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勇者から逃げだした聖剣  作者: 黒一忍
第一章 勇者からの脱出
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第3話 現状の把握とスキル使用

 私が、タクトの元に戻されてから数日がたった。

 あれからも魔物と戦い、クラスメイト達のレベルもいくつか上がり、クラスメイト達の会話を聞くことによって状況をある程度掴めていた。


 さらに聖剣の方にスキルの表示がなかったのでスキル使えないかと思ったけど、どうやらスキル無しに見せるための偽装のようだった。

 まぁ、私自身に効果のあるスキルしか覚えていないので、どちらにしろ意味が無いのだが…。


 とりあえず情報をまとめていこう。


 1つ、

 クラスメイト達は勇者として召喚され、

 それぞれにスキルがいくつかと職業(クラス)が与えられていること。


 2つ、

 召喚自体は全員されたはずだが、何人かいないクラスメイトがいること。

 当然、この中に海那も入っている。


 3つ、

 契約魔法が存在し、一部のクラスメイト達が王様と[1年間世界のために働く]というかなりやばそうな契約をしていたこと。

 この中にタクトに委員長までもが入ってるらしい。


 最後に、

 私に使われた素材が王国の職業(クラス)鍛冶士の最高峰ですらわからない物だったこと。

 ちなみに武器変化の武具鑑定を使うと、【神鉄】と出てきた。


 【神鉄】

 上級以上の神のみが精製できる鉱石

 柔軟性と剛性に優れ、加工者の意思によって性質が決まり、人肌と変わらない質感にもなれる幻の鉱石


 お父さんの過保護を感じた。


 そして引っ掛かったことがある。

 〈それは人肌と変わらない質感にもなれる〉

 この文面だ。


 そしてお父さんが《武器変化》が絶対必要なスキルといったこと。


 これらを踏まえると、もしかして武器変化で人型をイメージできれば人に成れるんじゃないか?


 実行してみたいけどクラスメイト達がいるなかやるのは無理かな。

 それに1日に1回しか使えないというのがかなりネックだ。

 なにせ人型になった状態で身代わりの聖剣を作成しなければならないのにそれが出来ないのだから。


 ここ最近のタクトが私を扱う時のスキルぶつぶつがやばいのだ。

 そして上手くいかないと私を投げ捨てて、委員長が私を回収する、という日々が続いている。


 さすがに体力なんかは減らないけど精神的によろしくない、なので早急に脱出したいところではある。


 そして上原薫、まぁ普段薫って呼んでたから薫って呼ぶけど、

 薫は精神状態がかなり悪い。

 どうやら私がいないことでそうなっているようだ。

 クラスメイトの話の中では薫が私のことが好きだったらしい。

 確かに高嶺の花的な扱い(私自身は腫れ物扱いだと思ってた)になっていて、誰も話しかけてくるがなかった私に唯一話しかけてきたから相当だったんだろう。


 しかし、クラスどころか学校全体で話しかけて来ないのは、ファンクラブなんてものがあったからなのか。


 しかも、話しかけようとするものには制裁から注意などをする過激なファンもいたらしいので、薫はどんな目にあったんだろうかと心配になった。


 最近、その薫がすごい目で私を見てくるようになった。

 まさか、私が聖剣になっていることに気がついたのかな?


□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□


 ~数日後~


 私は武器変化を試した。

 聖剣自体はそのままで、柄頭にしっぽをイメージして紐をつける。

 すると紐が自由に動かせるようになった。

 さらに、神鉄の量が増えていた。

 どうやら自分から分離しない限りは、無制限に増やせそうな気がした。


 いきなり紐が付いたため、クラスメイトと王様が騒いでいたが、誰が付けたのか分からず、紐も取り外せないので、そのままにしてくれることになった。

 さすがに紐が外せないからと、斧を持ってきて降り下ろされた時には焦ったが、斧が弾かれて切れない、という結果になったのでよかった。

 よかったのだけど、紐の硬度はどうなっているんだろうか?

 あの斧もオリハルコンで出来た斧なので、かなり固いはずなんだけど…。


 そして薫の方は、

「召喚されたのが別の場所かもしれない。」

 という王様の言うことを信じて旅に出ていった。

 薫は、王様と契約していないので、走って王城を出ていった。


 あのすごい見てくるのはなんだったのかは、結局わからないままだった。

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