第5話 脱出、そして、これから
3日が経過して、遂に、脱出の準備が整った。
地理に関しては、クラスメイトが喋っていたのを聞いて、大まかには把握した。
どうやら人間の国を中心に、
東に龍の国が、
次に、西には獣の国で、
さらに、北には天の国が、
最後に、南の魔の国が、国として存在しているようだ。
そこよりも外側は、未明領域となっていて、誰も足を踏み入れることはないらしい。
ちなみに、人間の国には、王国と大きな街が3ヵ所に存在し、王国から、
北に、ラインの街
南西に、ホゾンの街
東に、ライゾの街が|王国と国境のちょうど中間に、それぞれ存在しているらしい。
3つの街と王国を合わせて人間の国と呼ぶらしい。
他の国には、小さな集落が点々と存在するだけで、街が存在しないようだ。
そして、《冒険者ギルドが存在する》という情報を手に入れた!
冒険者ギルドは、すべての国に存在し、ギルドランク(FランクからSSランクまで存在するらしい)がB以上の冒険者は、国の出入りが自由になるらしい。
ちなみに勇者なクラスメイト達は、始めからDランクからスタートしているらしい。
国の出入りが自由になるのは、喉から手が出るほどに必要なので、勇者なクラスメイトからの脱出後に手に入れに行こう。
ちなみに、奴隷制度も存在するらしいし、お金は必ず必要になるので、ギルドに登録するのは確定している。
と言うか、ギルドは登録するもの――そういうものじゃない?違う?そうかぁ…。
とはいえ、人間の国から脱出しないと、勇者との鉢合わせもありそうだ。
なので他の国に行かなければならない。
どこの国に行くかで悩んで、それこそ1日費やすほど悩んだが、獣の国に決めた。
――やっぱり、けもみみをもふもふしたい!
私、読んでる本が主に、ラノベか、ペット雑誌だったからね。
かなり欲望にまみれているけども、欲望だけで決めた訳じゃない
――ほんとだよ?
実際問題、ダンジョンが存在するみたいなんだけど、パーティー組んでないと入れないんだよね。
そこで、パーティーメンバーを募集したいけども、人間の国だと少なからず、勇者がパーティーインする危険が存在するんだよね。
そして天使と魔族は、排他的な感じがあるらしいから、パーティーをあまり組んでくれないらしい。
龍族は人型になれるらしいんだけど、龍同士の仲間だけでしか、基本的にパーティーを組まないらしい。
残るのが獣族なんだけど、なんとも素晴らしいことに、獣型と獣人型の獣人が存在するようだ。
獣型は、動物が人間みたいに二足歩行しているような感じで、
獣人型は、人間に動物の耳と尻尾が生えている感じのようだ。
さらに、パーティーも割合組んでくれるようなので、ダンジョンにも挑みやすいだろうと思ったのだ。
これらの条件を踏まえて、獣の国に行くことに決めた。
目的地も決まったことによって、今回は、勇者タクトの国周りに出没する魔物退治も、かなり上機嫌で向かうことができる。
□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□
~魔物退治終盤~
タクトがいつものように、飛ぶ斬撃を放ち、魔物と木々が真っ二つにされる。
そしてタクトが、いつものようにぶつぶつといい始めた。
遂に、この瞬間が来た。
今回だけは、なるべく遠くに投げて欲しい!
私が、タクトに対して祈っていると、祈りが通じたのか
――タクトが私を全力投球でぶん投げた!
私は遥か遠くに飛んでいく。
そして木に刺さると同時に、《武器変化》を使用して、剣先から蜘蛛になり、身代わりの聖剣もどきを置いていく。
身代わりの聖剣もどきが、委員長に回収されたのを確認して、私はようやく脱出できた喜びを噛み締めることができた。
これで、私は、自由だ!
脱出しても話はまだまだ続きますよ!