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モーニングメテオVS如意鞭

 慌てた様子でバトルフィールドに戻って来たライフライン。


 『観客の皆様、選手のお二人方、永らくお待たせ致しました・・・・・・。

 この場を借りて謝罪させて頂きます。

 試合の用意が整いました。双方も準備はいいですね?』


 闘技場中央にてお互い向き合った状態で同時に頷くプラネテウスとフランク。


 『では、第六回戦改め準決勝二回戦・・・・・・始めっ!!』


 ベルトに留めてある鞭を取り出して、臨戦態勢を取るフランクだが、すぐに緊張が解かれることになる。

 プラネテウスが前のミーミル戦始めにしたみたいに、片手を差し出してきたのだ。


 フランクは、ためらうことなく彼女に歩み寄り握手する。


 「お互い悔いの無いようベストを尽くしましょうね~?」


 「そうだなあ」


 少し経った後お互い手を離す。フランクの方は、温もりが残っている手の平を長い間凝視していた。

 その事について首を傾げるプラネテウス。


 「どうかされましたぁ~?」


 「・・・・・・え? まじでただ握手したかっただけ? 毒とか呪詛とか手の内に仕掛けてなかったの・・・・・・まじのスポーツマンシップ?」

 相手のたくらみを看破しようとしていたフランクは、勝手に肩透かしを食らった気分に陥っていった。

 

 「そんなひどいこと~するわけないじゃないですか~」


 「いやしろやっ!? 今あんたが戦っている敵は、Sランクの猛者だぞ? さっきの私が召喚した騎士の繰り出した嵐を見てなかったのか!?

 せっかくこっちは、ハンデとしてわざと策略にはまろうとしていたのによっ!!」

 悪どい手を使ってこない純真無垢な相手に、なぜか逆切れしてくる彼女。

 「あったまきたっ!! フランクちゃんは、お怒りですよ~?

 もうハンデくれっても言っても手加減してやんねーからもう知ーらねっ!」


 子どもみたいに逆上しているフランクと相対しているプラネテウスは、臆している・・・・・・わけではなくいつものほほ笑みを保ったまま、得物であるモーニングスターを頭上に振り回していた。

 すぐに遠心力に任せた投擲を披露する彼女。

 

 こちらに迫り来る凶器に、フランクの方は、回避するでもなく鞭を振るって迎え撃つ。

 普通に考えれば、超重量武器である鉄塊に、しなる革製の紐が敵う訳がない・・・・・・観客達の中でも戦闘経験が無い者全員そう思っていた。


 「・・・・・・防げるのかあのヤバイ攻撃を・・・・・・!?」


 なんと重厚な鉄球が、軽いはずのその鞭に触れた瞬間に、弾かれてしまった。

 大地に衝突したそれは、決して弱くない地響きを起こさせ、土砂を巻き上げる。

 

 「あ~やはり、その武器も~魔道具なんですか~?」


 「・・・・・・・・・・・・」


 「あら、今の攻撃で痺れてしまったのですね~? 流石のSランクさんも~完全に防ぎきれるわけでは~ないのですね~」


 微笑み続けているプラネテウスの質問に答えないフランク。

 確かに彼女の言う通り、フランクは現在痺れている・・・・・・ただし、強い衝撃を鞭で受けて腕だけが痺れているわけではない。


 「・・・・・・そういや、ステータス使い戦で披露してたな・・・・・・その鉄球に特殊効果を付与してるって魔術・・・・・・この鞭、かなり伝導性低い材質でできてんのに、効いたぜ・・・・・・うぅ」


 「『輪帯星』・・・・・・ガスで構成される惑星で星の周りに~輪っかがあるのが特徴的・・・・・・その星の脅威は特に、大嵐スーパーローテーションそして、この星に存在するものと比べてはるかに桁違いに強い雷で~す。

 流石に本物の例の星のモノと比べれば~はるかに電流・電圧が微々たるものですが~それでも威力としては~申し分ないはず~」

 長い説明をしたプラネテウスは、電撃で麻痺に悩まされているフランク相手に容赦なく追撃を始める。

 

 再び彼女は、自分の頭上に鉄球を振り回す。

 ただし今回は、相手に向かって投げるためではない。


 ウラヌンタイス『おおっと! これは、ミーミル選手戦で披露した『酒彗星ラウジョイ』が・・・・・・! って、お酒がこちらまで飛んでる飛んでる!? 

