第68話 勇者育成
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ホゾンの街に着いた私達は、ダンジョンに入る為にギルドに顔を出した。
「聖女様ー。」
「聖女様じゃ、ありがたや。」
………なんだこれ?
あれ?
前は、銀閃聖姫とかじゃなかったっけ?
また、ギルドマスターが広めてしまったのかな?
一回くらい、殴ってもいいよね?
え?だめ?そんなぁ…。
私は混乱しつつも、なんとかギルドマスターと会うことなく、ダンジョンに潜る許可を貰ってダンジョンに潜………ろうとしたがギルドマスターに捕まってしまう。
「いやぁ、お前さんが聖女だったとは、俺も知らなかったぜ。」
「いや、聖女じゃないんで、私達ダンジョンに潜るんで、では。」
「いやいや、お前さん達に頼みたい依頼があるんだよ!」
………このタイミングでの指名依頼なんて嫌な予感しかしない。
それに、聖女じゃなくて聖剣です。
「勇者関連ならお断りですよ?
私達は私達のレベル上げとか、装備を整えたりとか、忙しいんですから。」
邪神が攻めて来るのに備えて、出来ることはやっておきたい。
「すまんが、勇者関連でおまけに国王からの依頼だからな?」
「SSランクの権限でお断りします。」
「じゃあ、依頼内容説明するからな。」
「受けません。絶対に嫌です!」
「まぁ、そこまで嫌ならキャンセルするが、他の国に比べて戦闘可能な奴が少ないのが人間の国だ。
変異種モンスターが攻めてくるだけでもきっと、多くの死者が出るだろうな。」
確かにそうなんだろうけど…。
変異種モンスターが大量に攻めて来たら、人間の国はひとたまりも無いだろう。
国に残った勇者が弱すぎるからね。
国を出た勇者が強くなっているのを期待したいけど、そもそも国に戻ってくるかもわからないのに、期待してもしょうがない。
………仕方ない、クエストを受けよう。
どんなクエストかわからないから、確認はしっかりとしよう。
「はぁ、依頼内容の説明してください。
受けるかどうかは、説明が終わってから決めます。」
「よしきたっ、依頼内容は、勇者の育成だ。」
「えっ?それだけですか?」
「おうよ、お前さん達には邪神と戦ってもらいたいが、そこまで強制は出来ないからな。」
………なるほどね。
マーガム達には技量があるから、パワーレベリングと模擬戦でいいけど、勇者達は前回会った時と変わっていなければ、技量を身につける所からだね。
どうやら勇者達は既にホゾンの街にいるようなので、ギルド職員に呼んでもらう。
私と薫がギルドの一室で待っていると勇者達が入ってくる。
いつぞやとは、状況が真逆だ。
勇者達の顔は強張っていて、緊張しているのがわかる。
「どうも、あなた達を鍛えることになりました。」
「「「「よろしくお願いします!」」」」
うん、タクトがいないだけで話が早く進みそうだ。
私が説明している間も、マーガムとカノア、ラフィスさんとディアス、それとセイスがダンジョンに潜っている。
その為、私のレベルは上がり続けている。
薫もいつも通り寝ているけど、レベルは上がり続けているだろう。
どうやらパーティーに入っていれば《経験値共有化》は距離に関係なく発動するようだ。
とりあえず薫を叩き起こして、《影分身》を使ってもらい、勇者全員と戦ってもらう。
しかし、薫よりスペックが低いはずの分身体にすら勇者は勝てない。
攻撃組の攻撃は当たらないし、委員長が防御していてもカバーする人がいないし、回復系は怪我をする人数が多過ぎて回復をしすぎて魔力が切れた。
おいおい、これでよく今まで勇者でいられたな。
これが、温室育ちってやつなのかな?
状況は私が思っている以上に深刻だった。
どうしたものか…。
マーガム達が帰ってくるまでの間、私と薫は勇者達を指導していた。
マーガム達が帰ってきて到達階層を聞くと、25階層に着いたらしい。
大体皆レベルが30くらいは上がったとのこと。
レベリングは順調だね。
私達は[食事処 平等謳う精霊亭]へと向かった。
やっぱり、ホゾンの街と言ったらここに来なければならない。
[食事処 平等謳う精霊亭]に入ると、テーブルに突っ伏したティーナさんがいた。
「あれー?ラフィスー、久しぶりー。」
「ティーナじゃないですか、久しぶりですね。」
「2人共知り合いだったの?」
「幼なじみみたいなものですよ、ご主人様。」
ということは、ティーナさんも歳は四桁なのか…。
エルフと天使っていいな。
寿命は長く、姿もほとんど変わらない。
ティーナさんは金髪美人だし、ラフィスさんは金髪ロリ巨乳だ。
………巨乳には1度だけでいいからなってみたい。
無理なんだけどね。
私達は、ティーナさんの料理を堪能したあと、宿を探すのだが、いい宿が見つからない。
そもそも、人族至上主義が多くいる人間の国で私達が泊まれる宿はほとんど無い。
悩んでいるとカノアが、
「ギルドに泊まるのはどうかのぅ?」
「えっ?ギルドって宿泊できるの?」
「お主、やっぱり知らなかったのだのぅ。
ギルドはAランク以上の冒険者のみが宿泊することが出来る宿を保有しておるんだのぅ。」
「じゃあ、ギルド保有の宿にしようか。」
私達はギルドで宿泊の手続きを済ませて、ギルド保有の宿に向かった。
ギルド保有の宿は、とても大きな宿だった。
それに露天風呂まで存在していたので、露天風呂を堪能したあと、薫だけは別の部屋で、私達は皆一緒に寝たのだった。
………ちなみに、今回もラフィスさんは私達の足の位置で寝ている。
ここが、私の天国です!と鼻息荒く言っていたので気にしないことにした。




