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魔理  作者: 新戸kan
あなたとのひびと

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11/301

あのとき

 途中、クマさんと別れてから帰路に就く。まだ他の任務があるらしい。

 別れる際、今度一緒にお泊りしようと約束した。今日ですごく仲良くなったと思う。



「昨日約束したし、今日はアタシの番だな」

 昨日と同じように私の部屋でおしゃべり。ちょっと楽しみにしてた。


「何が聞きたい?」

 いろいろ聞きたいことはあったが、聞かれたくないこともあるだろうと思い、慎重に慎重を重ね、出した質問の内容は。

「なんで私を気に入ったんですか?」

 出会って間もなくに言われ、一体何をして気に入られたんだろう。戦いをした後だというのに。まさか本当に胸アツ展開だというのか。

 でもよく考えたら、これも人によっては答えにくい質問だったと思う。けど、彼女は真剣な顔をして話し始めた。


「オマエと戦ったろ?そん時の話さ」

 遠い昔の出来事のように思い出しながら語る。そして…、

「最後のあの瞬間、アタシは手加減を忘れて本気で打った。けど、オマエはあの細い武器で受けた。今までそんなことできた奴はいねぇ。タイチョーですら、アタシの本気の一撃は避けようとするからな」

 徐々に興奮しながら話す。あの戦いが本当に楽しかった、といわんばかりに。

「何より、受けたのがあの細い武器で、だからな!アタシと同等ならともかく、あんなので受けられたのは正直悔しかったよ。…どうやったんだ?」


「…あれは無我夢中というか、体が勝手に反応したというか、たぶん後ろに飛んで衝撃を逃がしたんだと思います」

 私の答えに彼女はたいそう驚き、そしてその顔が弾ける。

「ハハハ、たったそれだけかよ!いやでも、そんな簡単にできることじゃねぇ。すげぇな、オマエ!ますます気に入ったよ!」

 私の背中をバンバン叩き、豪快に笑う。

 痛い…、かなり痛い。マジで。

「ひょっとしたらオマエ、アタシと同じマケンかもな」

 涙目になっている私にまた謎のワードが飛び込んできた。

「マケン…?」

「ああ、そうか。マケンってのはな…」


 説明役がいないので、後日あの二人にお聞きしました。それくらいクキョさんの説明はひどかった…。



 【マケン(魔剣)】


 一般の兵士よりも魔力量が多く、より強大な剣を扱う者の総称。相性、適性の両方を備え、剣だけに完全特化している。

 他にもマソウ(魔槍)など各武器に特化した者がいる。一種の称号のようなもので、これを名乗ることは名誉なことでもある。



 説明はひどかったが、クキョさんがすごい人だってのはなんとなく分かった。素直に感嘆した。

「ま、アタシはトクベツだからな」

 クキョさんは自慢げな顔をしていたが、一瞬だけ表情から明るさが消えた。

「…そんなんじゃねぇよ」

 その呟きは私には届かなかった。



「オマエのも剣だよな?」

 彼女は話題を変えるようにそう切り出してきた。さっきのは気になったが、触れてほしくなさそうなので私も話題に乗った。

「あれは刀といって…、(ウィ〇コピペ中)というものなんです!」

 私は早口でまくし立てるように話した。気づくと何故か圧倒されている彼女がいた。

「お、おう。良く分からんがすげぇな…。」

 彼女を見て冷静になる。何故にこんなに刀に詳しいんだろう…。しかも早口で。あの刀を拾った時も長さとかすぐに分かったし――――まさか刀〇乱〇オタク?

 そういえば忘れていたが、あの刀は今どこにあるんだろう?あと、ジャージと靴も…。


 それを聞こうとしたが、先に次の話題を出され、その日は結局聞けなかった。


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