 ライフラインさん、結界で防御お願いします』


 公転する惑星みたいに回される鉄球から、膨大な水飛沫が、まるでスクリンプラーみたいに広範囲にまき散らされる。

 この液体には、もちろん高濃度のアルコールが含まれている。その上、直接口にしなくても肌に触れさえすれば摂取されるという凶悪性も誇っていた。

 ヤマネが前に闘ったディオニュクレスの扱う魔術と同じものだと説明すれば、理解しやすいか。


 「流石に~痺れた状態なら~避けきれないのでは~? あら?」


 軽く驚くプラネテウス。強力な電気を浴びたフランクが後方に苦労なく跳んだからだ。

 

 「なんだそのドレッドポニテの奴の足にいるチューブは? うねっている・・・・・・」

 フランクの右足には、緑色の細くはるかに体長が長い蛇が巻き付いており、それの伸びた先には、地面に続いている。地中に頭部が埋まっているのだろうか。


 「『アーススネイク』・・・・・・帯電しているモノに巻き付いてその電力を奪う特殊能力を持つ蛇さ。もちろんこいつも召喚獣」


 お酒の噴出に対処したフランクを見たにもかかわらずプラネテウスは、得物を振り回す挙動を止めない。

 「後退したということは・・・・・・飲酒したくない意思表示ってことでよろしいですよね~。

 ということは、このまま武器を掲げれば、貴方は、私に近づけない。フフッ・・・・・・」

 彼女は、ゆっくりだがフランクの方まで歩み寄る。

 このまま壁際まで追いつめる気だ。


 対して余裕綽々にほくそ笑むフランク。

 「私は、下戸でも召喚された者は、違うだろ。

 『天敵ナチュラルエネミー召喚サモン

 術名を唱えた瞬間、術者の隣に一人の女性が虚空から登場した。


 「・・・・・・あら、どこかしら?

 あたくし確か、宿屋の風呂釜の掃除をしてたはずでしたのに・・・・・・」

 彼女の特徴は、年齢は50代前半で、高身長、緑の髪を持っており、プラネテウスにも負けないほどの呑気な雰囲気を漂わせている。


 「ふぅん。優しそうなおばさんだけど、どうせ召喚されるならピチピチボインおねーさんの方が、い・・・・・・ご主人様、鼻息悪いよ気持ち悪い。どうしたの・・・・・・?」

 観客席から召喚された人物を目にしたチャールズは、自分の後ろに座っているヤマネの息が乱れたことに気付く。

 「お・・・・・・おふくろ・・・・・・あいつ、よりにもよっておふくろを闘技場に呼び寄せたのか!?」


 360度ぐるりと見渡せば、観客達が歓声をげているのがわかる闘技場にて立ち尽くしているボアに、フランクは、魔剣を手元にアポートし、彼女に渡す。


 「武闘大会に巻き込んでごめんね見知らぬおばさん・・・・・・腕の筋肉の付き方から見て剣士だろ?

 頼むよ~少しの間でいいから手伝って!」


 戸惑う中で、流れでその剣を受け取るボア。


 (酒の攻撃の天敵・・・・・・直接拝見したことは~ありませんが、恐らく彼女の正体は、『伝説の酒飲み』

 『酒彗星ラウジョイ』では分が悪いですね~代わりにクエーサーの天体に変更しましょうか!!)

 プラネテウスは、鉄球の回転のリズムを変える。短時間でその武具は、酒を吐き出すのを止めた。

 代わりにそれの側に黒い球体を出現させる。ちょっとした低威力のブラックホールだ。


 「あの、状況は、よくわかりませんが、戦えばよろしくて?」


 「あー酒の星から高威力の術に変えたねめんどくさ! おばさんは、とりあえず待機ね。

 『天敵召喚』×2!」


 カラスの鳴き声が闘技場に響く。

 プラネテウスとフランク達の距離がかなり縮まったタイミングで、何者かが彼女の鉄球を誰もいない場所まで蹴飛ばした。

 急停止するプラネテウス。

 「次から次へと・・・・・・!!」

 穏やかな気質を持つ彼女が、珍しく焦りを見せる。


 「カーカーッ神の使いである我を召喚し、あまつさえ操るとは、不届き千万・・・・・・!!」


 「は~い今回は、『傭兵:赤白』所属の梅灰ちゃんを雇ってくれてありがとうございます!

