表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
勇者から逃げだした聖剣  作者: 黒一忍
第七章 天の国
56/168

第51話 雪合戦 観光2日目

 あのあと、ラフィスさんに私達はドン引きしつつ思った。

『『『『『私達が問題を起こさないように監視するって言ってたけど、あなたの方が問題だよ!』』』』』

 と、《意思伝達》で私達皆が同時に言っていた。


「のぅ、あやつ絶対に関わってはならん奴ではないかのぅ?」

『なんで言語化しちゃうかな?!

こういう人はそういう発言でも興奮する可能性があるんだからね?!』

 どうやらラフィスさんは興奮するタイプのようだ。

 だって、「ハァハァ、罵倒ですか?!いいですね!!」とか言ってるし。


 そのあと、なかなかラフィスさんが落ち着いてくれず、日が落ちてもしばらく興奮した状態が続いたので、漫画の如く、後ろに回り込んでから首の辺りをトンッと叩いて気絶させようとしたんだけど、力加減を間違えてしまい、ラフィスさんが顔面スライディングしてから地面に顔が埋もれた上で気絶させてしまった。


 私達は急いで回復魔法で回復させたのだが、気絶したままだったので、ギルドに置いて帰ったのだ。


 翌朝、コンコンと、ドアをノックする音が聞こえる。

 私達は、ギギギと錆び付いたブリキのようにドアを見る。

 薫かなー?

 薫だったらいいなー。


 そう思ってドアを開けた私だが、やっぱりそこにいたのはラフィスさんだった。

「おはようございます。

 昨日は、ハァハァ、激しいのをありがとうございました。んくっ。」

 ………キィ。(無言でドアを閉めようとする音)


 ドアを閉める直前でラフィスさんが手を挟み込んでくる。

「あの、閉められないんですけど!」

「話を聞いてくださいよ。ハァハァ」

 ダメだ、挟まれた指からくるダメージで興奮している。

 ………ドMの対処とかどうすりゃいいんだ?


 とりあえずラフィスさんを部屋の中に入れて話を聞くことにした。

 今回は薫は不参加だ。

 ………危険を察知して出てこなかったな?

 今度何か一発芸でもやって貰おう。


「今日も観光の案内をさせてもらいます。

 今回は雪合戦です。」

 ………?

 ラフィスさんが普通に戻ったぞ?

「火魔法以外と非殺傷ならスキルも使っていいルールなので、戦闘訓練にもなりますよ?」

 私が疑問を抱いている間にも話が進む。

「事前にエントリーが必要なのですが、皆さんを既に登録しておきました。」


「せめて前日に告知してくださいよ。」

「昨日は誰かのお陰で、話す前に気絶してしまっていたんですよ?

 でも確かにそうですね、すいません。」


 確かにそう言われるとそうなんだけど…。

 でもあれは、ラフィスさんが悪いと思います!


「で、わしらは一緒のチームなのかのぅ?」

「今回は別々にさせてもらいました。

 合計7チームが戦うトーナメント方式ですね。」

「つまり、見知らぬ人と一緒にミナさん達と戦うということですね?」

「はい、そうです。」

 私達は薫と合流してから、ラフィスさんにルールなどを教えて貰いつつ、雪合戦の会場に向かった。



 雪合戦の会場はとても広かった。

 それこそ、東京から大阪まであるくらいではないだろうか、と思うほどだ。

 雪合戦の会場には様々な障害物や、遮蔽物に加え、城や一般家屋なども存在していた。


 ………どんだけ力入れてるのさ。

 第1試合では、マーガムと薫のチームの戦いだった。

 試合の決着は、相手の陣地にある旗を倒すか、相手を全滅させれば決着する。

 試合が開始してすぐに異変が起きた。

 薫が大量に居る…。

 影分身で作った自分に攻めさせてるよ。


 もはや他の人がいらない状態になっている。

 皆口を大きく開けて呆然としている。

 しかし、マーガムだけは冷静に《防御範囲拡大》を使って自分と旗を囲った。


 薫はマーガムの防御を破れてはいないが、それも時間の問題だ。

 しかし、ホイッスルが鳴り響き、試合の終了が宣言される。

 どうやら、ペットの土竜を使って倒した人がいたようだ。


 悔しそうにしながら薫が帰って来た。

 しばらくすると第2試合が始まり、私とカノアの戦いになった。

 しかし、寒いし長引かせたくないので、すぐに終わらせよう。

 結果は私の圧勝だ。

 《縮地》で移動して、《剣域》でカノア達の居場所を発見して、《縮地》で旗の真横に立って旗を倒したのだ。


 色々とブーイングを受けて、再試合(しかも私だけスキル不使用)が行われることになってしまった。

 圧倒的に私だけ不利だ。


 再試合では、私のチームが負けた。

スキル無しでおまけにステータスも全力じゃない状態でカノアを倒せる程、カノアは甘く無かった。

 そして最後にラフィスさんとセイスのチームがぶつかったが、ラフィスさんのチームが勝った。

 とゆうか、セイスが開幕に炎を出して失格になった。

 残った参加者でラフィスさんに勝てるなんて人は居なかったので、ラフィスさんのチームが2回戦に進出した。


 そして1回戦が終了して、2回戦で最終試合が行われる。

 2回戦は4チームの四つ巴の戦いだった。

 マーガム、カノア、ラフィスとシード枠のもう1チームがそれぞれ揃う。

 全員がそれぞれの陣地にたどり着き、試合開始のホイッスルが鳴る。

 それぞれの陣地の丁度中央は激戦区と化している。


 そして10分が経過したとき、ホイッスルが鳴り響き、シード枠のチームが負けた。

 カノアが攻め落としたようだ。


 次にカノアが狙うのは、おそらくラフィスさんではないだろうか、なぜなら今まで戦った事が無いからだ。

 そう思っていると、カノアが予想通りにラフィスさんのいる方向へと向かい、ラフィスさんとの激戦を繰り広げだ。

 カノアが戦闘に夢中になっていたのだが、カノアのチームが脱落してホイッスルが鳴り響く。

 ラフィスさんとカノアの戦闘中にカノアのチームを攻め落としたのは、マーガムのチームだった。


 カノアのチームが脱落したことによって、試合は終盤に入ったのだろう。

 自動雪玉製造機などの支援アイテムが出てくる。

 激戦を各所で繰り広げるが、マーガムの防御は誰も突破出来ない。

 薫と戦った時とは違い、《遠隔防御》だけが残っている。

 試合終了を告げるホイッスルが鳴り響いた。

 なんと、マーガムは単身でラフィスさんの陣地にたどり着いて、旗を倒したのだった。


 優勝したチームのメンバーには、氷のアミュレットが贈呈された。

 私達も景品のクリスタルの髪止め等をもらう。


 私達が帰ろうとすると、ラフィスさんの姿が見えないことに気が付いた。

 雪合戦の会場を探していると、雪玉に当たりすぎて雪だるまになったラフィスさんを見つけた。

 相変わらず、「ハァハァ」と言って興奮していたので、その場に置いて帰ることにした。


 後ろから、「放置ですか?!こ、これはこれで…、いい!」とか聞こえた気がするけど、無視して宿に戻った。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