第6話 人化と立ちはだかる問題
蜘蛛になった私は、獣の国に行くために、ホゾンの街へと、移動を開始した。
蜘蛛の状態でも、移動速度がとんでもなく速く、半日も経たずに、ホゾンの街に到着した。
街に入ろうとしたんだけど、結界が張ってあるらしく、門からじゃないと入れないようになっていた。
おまけに、門からでも通行許可証をもっていないと入れないようになっていた。
ちなみに、通行許可証を持ってない人は、門番に言えばその場で、許可証を作ってもらえるようだ。
《武器変化》のクールタイムが終わるまで、あと半日もあるので、街の周辺で魔物を狩ることにした。
□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□
《剣域》に一番始めに入ったモンスターはオークだった。
とりあえず、スピードを生かして首に引っ付く。
オークが気付かない内に、首に脚を思いっきりぶっ刺した。
すると刺した地点から、まるでレーザーで撃ち抜かれたように、円形の穴が開いた。
…えっ?
嘘でしょ?
これだと人になったところで、他人の肩を叩いただけで、相手が消し飛ぶんじゃ…?
肩を叩く→相手が消し飛ぶ→憲兵が来る→逮捕→最悪処刑?
最後の処刑までは、おそらくないと思うけどね。
たぶん脱出や、捕まる前に逃げることは簡単に出来るけど、それだと指名手配されて面倒だからね。
ちなみに《武器変化》で、人になる場合、顔の形、眼の色、髪の毛の色と胸の大きさなどは、変更出来ないようだから、指名手配は一番まずい。
逮捕されると、この世界を見て回れないから、力が調整出来るように魔物狩りはやめて、木を練習台にして殴ったりしてみる。
せっかく魔法が使える世界なので、魔法が使えるように、力の調整と一緒に練習しよう。
そう思い、魔力を使う練習も同時進行することにした。
力の調整が出来るようになるのに、半日経過した。
まだ、魔法の構築は上手くいっていない。
《空間把握》はうまくできたんだけどな。
もしかして、《空間把握》を使ったと思ってたけど、《剣域》を使ってたのかな?
魔法構築のやり方が悪いのかな?
誰かに教わらないとわからないよね、これは。
とりあえず魔法は置いておいて…、
ついに、人間になれるぞ!
私はわくわくしながら、《武器変化》を使用した。
使用してから気がついた。
服はどうなるのかと。
しかし、《武器変化》は使用してしまったので、もうどうすることも出来なかった。
《武器変化》が終了し、目線が高くなる。
「よかった。服も自分を作る中に入ってた。」
正直、森の中で裸とか絶対に無理だよ…
ホントに服も作られてよかった…
服は、全体的に白銀で統一され、蒼のラインがあしらわれた、ドレスのようでありながら、活動しやすい服に仕上がっていた。
水溜まりがあったので、そこに写った自分の姿を確認する。
身長はだいたい150~160㎝くらいで、肌は白桃色、顔は綺麗に整っている。
髪は肩甲骨の辺りまで伸びていて、色は聖剣と同じ白銀だった。
眼の色は透き通るような蒼色で、全体的に、スレンダーで、優しそうな印象であった。
━━━自分で言うのもなんだけど…。
ちなみに胸はBあるか無いかだったよ…残念。
とにかく顔と、肌の色、眼と髪の毛の色は変わったが、体格とかは転生前と変わらなかった。
□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□
門を通過したい人達が作る列に、私も並んでいた。
並んでいると、一緒に並んでいる人達が、私のことを見てくるのを《剣域》の効果によって、見なくてもわかる。
すごい居心地が悪い…。
遂に私の番が来た。
門番が顔をわずかに赤くさせるが、仕事はしっかりしてくれるようだ。
「通行許可証を確認してよろしいですか?」
「持っていません。作ってください。」
そう言いつつ、笑顔を作る。
すると、門番の顔が真っ赤になる。
「はいっ!すぐに!」
門番がすごい勢いが走っていく。
しかし、すごい勢いで戻ってきた。
「すいません!許可証を発行するのに銀貨10枚を払ってもらう規則がありました。」
…?
無一文なんですが?
観察してた時に、お金渡す動作なんてしてなかったと思うんだけど?
「お金もってないです…
でも、オークの素材ならあります。」
そう言いつつ、オークの素材を出す。
最初に狩ったオークの素材を、大きな葉っぱで包んで持ってきている。
「オークならば売れますね。
ギルドで売却しましょう。
門番が付いていくことで、ギルドまでなら行けますよ。
ただ、手数料として銀貨1枚かかりますけどよろしいでしょうか?」
とりあえず、ギルドまでは行けるようだ。
「じゃあ、おねがいします。」
とりあえず、なんとか街に入ることが出来た。
街は石造りの建物で出来ていて、規則的に建っている。
ギルドに向かう途中で、お金の価値を聞いた。
白金貨1枚=金貨100枚
金貨1枚=銀貨100枚
銀貨1枚=銅貨100枚
という感じらしい。
質問しながら進んでいると、遂にギルドに到着した。
門番の人に扉を開けてもらい、私は遂に、ギルドへと足を踏み入れた。