 自身の異能は、『形の無いエネルギー』に干渉されないものでございます。

 制限時間は、丸一日。報酬は、金貨一枚でお願いしますよ」


 前者は、大鷲と並ぶ程の巨体さを見せる漆黒羽のカラスだ。人間の言葉を操り、足の数が二本ではなく三本であることから、正体は、日本神話に登場する八咫烏だと伺える。

 後者は、中世の世界に似つかわしくないセラミック製のベストとヘルメット・迷彩服を着た人間タイプの少年だ。背中の傍に一対の旗が翼の様に浮かしている。


 観客席で傍観しているチャールズが疑問符を浮かべる。

 「腰に旗・・・・・・? 天使・悪魔・妖精の翼とも違う。何だこのヘンテコな種族」


 「おそらく彼の種族は~『日和ニュートレイタ族』でしょう♪ ボクも初めてお目にかかれました~珍しい♪ 彼らの種族の特徴として~どの生物と比べても圧倒的に危機的察知能力が優れている面が~ありますぅ♪」


 「ふ~ん世界は、広いや。うちのご主人様が見たらすぐにあいつのサインねだるだろうね。

 なんか緑髪のおばさん登場してから、慌ててどっか行っちゃったけど・・・・・・まさかまた」


 自分が召喚した者達を周りに侍らせながら、両手を広げて意地悪そうにわらうフランク。

 「カラスの方は、高熱に耐性を持ち、傭兵の方は、ブラックホールの引力が効かない。

 ・・・・・・くえーさー、だっけ? その攻撃は、お勧めできないね~無駄だから」

 背後に壁があって追い詰められているはずの彼女は余裕に振る舞う。逆に地理的優位を持っている

はずのプラネテウスが、恐怖のせいか足元がおぼつかなくなってきている。

 観客から見てもどちらが優勢か、雰囲気だけでわかる。

 「別の惑星に切り替えて良いよお? 変えるたびに、私の兵隊が増えるだけだけどね。

 分かった・・・・・・? これがSランクの実力だってこと!!」


 自信満々に胸を張るフランクを前にした、プラネテウスは、ため息をついた後、強張こわばった顔を解いていつもの緩やかなほほ笑みの表情へと戻る。片手をげたのだ。


 「・・・・・・降参します」


 『勝負あり! プラネテウス選手降参。

 よって勝者・・・・・・・・・・・・フランクぅううううううううううううううううっ!!』


 観客席から爆音と言えるほどの歓声が巻き上がった。

 次が待ちに待った頂上決戦・・・・・・決勝戦だからここまで興奮度が大きいのだろう。

 そんな喧騒の中、困惑する者が一人・・・・・・ボアだ。


 「まあ、これは一体どのような状況かしら? 家に帰ってもよろしいのかしら?

 ところでここは、どこ・・・・・・?」

 困っている彼女に助け舟が。


 「おふくろぉおおおっ!! 大丈夫かああああああっ!?」


 「その声は・・・・・・ヤマネちゃんね!」


 フィールド出入口からまたまたヤマネが侵入して来たのだ。

 すぐに二人は、急いでお互いの元まで駆け寄る。


 その様子に気付くフランクは、一回指を鳴らした。

 「あら、まさか観客席におばさんの子どもがいたとはね。彼女の命令権解除しておくわね。

 親子水入らずに再開を楽しみなさいな」

 彼女の悪びれない様子にカチンときたヤマネ。

 「常識的に考えて非戦闘員を召喚するなんて何考えてんだお前っ!?」


 「お前とは、失礼ね? まあ親を戦闘の為に第三者から召喚されたら怒るのも無理ないか。

 それにしても・・・・・・彼女が非戦闘員? つまらない冗談だわ」


 ぐぬぬぬ とフランクに威嚇するよう唸るヤマネ。彼女の元に闘技場の警備兵が駆け寄る。

 「またお客さんか!? 部外者は、立ち入り禁止ですよ!! ほら退いて退いて」


 鞘に収まる剣をフランクに渡そうとするボア。

 「あの・・・・・・お返し致します」


 「あ~あ~いい、いい。貰っといてくれ、迷惑料だ。自分勝手な理由で召喚して悪かったな。プレゼントだよ」

 


 すぐにフルボルト親子は、フィールドから退場された。


 天井・壁・床一面が石灰岩でできた薄暗い廊下を彼女達は、進む。

 ヤマネがボアに一連の流れを説明したのだ。


 「あ~ここは、パーキング町の闘技場で、今武闘大会が開かれていたのね。

 まさかあたくしが召喚されるとは・・・・・・」


 「全くひでぇ話だよな~・・・・・・ところでおふくろは、これからどうする? 

