第64話 甘い誘惑3
~セイス視点~
どうやらご主人達と違う場所に転移されたようっすね。
俺は周りを見渡して見たんすけど、特に何も見当たらないんすよね…。
しかもここ、密閉された部屋みたいで出口が存在しないんすよね。
ご主人と俺以外の皆なら、確実に死ぬっすよね、これ。
とりあえず、何も出てこないから【概念炎】を使って部屋全体を燃やしてみたら、穴が空いたからその穴に入ってみたっすよ。
穴は俺が羽を広げても余裕で入るほどに大きな穴だったので、俺は穴を飛んで移動したっす。
しばらく進むと広い空間にでたっすよ。
そこも密閉された部屋だったっすから、とりあえず燃やしてみたんすけど、穴が空いたりしなかったっすから、そこでしばらく待ってみることにしたっす。
すると、文字が地面に彫られていったっす。
{神獣様が何故、こんな場所にいるんですか?}
「そりゃ、俺はご主人がいる身っすからね。
今回は、ご主人についてきただけっすよ。」
{神獣様を従える…?
あぁ、報告されてた冒険者ですか。
なるほど、この方がですか…。}
………ん?
もしかしてご主人もう管理者とあってるんすか?
ご主人…、早すぎっすよ………。
なら俺も早くご主人の元に向かうっすかね。
「ご主人達がやった試練を俺にもやるっす。」
{クリアしても、報酬ないですよ?
あとでなんか寄越せとか、言われても何もないですからね?}
「そんな事言わないっすよ……。」
俺をなんだと思ってるんすかね?
まぁ、神獣ではあるんすけどね。
試練が開始して、俺の目の前には、遥か昔のご主人がいたっす。
そして前のご主人が言ったっす。
「俺と一緒にやり直して、邪神から世界を守らないか?」
俺はそう言われて、思い出したっす。
前のご主人は、神様だったんすけど、あんまり強い神様では無かったっす。
でも、前のご主人はいいご主人だったっす。
世界をより良い方向に向けて育てていくという、神様の使命をしっかりと果たした上で、他の神様を手伝ったりしていたっす。
でも、平和は突如終わりを告げたっす。
邪神が現れて前のご主人の世界を破壊していったっす。
そして壊れる世界の中、邪神と前のご主人は戦ったんす。
でも、前のご主人が強く無かったこと、そして邪神が強かったこと、2つの要因が重なり、前のご主人は殺されてしまったっす。
俺も戦おうとしたんすけど、前のご主人が許してくれなかったっす。
むしろ、逃げろ、とだけ命令されてしまったので、逃げることしか出来なかったす………。
神獣にとって主人からの命令とは、絶対に守らなければならないものなので、死ねと命令されてしまうと死ぬしかないんすよね。
俺は、その時の記憶を思い出さないようにしていたっす。
俺は前のご主人からの誘いを断ったっす。
起こってしまったことは変えようがないっすからね。
それに、今のご主人もいい人なんすよ。
だから、安心して逝って欲しいっす。
目の前にいた前のご主人が消えて、転移の魔法陣が出現したので、転移の魔法陣を起動してご主人達と合流したっす。
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~ディアス視点~
どうやら、おねぇ達とはぐれたみたい。
………寂しい。
どうすればいいか分からず、オロオロしていると我の目の前に文字が浮かび上がった。
{過去に戻ってやり直せます。やり直しますか?→はい いいえ}
………?
思わず首をかしげてしまう。
やり直せるなら、母親が我を産んだ瞬間に戻って、母親を守りたい。
でも、母親から受け継いだ優しさを、おねぇの優しさを、失ってしまうと直感で理解してしまった。
我は、それだけは許容出来ない。
それが無ければ我は、もはや憤怒の魔王に呑まれて我では無くなってしまう。
我はいいえを選んだ。
きっと、おねぇに会わなかったなら、はいを選んだだろう。
文字が変化して、別の文字に変化していく。
{強大な力を制御できる力が欲しいですか?→はい いいえ}
我は、はいを選ぼうとした。
その時、封印されていたはずの憤怒の魔王の声が響いた。
『いらねぇよ、そんなもん。
お前自身が強くならなけりゃ、俺様が、認めねぇ。
お前が弱けりゃ制御なんてさせねぇし、逆にお前が強けりゃ、お前を助けてやるよ。』
「魔王…、なんで?」
『全力だしてこれが限界だから簡潔に伝えるぞ。
怒りが溢れるからといって、俺は人の、世界の味方だからな。
それに、お前といた方がいろいろと面白そうだしな。
だから、俺様が認めるぐらい強くなれ、以上だ。』
我はいいえを選ぶ。
あれほど激励されて、はいなんて選んだら我は憤怒の魔王に、おねぇにどんな顔をして会えばいいのかわからない。
文字が消えて、転移の魔法陣が出現したので、転移の魔法陣を起動しておねぇ達と合流した。
いただいた感想を元に土日辺りで加筆する予定です。
また、感想への返信は午後8時以降しか出来ない可能性が高いのでご了承願います。
全員分終わったので、明日はダンジョン最深部です。




