ライバルの登場?Part2
初の3500文字突破です!
ふぅー
朝の五時。
いよいよ、今日はランクSS討伐。
「これを試す時、か」
私は身体能力を開く。
身体能力(60)
(0)
剣技……10
殺傷能力……10
体力……10
素早さ……10
透明……5
家事能力……5
飛行(2)……4
力強さ……2
狙撃……0
神攻撃(3)……0
修理……0
テレポート(5、消費5)……0
魔法剣技(6)……0
……この、『飛行』と言うやつ。
2や3だと滑空、それ以上だと自由に飛べるらしい。
それでも、4だと長い時間は飛べない。
10にもなると永遠に飛べるらしいけれど……
自由に、と言っても、なかなか飛ぶコツが掴めないらしく、難しいらしい。
私は『飛行』をONにする。
「……え、わぁ……」
ふわりと体が軽くなる。
足が地面から離れるこの感覚は今まで味わったことの無い不思議な感覚。
地面を蹴って。両足を離して。
「い、て……」
やっぱりか。さすがの私でもこれは苦戦する……早く起きてよかった。
もう一度。
もう1回。もう1回。
何度も何度も。
地面を蹴って、大地を飛び出して、高く、高く。
果てしなく広がる空の果てまで。
遠く、遠く、高く、高く。
力強く蹴って。思い切り。
羽根が生えたみたいに、軽く空を、宙を、跳んで。
浮いて、進んで、前に。
さっきより遠くに。
もっともっともっと。1ミリでも遠くに、高くに、飛べるように。
飛び出すくらい。
強く強く、地面が揺れるほど強く。
……そうやって練習して、3時間半。
行くのに1時間かかると想定すると、もう行かなくちゃ。
動きやすいような服に着替える。
黒の短パンに紺のパーカー。
顔の左右に2つのお団子を付けた。
「スズラン、行ってきます」
「ご主人様、行ってらっしゃいませ。どうかご無事で。私を1人にしないでくださいね?」
「もちろん」
「ふぅ……」
ダンッ!
私は地面を強く蹴って飛び出した。
ふわっ
大丈夫、ちゃんと飛べてる。
少しでも遠くに飛べるように。
力が尽きると飛べなくなる。
飛行用の力があって、飛行に振るポイントで決まっている。
「……途中で、モンスターでも狩って、ポイント貯めて飛行に振るかな……」
丁度よさそうな森を見つけて着地。
その時点で20分が経過し、3分の2の距離を飛んでいた。
「予定より早いな……よし」
「「「「「グゥォォオオオ」」」」」
ふー……
「やぁっ!」
シャキィィィン!
「「「「「グ、ウ……ォォォオ……オ」」」」」
「ランクSか、コイツ……ランクSSと練習で戦っておきたいな……」
「「「「「「グァアアア!グァアアアアアア!」」」」」」
「お、ランクSSかぁ……」
ドンッ
ひょいっ
「あぶな……油断禁物だな」
バシュン
ひょいっ
「わ、弓か……」
バシュン
「おっと」
ひょいっ
ズドドドドン!
「なにこれ、コイツ魔法使うんか……もうそろそろ、こっちから攻撃仕掛けるか……」
「「「「「「グァアアアアアアアアアッ!」」」」」」
「ライトニング・ノザイレ」
ズドォン
空から槍が落ちてきて敵にヒットする。
ダダダダダッ
今のうちに……
シャキィィィン
「そろそろお遊びはおしまいにするよ」
シャキィィィィィィン
「ラスト1匹……ばいばーいっ」
シャキィィィィィィィィン……
ポイント振って……
身体能力(64)
(0)
剣技……10
殺傷能力……10
体力……10
素早さ……10
飛行(2)……6
透明……5
家事能力……5
力強さ……2
狙撃……0
神攻撃(3)……0
修理……0
テレポート(5、消費5)……0
魔法剣技(6)……0
「……急ご」
待ち合わせ時間まであと三十分。
早めに着いておきたいから。
ダンッ
私は地面を蹴って飛んだ。
☆☆☆☆☆☆
5分後。
「わ、でか」
国戦闘ギルド本部に到着。
「こんにちは……ユノさんだね?私は国戦闘ギルド本部長だ。よろしく。来てそうそうだけど、ちょっと聞きたいことがあるんだけど、いいかな?」
「あ、えと、どうぞ」
「他のふたりはまだ来ていないよ。それと、君の名前は伏せてある。表舞台に出る時の名前を聞いておきたい。本名でも、偽名でも良い。それと表舞台での年齢はどうするか、そのふたつを決めて欲しい。」
「……なら、名前はハナミズキで。年齢は……14。」
「ハナミズキだね?分かった。回復薬は18の女の子で、名前は……」
「あの、こんにちは!」
「お、丁度来たようだね。ハナミズキさん、こちらは……」
「……グラジオラスです!」
「で、グラジオラスさん、こちらが今回の主な戦闘役、ハナミズキさんだよ。」
「よろしくお願いします」
「お願いします!」
わー、めっちゃ元気そう……
……苦手なタイプ〜
私はパーカーのフードをさっきより深くまで被る。
「あ、そうそう、遠距離を担当するのは……」
「……遅れました」
「お、ナイスタイミング!そしてまだ5分前だから大丈夫だよ。こちらが遠距離を担当する……」
「……ファーストスター……です……」
「え!?あ、いや、なんでもないです……」
ん?どしたのかな?
