第5話 グループ分け
私達の自己紹介が終わり、最後に台所に現れる悪魔の自己紹介が始まった。
「カチカチッ、カカカカ!」
「「「「わかるか!」」」」
マーガム以外の男勢が突っ込んだ。
私とクレーメさんの女性陣は(レムナは寝ているので悪魔を見ていない。)、それはもう、凄まじく引いていた。
「彼は、私はミスターG、そう名乗っています。」
教壇にいた天使がここでようやく助け船を出してくれた。
「カカカカ、カカ、カチカチ!」
「彼は、自分の階級は上級下位だ。と言っています。」
自己紹介が終了すると天使が、「では、グループを作ってください」と言ったので、私はマーガムとセイスにこっちに来るように告げて、そしてレムナも私のグループに入るか聞いたのだが、寝ていたのでそのまま私達のグループに入ようとしたのだが、クレーメさんが先にグループに入れてしまった。
私達がグループを作り終わると、他のグループもメンバーが大方決まったようだ。
クレーメさんは、レムナと、コランの3人グループ。
エクスは、ガリアとラーディスの3人グループのようだ。
………あれ?
ミスターGはどこのグループ?
私達は他のグループと、ミスターGをどこのグループに入れるかで揉めた。
それはもう、1時間ほど揉めた。
人数が増えるのに比例して戦力が増えるが、どのグループも台所に現れる悪魔と一緒に戦いたくはないのだろう。
そして、最終的には戦って一番弱かったリーダーのグループに入れることになった。
そうして、校舎からグラウンドまで移動した私達は、各グループの代表者のみが戦う、絶対に負けられない戦いが始まった。
ちなみにルールは、誰かが負けを認めた時点で終わり、それだけだ。
基本的になんでもしていい、というルールだ。
グループの代表者の戦いは私、クレーメさん、エクスの三つ巴で始まった。
すると、いきなり私に向かってクレーメさんは炎魔法で、エクスは剣での突きで攻撃してきた!
「いきなり二対一!?」
私は《時空間収納》から素早く聖剣を3本取り出し、右手は順手で左手は逆手で持ち、右手の剣でエクスの突きを反らしながら、左手の剣でエクスの胴体の鎧に一撃を叩き込み、さらに勢いそのままに回し蹴りを決めてエクスを吹き飛ばす。
そして残った1本を《剣神》で動かし、魔法を斬ってから、剣の腹でクレーメさんをエクスを飛ばした方向に弾きとばした。
この間、私は一切の概念を使っていない。
わざわざ手の内を教える義理も無いから、教えても問題ない範囲のスキルしか使わないつもりだ。
これで終わってくれないかな?
………くれないよね。
エクスが吹き飛ばされた方向から、まるで逆再生されているかのように戻ってきた。
クレーメさんの方は魔法なのか、飛んで戻ってきた。
「はぁ…。あれで終わってくれたらなぁ…。」
私はため息をついてから、2人と向き合う。
「やっぱり最上級中位相手に、小手調べは通用しないか!なら、ここからは全力でいくぜ!」
いや、全力で来なくていいです。
「わたくしも、久しぶりに全力を出しますわ!!」
いや、本当に全力で来なくていいです!
私も神剣くらいは出した方がいいかな。
私は、黒剣と黒刀とまったく同じ形状、同じ質量の神剣、神剣と神刀を取り出した。
神刀は炎の神剣、概念 炎が付与された神剣だ。
そして神剣の方は、概念 光が付与されている。
元は、邪神との最終決戦の時に作った神剣なんだけど、あれから改造してたら概念が付与できることに気がついて、付与してみた神剣である。
私が神刀と神剣を取り出して構えた瞬間、エクスが眼前で剣を振り下ろしていた。
よく見ると剣がさっきまでの剣と違い、ただならぬオーラを纏っている。
それを私は、《過程省略》で神剣を間に入れることにより、なんとか防ぐことに成功する。
そしてエクスと鍔迫り合いになると、クレーメさんが光魔法を飛ばしてエクスの援護に回る。
聖剣1本でさっきと同じように魔法を斬ろうとしたのだが、聖剣が溶けて無くなった。
………よし、もう聖剣使わない!
聖剣が溶けたことには驚いたが、光魔法はギリギリで避けることが出来た。
そして聖剣が溶けた原理は《剣神》によってすぐにわかった。
どうやら、光魔法に概念 消滅が付与されていて、聖剣の分子の結合を消滅させられた為に、聖剣が溶けたように見えたようだ。
クレーメさん、攻撃えげつないな。
エクスの方は純粋な能力強化に、概念 正義によるさらなる能力強化が掛けられている状態のようだ。
その状態のエクスは、無強化状態の私より速度がわずかに遅く、攻撃力は私よりも上みたいだ。
私はエクスの攻撃を受け流しつつ、どう攻めるかを考えていた。
いろいろな案が浮かんだが、神剣の力を使ってみることにした。
神剣の力を発動する。
光の概念、出来ることはかなり多い。
今回は、ただの目眩ましだけどね!
ピカッ!っと辺りを光が埋め尽くした。
エクスやクレーメさんを始めとして、マーガムやセイス、寝ているレムナや全身が髪の毛で隠れているコラン以外の目は一時的に潰せたようだ。
エクスが怯んだ一瞬の隙に、私はエクスの首に神刀を当てた。
「私の勝ちね。」
私が勝利宣言をすると、エクスは頷いて、ミスターGをグループに入れた。
戦いを終えた私達が教室に戻ると、天使が、「今日はもう遅いので、明日から授業を始めます。なので皆様が本日から卒業まで過ごす、宿舎を案内しますね。」
そう言われて私達は宿舎へと向かうのだった。




