う?億万長者の俺たち!」


しかし、遠くで何者かの影が動くのが見える。

その影が財宝の部屋に向かっている。悪党たちの魔の手が忍び寄って来た・・・。

(続く)

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