二人で話しているのがこっそり聞こえた。
「大丈夫なの?((コソッ))」
「なにが?((コソッ))」
「ファーストスターって。いつもは本名で活躍してるでしょ?もちろん本名だとは1回も公表してないから本名だと知らない人もいるけど。そして偽名が当たり前でもないけどさ。((コソッ))」
「……今回だけだし、いい。((コソッ))」
え
いつもは本名なのに、今回は違うの?
……本名、知りたかったな
……信用されてないのかな
……残念
「……そういえば、場所ってどこですか」
私が聞く。
「すぐそこに街があるよね?そこを左に曲がった所の森だよ……ってさ、タメでいいよタメで!」
と言ったのはグラジオラス。
ユノ「……あの、グラジオラスって名前長いから略していい?……他の人からなんて呼ばれてる?」
グラジオラス「んー、グラジオかな?」
ファーストスター「……早く行こ」
グラジオ「おけおけ……てか、ファーストスターも長い!略して……ファスタは?」
ファーストスター「どーでもいい」
ユノ「2人とも、早く行こ」
ファスタ「ん」
グラジオ「おk」
ユノ「……飛んでいい?」
ファスタ「自分も飛んでいくんで」
グラジオ「いやいやいや、2人とも飛べるの!?私無理だよ!?」
ユノ&ファスタ「じゃ、置いてく(キッパリ)」
グラジオ「ひどーい!パーティーメンバーが置いてくー!」
ユノ&ファスタ「……だったら早く来て」
バヒュン(飛ぶ音)
ユノ「グラジオ、先行ってる」
ファスタ「……同じく」
グラジオ「……もぅっ!」
ダダダダダダダダダダッ
ユノ「走るのは早くて安心した」
ファスタ「……同じく」
ユノ「グラジオー、先行ってるー、後で合流ね」
バヒュン!
ファスタ「……自分も」
バビュン!
グラジオ「これ以上早いの……!?ふー、じゃ、本気出しちゃうか☆」
ダンッ!
タタタタタタタタタタタタタタタタタタタタッ(時速70キロ)
☆☆☆☆☆☆☆☆
ユノ「わ……」
目の前にいるのは……強そうな敵。それが……ざっと300以上。
ユノ「……ふー……はー……」
ファスタ「……多い」
わ、びっくりした。
ユノ「え、いつの間に居たの」
ファスタ「今さっき」
ユノ「……大体は私がやる。合図した時だけバックアップお願い」
ファスタ「……ん」
ふー……
ユノ「はぁっ!」
シャキィィィィィィン!
ユノ「……アイスブレス」
シャァァァァアア!
カチンコチンに凍ったところを、切る。
ジャキィィィィィィィィィィィン!
タタタタタタタタタタタタタタタッ
「……範囲攻撃、氷落下」
ダダダダダダダダダダ
どこからか分からないけれど、ずっとずっと上の方からたくさんの氷柱が落ちてくる。
「「「「「「「「「「グォォォォォオ゛オ゛オ゛オ゛オ゛」」」」」」」」」
ユノ「……まだ倒したのは五十二体、か……、……ふぅ……」
シャキィィィン
ユノ「53体目」
「……範囲攻撃、雷魔法、ライトニング・ロザリオ」
バリバリバリバリバリバリッ!
「「「グォォォォォ」」」
「「グォォォォォオ゛」」
「56たい……」
ザシュッ
「いた……っ!」
バババッ
急いで距離をとる。
《ファスタ視点》
大丈夫かな
まだ250はいる。
……あっ!
ハナミズキが切られる。
直ぐにハナミズキは距離を取っていた。
ふー、と安心したのも束の間。
ザシュッザシュッ
ユノ「いたっ!」
ファスタ「……っ!ハナミズキ……っ!」
おつみう!