第39話 どうしてこうなった…!
ギルドに着いた私達は、勇者達が居ないことに安心したのも束の間、ギルドの職員に「ギルドマスターがお待ちです。」と言われて、ギルドマスターの部屋に案内された。
「やぁ、君が銀閃聖姫だね?
君のパーティーに受けて欲しい依頼があるんだ。」
「私達、今からダンジョンに潜る予定だったんですけど…?」
「大丈夫、それに関係した依頼だから。」
それ、絶対に大丈夫じゃ無いやつだ!
「いや、受けませんよ?」
「君は受けるよ、確実にね。
なんと言っても国からの依頼だ。
受けなければ、指名手配されるからね。」
………脅迫だと…!?
「…どんな依頼内容ですか?」
「勇者を連れてダンジョンに挑んでもらう。
勇者を連れてダンジョンをクリアすれば、依頼達成だ。
まぁ、ダンジョン最多攻略の君達なら楽勝じゃないかい?」
「勇者を連れて?
もし、勇者がこちらを攻撃してきたらどうするんですか?
昨日いろいろあったんで、不安なんですけど。」
「それは置いて行っていいよ。
それに、最低1人クリアさせてくれればいい。
ちゃんと国にも許可は取った。」
それなら、受けてもいいかな?
不安しかない。
どうしてこうなった…。
まぁでも、わからない話でもない。
今の勇者は、薫以外レベルが高いだけの温室育ちだ。
今の実力だと、オークキングでも余裕で死ねるだろう。
たぶんこの依頼は、勇者を鍛えるという内容が含まれるのだろう。
でも、勇者達を連れて行くとなると、かなりの期間がかかってしまうだろう。
まぁ、食糧は《時空間収納》に入れておけばいいけど、精神が持たない気がする。
………置いて行くか。
いや、駄目だ。
国に指名手配されてしまう。
しょうがないから、勇者と合流してダンジョンの下調べをしてからダンジョンに潜ることにした。
勇者と合流したんだけど、委員長だけが話をするってどうなのよ…。
とりあえず、今回潜るライゾのダンジョンは、罠がいっぱい設置されているらしく、斥候系の職業が1人は居ないとかなり厳しいらしい。
それに、ダンジョンが頻繁に組み変わるため、正解の道かもわからなくなるようだ。
私の《剣域》があればすべてクリア出来るだろうけど、勇者の成長にはならないから、使いはするけど教えないことにする。
マーガムとカノアには教えるけどね。
話し合いの結果、私達と、委員長とタクトと薫とあと4人が、ダンジョンに向かうことになった。
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私達は、ダンジョンに入った。
どうやら、ダンジョンは迷宮の一区画を継ぎ足していったような感じだ。
ダンジョンを少し歩いていると、タクトの足元から音が鳴って、矢が飛んできた。
それを私が黒剣で防ぐ。
しかし、タクトは礼を言うでもなく、次々に罠を踏んでいった。
矢に、槍、落とし穴から巨大ハンマーまで罠の種類は多岐に及んだ。
私が全て処理したんだけど、礼を言う様子も無いので早く帰りたくなってきた。
一応、区画を移動するごとに、帰還の転送魔法陣が一定時間出現するため、帰ろうと思えばすぐに帰れる。
他の勇者達も罠を発動させていたけど、慣れてきたのか少しずつ、回数が減っている。
もちろんマーガムとカノアは一回も発動させていない。
そして、薫も発動させていない。
だけど、タクトだけは回数が減らない。
これ、もうわざとでしょ?
今も、委員長に説教されている。
…同級生に説教されるとか、まじか。
委員長の胃に穴が開かないことを願っています。
それでも進んでいると、またタクトが罠を発動させた。
今度は何が来るのかと構えていると、地響きが聞こえてくる。
罠の定番、大岩が転がってきた!
私は、定番よろしく逃げようとしたけど、誰も逃げない。
マーガム達は大岩を破壊するために残っていたみたいだけど、勇者達は固まってしまって動けていないだけのようだ。
まぁ、ただの大岩だからカノアなら殴れば壊せるし、マーガムなら盾で止められるはずだ。
………むしろ、《時空間収納》に突っ込めそうだけど、それは外道だろう。
結局大岩は、マーガムが盾で受け止めてから、カノアが殴って粉砕した。
そして、私達はまた進み始めた。
しばらく進むと、落とし穴のスイッチを見つけた。
他の勇者達も、落とし穴のスイッチに気が付いたのか、避けていく。
そしてタクトがスイッチを踏んで、私とマーガムとカノアと薫、そして委員長が落とし穴に落ちた。
「ざまぁみやがれ!
俺様を馬鹿にしたことを、落とし穴の底で後悔しろ!」
確信犯だわ。
あとで一発殴ろう。
そう考えている現在も落下中である。
私は、《時空間収納》から、剣を5本出して《剣舞》で操って全員を剣の上に乗せる。
委員長と薫がとんでもなく驚いているが、無視する。
上を見ると落とし穴が塞がってしまっているので、下に降りていくと横穴が開いているのがわかった。
私達は、横穴に入っていった。




