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勇者から逃げだした聖剣  作者: 黒一忍
第一章 勇者からの脱出
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第4話 勇者(元クラスメイト)からの脱出計画

 自由に動かせる紐を付けてから、何日か経過した。

 ついにタクトが私を投げ捨てる度に、毎回毎回、回収していた委員長がキレた。


「ちょっと!なんで毎回投げ捨てていくのよ!」


 タクトは、怒っている委員長に対してだるそうに、

「だってこの剣、素材は最高峰なのにスキルが付いていないんだぜ?

 それに最近よくわからん紐が生えたが、それがスキルによるものでも微妙だろ?

 勇者の俺が使う剣じゃねぇな。」


 どうやらタクトの中では、スキルが付いていないとクソらしい。

 まぁ、だいたい分かってたけどさ。


「だから、使えないもんをどう扱おうが俺の勝手だろ!」


 そう言ってタクトが委員長を突き飛ばそうとする。


 しかし、委員長は職業(クラス)が騎士であり防御力だけならばタクトに勝っているようで一歩後ろに下がるだけだった。

 タクトがその事実に苛ついて王城に帰っていく。


 それにしても私のせいでクラスメイトの雰囲気は、だいぶギクシャクしているようだ。

 実際、クラスメイトの王国と契約した者と契約していない一部の者が委員長派とタクト派に別れていて、

 それ以外の契約していないクラスメイト(薫を含む)はすでに王国から出ていき、自己責任で生きているらしい。


 私としてもタクトの派閥は私を雑に扱うし、

 かといって委員長の派閥には、そもそも私を持てるものがいない。

 私の装備条件は、〈剣を扱うことに関して補正をかけるスキルを保有している〉というものであったからね。


 とりあえずこれ以上悪化する前に、さっさと脱出しよう。


□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□


 まずは脱出計画だけど、


 1、脱出する際には、身代わりを置いていかないとすぐばれて王国から出られなくなる可能性があるので身代わりの剣の確保が必須。

 これは武器変化で作れば素材は変えられないにしても同一形状、同一の色にはできるから最悪、素材を鈍器と認識したらおそらく、変化させられるだろう。


 2、脱出する際に武器変化で人型になる必要があるのだが、ぶっつけ本番なので心配ではある。


 3、脱出するための兵士やクラスメイトの動向の把握と脱出ルートの確保もしないといけない。


 4、国の位置などの把握も必要かな。

 逃げだした後にどこに行くかも決めないとね。



 まずは身代わりの確保だな。

 これは王城にいるときに他の剣といっしょに置かれるから一本貰おう。


 しっぽ代わりの紐を操り剣を掴む。

 そして《武器変化》を使用する。

 あとで剣を聖剣もどきにするので剣を包むように私を超極薄で整形する。

 イメージとしては、マトリョーシカのような感じかもしれない。


 これで明日剣を聖剣もどきに変化させれば、身代わりに関しては完成する。


 クラスメイトや兵士の行動パターンを大まかに把握出来始めて、脱出するタイミングを考えていると、いいことに気がついた。


 タクトが私を投げたときに、小型の生物兵器になればいいのではないだろうかと。


 小型の生物兵器で思い付いたのが、某アメコミに登場する蜘蛛だった。


 これならタクトによって、投げられたときに蜘蛛になってしまえば計画の2と3が短縮できるから、だいぶやり易くなるだろう。


 脱出ルートとか考えなくてもよかったよ…


 きっと3日後には脱出できるだろう。

 私はその時を不測の自体も予測しながら、いろいろと準備しつつ待った。

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