WEBサイトに投稿されている小説にありがちなあらすじ紹介
【ローファンタジーの場合】
俺はどこにでもいる普通の高校生、天光寺涯。
幼い頃に両親と生き別れ現在は一人暮らし。幸い株の才能があるらしく、デイトレードで生計を立てている。
その日もいつもと変わらず、俺はあくびを噛み殺しながら登校した。
都立横長馬面サイドステップ学園。
少し偏差値が高いだけの、いたって普通の血の殺戮者養成学校だ。
お察しの通り、陰キャの俺はクラスで浮いている。飛翔魔法を常に使用しているからだ。しかし、その日はそうはいかなかった。クラスで一番、いや、学校で一番の美少女の山田幸子が声を掛けてきたのだ。
「天光寺くん。実は、貴方の事が前から気になっていたの。私と世界を救ってくれない?」
世界を救う? こいつは何を言ってるんだ? バカバカしい、他を当たってくれと冷たくあしらうが、昼休みも放課後もしつこく付きまとってきて猛ダッシュで逃げ出してきた。
思えば、あれがトリガーだったのかもしれない。
息を切らして帰ると、「自宅にマンションが出来ていた」のである。
なるほど、こういうことかと俺はテレパシーで山田幸子と名乗っていた机に連絡を取る。
やるしかない。覚悟を決めて俺は自宅のマンションを攻略していくのだった。
【VRMMOの場合】
俺の名はどこにでもいる普通の高校生、ヴァルキュリア・ヴァリアブル・ヴァンガード・一郎。
ある朝目覚めると、そこはゲームの世界だった。
俺はあの国民的人気ゲーム、だるまさんがころんだの世界に入り込んでしまったのだ。
なんてこった、鬼が喋っている間しか動くことが出来ない。
次々に捕らえられていく参加者たち。彼らを解放するにはゲームをクリアするしかない。
クソッ!やるしかない!
俺は覚悟を決めて一歩を踏み出すのだった。
【幼馴染み系ラブコメの場合】
おれはどこにでもいる普通の保育園児、てんこうじがい。
幼馴染の愛とは家が隣で物心ついた頃から(2年間)ずっと一緒にいた。
いつもブランコに二人で乗って、楽しかった。
これからもずっとこんな日が続く、そう思っていた。
でも、そんな幸せな日々は簡単に壊れてしまった。
給食に出てきた愛の大好物プリンをあげなかったら彼女が拗ねて怒ってしまったのだ。
おれは考えた。文献を読み漁り必死になって調べた。
そこで先人の偉大な記録を目にする。
――プリンに醤油をかけるとウニの味になる――
ウニには普通醤油をかけるものだ。つまり、ウニの味とは醤油込みでウニの味であると言える。
だとすれば、醤油をかけてないウニはプリンという事になる。
大発見だ。これなら愛も機嫌を直してくれるに違いない。おれは早速行動を開始するのだった。
【ハイファンタジーの場合】
なんか超カッコいい主人公が魔法でバーン!ってやったら悪人がバーン!ってなって半裸のヒロインがバーン!ってなって世界もバーン!ってなりかけるんだけどそこは愛の力でバーンバーン!って解決しちゃったりしてでもまだ終わりじゃなくて魔法でもないバーン!って感じの新しい力を使う新勢力がバーン!って攻め込んできてバーン!になるんだけど半裸から全裸になったヒロインがバーン!ってしたら主人公も反応してズゴーン!ドゴーン!やったぜ!一件落着!
【ササニシキ小説の場合】
俺はどこにでもいる米、ササニシキ涯。
昔は市場を席巻した俺も、今ではすっかりレア品種だ。
味は一級品なのだが、いかんせん病気と寒さに弱い。
そんなだから農協を追放されてしまった。
食卓にのぼることは少なく、高級寿司店で細々と依頼をこなし何とか食いつないでいる。
だが、最近風向きが変わってきた。
ササニシキを再度農協に迎え入れブランドを復興しようという動きがあるらしい。
冗談じゃない。育てにくいからと勝手に追い出したのはそっちだろう。俺は俺で好きにやる。二度と流通なんかしてやるものか。なに、アミロース含量なら日本一だ。鮮やかに逃げ切ってみせるさ。
そう思っていたのだが、農協からやってきた女、秋田こまちに一目惚れしてしまい、腰に光り物を差して嫌々ながらもギルドに協力するのだった。
【作者が犬の場合】
ワンワン!
キャウンキャウン! クゥ〜ン……バフッ!バフッ!
グルルルルル……ワン!ワン!キャウ〜〜ン。ペロペロペロ。
ニャオーン!