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勇者から逃げだした聖剣  作者: 黒一忍
第二部 第二章 神の学校
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幕間 勇者神エクスの戦い

 ~エクス視点~

 最上級の神のミナと、自分と同じ上級の神のクレーメと戦うことになった俺は少しだけ浮かれていた。


 今まで戦ってきた相手は、自分と同じ、もしくはそれ以下しかいなかった。

 強い相手もいたのだか、それは魔王くらいのものだった。


 それが自分よりも強い奴と戦える。

 それがどうしようもなく嬉しかった。


 だが、戦いが始まった瞬間、その考えは変わった。

 ミナが放つ気配が、俺が今まで受けたことのないレベルのとてつもなく重いプレッシャーに変わった。


 それはまるで、幾千幾万の戦いを経てきた圧倒的な強者の物で、俺1人ではとても勝てるとは思えなかった。


 2人でミナを倒さないか?

 そう思ってクレーメの方を見ると、クレーメもミナのプレッシャーを感じとったようで、こちらを見て頷いた。


「いきなり二対一!?」

 そうミナが言うが、そうでもしなきゃ勝てねぇよ。

 むしろその出した剣、聖剣だよな?

 なんで3本も持ってるんだよ!?

 で、なんで1本自由自在に空中を浮いてるんだよ!?


 驚きを顔に出さず、ミナに突きを放つ。

 だがその突きはミナの右手に持った聖剣で逸らされ、左手の聖剣で腹に一撃を食らい、さらに蹴り飛ばされた。

 その直後、クレーメが俺の近くに飛ばされてきた。


「大丈夫か?!」

「大丈夫?なめないで欲しいですわ!」

 クレーメの無事を確認すると、スキル《リベンジ》を発動する。


 《リベンジ》は相手から受けたダメージと位置の移動を無かったことにして、ステータスを上昇させるスキルだ。

 飛ばされたのを巻き戻して、ミナの前に立つ。

 クレーメも魔法で飛んできたようで、俺の隣に立った。


「やっぱり最上級中位相手に、小手調べは通用しないか!なら、ここからは全力でいくぜ!」

「わたくしも、久しぶりに全力を出しますわ!!」

 俺は概念 正義と《限界突破》を発動する。

 概念 正義は自分の正義を曲げない限り、ステータスを格段に上昇させる効果だ。


 ミナも使う剣を変え………、なんだ、あの2本の剣は…。

 今まで見たことのない剣、そしてミナが持っているだけで、その剣から圧倒的な力が放出されている。


 あんなものがもし、ここじゃない場所で使われたら世界が崩壊する、そう思う程に圧倒的な力だった。


 あの2本の剣の能力はわからないが、今のステータスならたとえ最上級の神でも、ついてこれないはず、そう思い《高速移動》を使ってミナの眼前まで移動し、剣を振り下ろした。


 が、ミナが腰の辺りで構えていたはずの、左手にもった剣が俺の攻撃を当たる寸前で防いだ。

 まるで時間を止めて防御したように見えるが、時間が止まったような感覚はしなかった。


 いやいや、おかしいだろ?!

 どうやって今の一撃を防いだ?!

 だが、なんとか鍔迫り合いに持ち込めた。


 クレーメが死角から光魔法を放つと、ミナが聖剣で光魔法を防ごうとしたが、聖剣は呆気なく溶けた。

 しかしミナに当たる直前で、ミナにギリギリ回避されてしまった。


 そして俺とミナの距離が開いてしまい、ミナの右手の剣から光が放たれた。

 目眩まし!?

 慌てて目以外の感覚でミナとクレーメの位置を感知しようとするが、もう遅かった。


 首に当てられた剣の感触。

「私の勝ちね。」

 ミナの勝利宣言に俺は頷くしか無かった。

 そして、ミスターGをグループに迎えた俺を、グループのメンバーのガリアとラーディス、そしてミスターGが励ましてくれた。

 仲間ってのはやっぱりいいもんだな。


「今日はもう遅いので、明日から授業を始めます。なので皆様が本日から卒業まで過ごす、宿舎を案内しますね。」

 と、天使が言いつつ宿舎に向かって歩きだす。


 俺達は宿舎に向かいながら、ミナに戦闘中に出した聖剣のこととか、最後に出した剣のこととか聞いてみたが、結局答えてはくれなかった。

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