第37話 なんであなた達がここにいるのさ!
カノアに乗って、私達はライゾの街の近辺まで飛んできた。
空の旅はやっぱり怖いけど、楽しいとも思っている。
障害物も無いので早くて、風を切る感覚がとても気持ちいい。
とはいえ、風魔法を常に使って風避けしないと、風圧で飛ばされてしまうから危険なんだけどね。
ライゾの街に入街するときに、ギルドタグを見せたら、門番が1人恐らくギルドに向かって走っていった。
少しだけ待っていると、ギルドの職員が来て、
「あなた達に会いたがっている人達がいるので、会ってもらえませんか?
龍の国を救ったパーティーの皆様。」
どうやら名前とタグの情報でばれたようだ。
「救ったのは龍の国にいた冒険者のみんなで、ですよ?」
「あなた達がほとんど倒してしまったと龍の国のギルドの職員から聞いていますが?
それに、オークジェネラルを倒したのはあなた達じゃ無いですか。」
それは、そうなんだけど…。
でも、私達に会いたがっているなんてどんな人達なのかな?
私は少し考えたけど、特に思い浮かぶ人も居なかったので、ギルド職員に案内されてギルドに向かった。
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ギルド職員とギルドに入り、ギルド職員に部屋に案内される。
《剣域》で確認すると、15人の男女なのがわかる。
歳も若い感じがする。
ついでに嫌な予感がする。
私は、扉を開けて中を覗いた………瞬間に扉を閉める。
なんで、元クラスメイト達がここにいるのさ!
逃げたい、凄く逃げたい…!
しかし、ギルド職員に案内されて来てしまったので、ここで顔を出さないと面倒なことになりそうだ。
《剣域》でも、壁越しだと少し精度が落ちるので、クラスメイトだと気が付けなかった。
私は覚悟を決めて、マーガムとカノアを一回抱きしめて、私の名前を言わないように言っておいてから、扉を開けた。
「…どうも。」
「はじめまして、私達は異世界から来た勇者です。
本日は、いろいろ聞きたくてこちらに来てもらいました。」
「…ソウデスカ。」
委員長が自己紹介をしてきたが、別に異世界の勇者なのは知ってるし、いろいろ聞くって、まさか私が海那じゃないか、とかじゃ無いよね?
「まずは、どうすれば強くなれますか?」
私的には、努力と、気合いと、根性をおすすめしたい。
ただ私よりもカノアの方が適切に答えられると思う。
私は最初から強かったし、マーガムはパワーレベリングと猛特訓で強くなったから、他の人とは強くなる工程が違う。
その点、カノアは長い年月生きてきて、それで強くなったのだろうから答えられると思ったのだ。
「カノアお願い。」
「ん? わしか?
まぁいいが、強くなる方法は人によると思うが、わしの場合は死闘を繰り返すことだったのぅ。」
しまった。
誰も参考にならないな、これは。
「死闘とは、どのような?」
「例えば、龍王に喧嘩を売るとか、かのぅ?」
「えぇ…。」(全員カノアから少し離れる)
凄いなカノア、勇者を引かせたぞ。
「あなた達のレベルはいくつですか?」
「それは、答えないといけないですか?
冒険者のレベルを聞いたりするのは、マナー違反でしょう?」
「それは、そうなのですが…。」
まぁ、一番低い私のレベルなら教えてもいいかな?
「マーガム、カノアどうする?
私のレベルだけ教えようかと思うんだけど。」
私は、振り返ってから2人に聞いた。
「まぁ、お主がいいなら教えてもいいのではないかのぅ。」
「僕もそう思います。」
私は委員長に向き直り、
「私のレベルは120です。」
とだけ答えた。
すると、委員長が首を傾げる。
「すみません、それは本当ですか?
私達は、前衛系の職業の人がレベル300を越えていますが、あなた達のような事は出来ません。
本当にそのレベルですか?」
「しつこい、ステータス見せるから確認すればいい。」
私はすこし不機嫌になりながら、委員長にステータスのレベルだけ見せる。
ステータスは、表示する項目は編集出来るけど、数値を変えることは出来ない。
マーガムのスキルの《身体強化》などで、数値が増えてもステータスに()で表示されるだけなのだ。
なので、委員長は一応納得してくれたようだ。
しかし、厄介なのがここには居た。
ここには、私が脱出した時に王城に残っていたクラスメイトと薫がいるのだ。
ならば、奴がいる。
「なら、俺と戦えよ。
お前が強ぇってことを証明しろ。」
そう、タクトがいるのだ。
そして、戦えって台詞を聞いて、カノアがそわそわし始める。
戦闘狂が顔を出したらすぐにこれだ。
私はカノアを落ち着かせることにした。
その間もタクトは言いたい放題言ってくれている。
さすがに、反論しようとすると、
「あなた、失礼すぎませんか?
僕が、あなたと戦います。」
マーガムが先にキレてしまった。
そして、マーガムがステータスを表示する。
それも全て。
私は、驚いてマーガムを見る。
「大丈夫です。
僕はこの人達には絶対に負けませんよ。
でも、あの人以外には、ですけど。」
そう言って、薫を指差すマーガム。
薫は、マーガムが負けないと言い切れない程に強いのか。
薫、成長したな。
私が居なくても強く生きてほしい。
私達が先に部屋を出て、ギルドの地下の訓練場に向かう。
あそこならば、かなり無茶しなければ大丈夫だろう。
後ろのクラスメイト達は、ずいぶん悪い雰囲気だが、大丈夫だろうか。
そんな事を考えながら、私達は地下の訓練場にたどり着いた。




