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あの頃を胸にして

作者: 緑山青海

これは、僕が経験した切ない恋物語。


僕は福田 誠。

君との思い出 いっぱいあるけど、まずは、出会いから……



あれは、今から27年も前の事。君はリス組、僕もリス組。この時からもう君と僕の出逢いは運命だったんだのかもしれない。

それから、月日が経ち……僕は君の事を意識し始めていた。これまでは別に気にしちゃいなかった。小柄なわりに大きな目。ちょっとハーフっぽい感じで、笑うと可愛い女の子。いつの間にか僕は君を目で追っていた。


いつも君にイタズラして泣かせてたのは 本当にごめん。だけど、運命的な君と僕。 これからもどうぞよろしく。



彼女の名前は 逢沢 真依。



君との思い出いっぱいあるけど、次に、小中学校。

当たり前に思ってた、一緒のクラス、同じ学校。

僕は男子で真依は女子。この頃は思春期っていうのが、邪魔をする。僕は普通に見ていたのに、何故か好意というのが込み上げてくる。

この真依への好意が出てきたのは、丁度、この頃だったのだ。



次は、高校。

別々の学校、知らなかった。

真依は共学、僕は男子校。この時、改めて感じた。真依と僕の偏差値の差を。本当は一緒にいたかった。だけど、偏差値足らなくて、ちょっとグレたりもしたけど、決して君への思いは、変わらなかった。


通学バスの時だけが、君に逢えるチャンスだった。2年の春に声を掛けた。まるで、春を連れてきたような優しい笑顔で微笑んだ君がいた。



それから見事、大学。

勉強死ぬほど頑張って、同じ大学、キャンパスライフ。いつも真依と会っていて、正直勉強しなかった。他の男が気になって、コソコソ見てた。


夏に行った江ノ島。車で通った湘南平。すぐにソフトクリーム食べる君、僕よりも大人だった。この夏、僕は生まれて初めてのキスをした……



それから日々は経ち、しばらくの別れ。

海外留学 カルフォルニア。僕は2年間ロサンゼルス。そんな中でも真依はキラキラ光ってた。

その一方、僕は日に日にくすんでく。日本に真依がいないからテレビを見てた。だけど、やっぱり真依がいないと、なにか物足りなく感じる。

バイトでお金貯め、カルフォルニアへ。英語をペラペラ喋る真依を見て、なんだろ、やっぱり

遠く感じた。



あれは、1日中雨の日の事。

2人は普通の社会人。人も羨む美女と野獣。

そろそろ期は熟した。真依に想いを伝える覚悟を決める。真依の指輪を買いに行く。 エルメスのショーケース

値段を見た。その場で驚愕するような値段だった……


スカイツリーの展望台 上手いこと1つ言えず

沈黙が幾つも続いた。だけど……

僕は、覚悟を決めたんだ。真依に「大事な話がある」と切り出し、


「こんな俺だけど、真依とずっと一緒にいたい。 結婚してください。」


指輪渡すと、頷く君の向こう側は、雲一つない

東京のネオンが輝いていた。



それからの日々。

夫婦生活 毎日がbrand new day。ハッキリ言って楽しい。そのせいか、僕は幸せ太り。

そんな僕は 時々考える。これが本当に現実なのか。子供の頃ずっと思いを寄せていたあの子が今の奥さんになるなんて……

そんな僕を横で君が 野に咲く花のように優しく微笑んでいた。


色々とダメな僕。それでも、文句一つ言わずに

そばにいて、支えててくれる。一生、この人と

一緒に生きていこう。そうこの胸に誓った。




あれは、暑い夏の日の事。その誓いは、突如

途切された。


丁度、僕は昼休憩で、昼飯をコンビニに買いに行こうと車に乗った瞬間、僕の電話が鳴った。

見知らぬ番号からの着信に少々戸惑ったが、電話に出た。すると、


「福田誠さんの携帯で間違いないでしょうか?奥さまの真依が信号無視をしたバイクに跳ねられまして……周りの人がすぐに病院に電話をしてくれてなんとか病院には行けたんですけども……残念ながら……」


僕は、咄嗟に病院の場所を聞いた。事故に遭ったと言われても全く信じられなかった。

僕はすぐに病院に向かい、病室に入ると、真依はベッドに横たわり、まるで、子供の様に頬笑みを浮かべたまま、眠っていた。

そんな真依を見て、僕はただ、立ち尽くすしかなかった。体に力が入らなくて、泣くことさえも忘れていた。

信じられない。どうしても、信じられない。真依がいなくなるなんて。神様がいるなら、問いたい。どこからが嘘だったのか。 信じられない、信じられない。真依がいなくなるなんて……


俺は、当分、気力を失い、ベットに倒れていた。ずっと真依と一緒にいたベットで。どんなに呼んでも、返答はない。帰っても来ない。分かっていても、すぐそこに真依がいると思うと

涙が零れる。食事も喉を通らない日が何度もあった。そんな、生活が気づけば1ヶ月くらい経っていた……



君がいなくなってから、ようやく、1人にも慣れてきた。だけど、どうしても君の誕生日が近くなると、この胸のどこかでプレゼントどうしようかなと考えてしまう。もう、君はいないのに。




あれは、今から27年前。君はリス組、僕もリス組。小柄なわりに大きな目。色々たくさん

ありがとう。君がいたから、僕は、夢を見れた

決して偶然ではなかった。運命的な出会いだった。初めから好きだった。

さようなら真依。1人だけど、頑張るよ。

たくさんの想い出をありがとう……



君との想い出 いっぱいあるけど、それを胸に…


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