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勇者から逃げだした聖剣  作者: 黒一忍
第五章 ライゾの街
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第37話 なんであなた達がここにいるのさ!

 カノアに乗って、私達はライゾの街の近辺まで飛んできた。


 空の旅はやっぱり怖いけど、楽しいとも思っている。

 障害物も無いので早くて、風を切る感覚がとても気持ちいい。

 とはいえ、風魔法を常に使って風避けしないと、風圧で飛ばされてしまうから危険なんだけどね。


 ライゾの街に入街するときに、ギルドタグを見せたら、門番が1人恐らくギルドに向かって走っていった。


 少しだけ待っていると、ギルドの職員が来て、

「あなた達に会いたがっている人達がいるので、会ってもらえませんか?

 龍の国(ドラウ)を救ったパーティーの皆様。」

 どうやら名前とタグの情報でばれたようだ。


「救ったのは龍の国(ドラウ)にいた冒険者のみんなで、ですよ?」

「あなた達がほとんど倒してしまったと龍の国(ドラウ)のギルドの職員から聞いていますが?

 それに、オークジェネラルを倒したのはあなた達じゃ無いですか。」


 それは、そうなんだけど…。

 でも、私達に会いたがっているなんてどんな人達なのかな?

 私は少し考えたけど、特に思い浮かぶ人も居なかったので、ギルド職員に案内されてギルドに向かった。


□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□


 ギルド職員とギルドに入り、ギルド職員に部屋に案内される。

 《剣域》で確認すると、15人の男女なのがわかる。

 歳も若い感じがする。

 ついでに嫌な予感がする。


 私は、扉を開けて中を覗いた………瞬間に扉を閉める。


 なんで、元クラスメイト達がここにいるのさ!

 逃げたい、凄く逃げたい…!

 しかし、ギルド職員に案内されて来てしまったので、ここで顔を出さないと面倒なことになりそうだ。

 《剣域》でも、壁越しだと少し精度が落ちるので、クラスメイトだと気が付けなかった。



 私は覚悟を決めて、マーガムとカノアを一回抱きしめて、私の名前を言わないように言っておいてから、扉を開けた。


「…どうも。」

「はじめまして、私達は異世界から来た勇者です。

 本日は、いろいろ聞きたくてこちらに来てもらいました。」

「…ソウデスカ。」

 委員長が自己紹介をしてきたが、別に異世界の勇者なのは知ってるし、いろいろ聞くって、まさか私が海那じゃないか、とかじゃ無いよね?


「まずは、どうすれば強くなれますか?」

 私的には、努力と、気合いと、根性をおすすめしたい。

 ただ私よりもカノアの方が適切に答えられると思う。

 私は最初から強かったし、マーガムはパワーレベリングと猛特訓で強くなったから、他の人とは強くなる工程が違う。

 その点、カノアは長い年月生きてきて、それで強くなったのだろうから答えられると思ったのだ。


「カノアお願い。」

「ん? わしか?

 まぁいいが、強くなる方法は人によると思うが、わしの場合は死闘を繰り返すことだったのぅ。」

 しまった。

 誰も参考にならないな、これは。


「死闘とは、どのような?」

「例えば、龍王に喧嘩を売るとか、かのぅ?」

「えぇ…。」(全員カノアから少し離れる)

 凄いなカノア、勇者を引かせたぞ。


「あなた達のレベルはいくつですか?」

「それは、答えないといけないですか?

 冒険者のレベルを聞いたりするのは、マナー違反でしょう?」

「それは、そうなのですが…。」

 まぁ、一番低い私のレベルなら教えてもいいかな?

「マーガム、カノアどうする?

 私のレベルだけ教えようかと思うんだけど。」

 私は、振り返ってから2人に聞いた。

「まぁ、お主がいいなら教えてもいいのではないかのぅ。」

「僕もそう思います。」


 私は委員長に向き直り、

「私のレベルは120です。」

 とだけ答えた。


 すると、委員長が首を傾げる。

「すみません、それは本当ですか?

 私達は、前衛系の職業(クラス)の人がレベル300を越えていますが、あなた達のような事は出来ません。

 本当にそのレベルですか?」

「しつこい、ステータス見せるから確認すればいい。」

 私はすこし不機嫌になりながら、委員長にステータスのレベルだけ見せる。


 ステータスは、表示する項目は編集出来るけど、数値を変えることは出来ない。

 マーガムのスキルの《身体強化》などで、数値が増えてもステータスに()で表示されるだけなのだ。


 なので、委員長は一応納得してくれたようだ。


 しかし、厄介なのがここには居た。

 ここには、私が脱出した時に王城に残っていたクラスメイトと薫がいるのだ。

 ならば、()()()()


「なら、俺と戦えよ。

 お前が強ぇってことを証明しろ。」

 そう、タクトがいるのだ。


 そして、戦えって台詞を聞いて、カノアがそわそわし始める。

 戦闘狂が顔を出したらすぐにこれだ。

 私はカノアを落ち着かせることにした。

 その間もタクトは言いたい放題言ってくれている。


 さすがに、反論しようとすると、

「あなた、失礼すぎませんか?

 僕が、あなたと戦います。」

 マーガムが先にキレてしまった。

 そして、マーガムがステータスを表示する。


 それも全て。

 私は、驚いてマーガムを見る。

「大丈夫です。

 僕はこの人達には絶対に負けませんよ。

 でも、あの人以外には、ですけど。」

 そう言って、薫を指差すマーガム。


 薫は、マーガムが負けないと言い切れない程に強いのか。

 薫、成長したな。

 私が居なくても強く生きてほしい。


 私達が先に部屋を出て、ギルドの地下の訓練場に向かう。

 あそこならば、かなり無茶しなければ大丈夫だろう。


 後ろのクラスメイト達は、ずいぶん悪い雰囲気だが、大丈夫だろうか。

 そんな事を考えながら、私達は地下の訓練場にたどり着いた。

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