第54話 時と状況、選ばぬ変態
子供達を転移させたことによって、私達の移動スピードは格段に増した。
私達が先に進むと2つに道が別れていて、片方には大量のモンスターに襲われている子供達が、もう片方には宝箱が置かれているのが見えた。
私達は宝箱を放置して子供を助けに向かった。
私達が子供達の元に到着した時、私達が通って来た道が地面が盛り上がって塞がれた。
………あれ?
帰り道が無くなった?
ここ、行き止まりなんだけど?
私が先行して、子供達とモンスターの間に立ち塞がる。
脇にマーガムを抱えてきているので、マーガムを降ろしてから《防御範囲拡大》を使ってもらい、セイスと一緒に子供達を守って貰う。
私とカノアと薫、そしてラフィスさんでモンスター(ゴブリンとコボルトとオーク)の大群を討伐しよう。
私とカノアと薫はモンスターの中に突入して、私と薫はモンスターを次々に斬り倒していき、カノアはモンスターを上に打ち上げたり、壁にぶつけたりしてモンスターを倒していった。
そしてラフィスさんは倒し損ねたモンスターに矢を的確に当てていき、魔法も同時に使用して援護してくれる。
しばらく経過して、私達はモンスターを殲滅してドロップアイテムを回収していく。
子供達も協力してくれたので、ドロップアイテムの大量のオーク肉やゴブリンの宝珠を1つをお礼として渡した。
子供達は喜んでくれたが、ここがダンジョンだと思い出して、落ち込んでしまう。
うん、すぐに転移の魔法陣探すから落ち込まないで。
しかし、ここは行き止まりなのだ。
………うん、どうすればいいんだ?
教えて!ラフィスさーん!
「いや、私もわかりませんよ?
あっ、でもその目、いいですよ!ハァハァ」
…しまった。
ちょっと期待してたから、残念そうな目で見てしまっていたかな?
自覚は無かったんだ。
………子供達が引いてますよ?ラフィスさん。
どうしたらいいのかな?
そう思っていると、子供達の後ろの壁が開いて道が現れた。
私達は子供達を連れて、モンスターやトラップに警戒しつつ進んでいく。
しばらく進むと、転移の魔法陣が出現したので子供達は帰還させて、私達はさらに先に進んだ。
転移された私達は、他のダンジョンの最終階層と同じような場所に転移された。
他のダンジョンと同じく、光が道案内をしてくれる。
光についていくと、やはり宮殿のような建物にたどり着き、その中に入っていく。
そして、部屋の中にいたのは角の生えたお爺さんだった。
お爺さんの腰にはレイピアのような武器が差されている。
邪神の眷族や悪魔かと思い警戒する。
「あぁ、わしは邪神の眷族とかではないぞ?
他の管理者から襲われる可能性があると聞いて警戒しておるだけじゃ。
それに、お主らのことは他の管理者から聞いておるからな。」
管理者?
あぁ、ダンジョンの最下層でスキルをくれる人達のことか。
「今回、お主達はわしの設定したクリア条件を見事に達成して見せた。
故に、このスキルを渡そう“贈与”」
私達の右手に、紋章が刻まれた。
「お主達に授けたのは、《鑑定》じゃ。
まぁ、なにかを鑑定することができるスキルじゃ。
だが、邪神や、その眷族などは鑑定出来ぬので注意するのじゃぞ?」
かなり思うところはあるが、持ってて損をするスキルでは無いので、しっかり使って行こう。
ちなみに薫やラフィスさんはかなり嬉しそうだが、マーガムとカノアは私と同じみたいで複雑な顔をしている。
やっぱりマーガムとカノアも、マルムが《鑑定》を持っているのを思い出してしまうんだろう。
「あの、ダンジョンに出てきた子供達は無事なんですか?」
「あぁ、無事じゃぞ。
わしが試練のために作った子達じゃからな。
じゃが、勘違いするでないぞ?
わしはしっかりあの子達を育てておるし、使い捨てにするつもりなどないでな。」
良かった。
でも、ここの子供達だったんだね。
まぁそもそも、国が出入りを管理しているダンジョンで子供がいるのはおかしいもんね。
私達が帰る為にお爺さんに案内してもらい、転移の魔法陣に乗った時、扉を開けて子供達が入ってきた。
「「「おねーちゃん達、ありがとう!」」」
「ご飯美味しかった!」
「お肉ありがとー!」
と次々にお礼を言ってきてくれた。
………ちょっと泣けてきた。
「皆も元気でね。」
私がそう言ってから、私達は子供達に向かって手を振った。
そして子供達も手を振り返してくれた。
「では、転移させるでな。」
お爺さんがそういうと同時に私達は転送され、私達はダンジョンの入り口に飛ばされた。
ふぅ、戻ってきたね。
皆がいることを確認してからギルドに報告してから、ラフィスさんの案内で私達は打ち上げに向かうのだった。
ラフィスさんの案内でたどり着いたのは、レストランだった。
ここは昔の勇者が伝えたメニューがあるらしく、メニューには元の世界と同じ名前の物が結構あった。
私は、メニューを見て皆メニューを選んだのを確認してから、店員を呼んで注文した。
「あの、カレー1つ、オムライス2つ、醤油ラーメン2つ、最後にステーキを1つお願いします。」
「はい!カレー1つ、オムライス2つ、醤油ラーメン2つ、ステーキ1つですね。」
メニューの確認をしてから店員が注文を厨房に伝えた。
ちなみに、カレーはカノア、オムライスはマーガムとラフィスさん、醤油ラーメンは私と薫、ステーキはセイスだ。
しばらくすると料理が運ばれてくる。
「今回も皆のおかげでダンジョンをクリアすることが出来ました!
まぁ、堅苦しいのと長いのは嫌だから、はい、いただきます!」
「「「いただきます。」」」
「い、いただきます。」
ラフィスさんが少し遅れてしまったが、そういえばラフィスさんの前でやるのは初めてだった。
私達は料理を食べる。
うん。
元の世界と似た感じだけど、麺が若干太いかな。
美味しいから関係ないけどね。
皆も美味しそうに食べている。
皆が食べ終わり、お会計を済ませて宿に戻る。
打ち上げやってよかった。
私はそう思いながら、宿に向かい、部屋を借りてから部屋で休んだのだった。
………あれ?
なんでラフィスさんも私達と一緒に部屋に入ってきてるの?
私はラフィスさんをアニメとかでよく見る感じで、ドアから放り出した。
ドアから放り出されたラフィスさんはドアを叩いて、
「私も中に入れてくださいよ!
私も仲間じゃないですか。
………あ、でもこれはこれで…、くふぅ」
私は深くため息をついてからラフィスさんを中に入れた。
私はカノアの抱き枕にされながら、マーガムのケモミミをもふもふしながら眠りに落ちていった。
ちなみにラフィスさんは本人の希望もあり、床(一応絨毯は敷いてある)で寝ていた。