 帰るならカスドース村まで護衛するし、観光するなら案内するし、闘技場で観戦するなら席譲ってやるよ」

 (帰るならチャールズを置いていけねぇよな。ルイス先輩に預けんのも心苦しいし、ってか、あの子の首輪とかどう説明しようか・・・・・・)


 あんなに優しかったヤマネちゃんがまさか奴隷を連れているなんて・・・・・・とむぜひ泣いて項垂れる母親を想像して苦い顔をするヤマネ。


 「そうねぇ・・・・・・久しぶりにパーキング町に来たのなら・・・・・」


 「へぇ、おふくろここに来たことあんだ」


 「飲みに行きたいわね!!」

 片手で持った空想のジョッキを口元に寄せるジェスチャーを満面の笑みでするボアであった。



 ※ ※ ※

 ※召喚されたアーススネイクは、戦闘後、元の場所へとフランクが転送しました。



 『観客の皆様方・・・・・・永らくお待たせ致しました!!

 ただ今整地を終わらせました。準備は整っております。

 ウォールナッツ選手、フランク選手入場です。

 双方の選手は、混戦のバトルロワイヤルと激戦のトーナメントを見事勝ち抜いた猛者中の猛者・強者の上に立つ強者・名だたる実力者を蹴ちらした超越者でございます。

 やっと・・・・・・やっと誰が最強か、白黒・雌雄を決する時が来ました・・・・・・。

 さあ、二人共準備万端なようだ』


 闘技場中央にて、お互い距離を程よく取った状況で、向き合うよう立ち会っている。


 『さあいいですね・・・・・・? 

 第七回戦改め・・・・・・決勝戦開始っ!!』


 「さてやっと、本気で闘える相手に出会えたぜ」

 勢いよく妖刀『送塩』を抜刀するウォールナッツ。


 「本気・・・・・・? そんな鈍で? なんなら、名刀を貸し出しても良いのよ?」

 落ち着いた様子で鞭をベルトのポーチから取り出すフランク。

 

 「魅力的な提案だが、それじゃあ俺が圧勝しちまう。つまらねぇだろそんなの」


 「後で負けても自分の武器のせいだと言い訳しないでよね。大人が駄々をこねる程見苦しいものは、ないもの」


 しばらくフィールドにて軽口の応酬が続いた。


 「ところでさっさと『天敵ナチュラルエネミー召喚サモン』使えよ。

 まさか、そんな貧相な鞭で俺と白兵戦でやり合えると思ってんのか・・・・・・?」


 へらへら笑う彼にしびれを切らしたフランクが、早速得意魔術を発動させる。

 

 彼女の扱う『天敵エネミー召喚サモン』は、現在相対している相手の天敵を極限までパワーアップした状態で召喚するものである。

 いったん整理しよう、ウォールナッツは剣士だ。

 

 〇分厚い金属で構成された存在は、剣が通りにくく刃毀れを招きやすい。

 〇もちろん彼は、近距離型なので遠距離から高火力の攻撃を放たれるのも苦手だ。


 ●この二つの項目から導かれる答えは、彼の天敵が、高性能の大砲を具えているゴーレムだ。

 そう、フランクが今回召喚したモノは・・・・・・。

 











 ♪ぶぉんぶぉん うぉん ワ~レ~は ヒ~ト~を問答ォ~無用でェ~転生させ~る転生トラックロボ


 トラッキオン! (キラッ☆) 女神さ~ま~に 恥をっかかせた無礼者を あの世にお~く~る~


 ギアチェンジ! トランスミッション! さぁ進め!


 ア~ア~ 女神さ~ま~ ご期待ください ただ今 ヤマネを ブッコロス~


 (間奏が一分ほど続く)


 ぶぉんぶぉん うぉん  ワ~レ~は ヒ~ト~を情けェ~容赦なしイ~に異界に送~る転生トラックロボ


 トラッキオン! (ビシッ❕) 女神さ~ま~の 憎むっべき怨敵を 轢~き逃げ~る


 クラッチ! シフトチェンジ! さあ跪け!


 ア~ア~ 女神さ~ま~ ご要望通り ただ今 穢れた魂を 届ケマス~


 転生トラック巨大ロボ トラッキオン!! (キラッ☆)♪



  

 

 

 

 

 □フランクが召喚されたモノ達のランク。(※強化された状態)

 〇アーススネイク・・・ランクB+

 〇ボア・・・・・・・・ランクA-

 〇八咫烏・・・・・・・ランクA+

 〇梅灰・・・・・・・・ランクA+

 〇トラッキオン・・・・ランク??

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