第2話 クラスメイトはみんな人間で私だけ…
前話で上原薫の特徴を入れ忘れていたので追記しました
《空間把握》を使い周りを見渡すと、私が台座の上に置いてあること、他にも金塊などがあることから、ここが宝物庫であろう場所なのがわかった。
お父さんに対して、説明を要求したいがそれは無理だろうな、などと考え時間を潰していた。
それから暫くして、王冠を被った初老の男性(恐らく王様)が扉を開けて入ってきた。
王様は私を慎重に持ち上げて、私にサイズがぴったりの鞘に収納し、私を持ったまま扉の方へ歩いていく。
王様が扉から出ると、鎧や神官の服を装備したクラスメイト達が一斉に王様の方を見る。
「それが、神が作り上げた聖剣ですか?」
クラスの委員長であり肩までかかる黒髪で気の強そうなメガネの少女北川 遥が王様にそう聞くと、
「そうじゃこれこそが、先日、神から託された聖剣じゃ。」
王様が私を掲げ告げる。
「お主らの中で、最もステータスが適している者にこの聖剣を託そう。
各自ステータスと唱えてみるのじゃ。」
クラスメイト達がステータスと唱えているので、ステータスと念じてみると、ステータスが表示された。
ステータス
名前 未設定
Lv1 職業剣姫Lv1 16才 女
HP2000 MP3000 SP1000
攻撃力 表示不可
防御力 表示不可
魔法攻撃力 表示不可
魔法防御力 表示不可
素早さ 表示不可
スキル
武器変化
高速回復Lv8
干渉無効
魔法
回復魔法Lv1
水魔法Lv1
光魔法Lv1
聖剣時ステータス
名前未設定
今まで流してきたけど私、聖剣なのか…。
とりあえずステータスほとんどわからないけど、名前は決めよう。
とりあえず人型の名前はミナにして…
聖剣時は月と海をローマ字にしてルシーナにしよう。
ステータス
名前 ミナ・ルシーナ
Lv1 職業剣姫Lv1 16才 女
HP2000 MP3000 SP1000
攻撃力 表示不可
防御力 表示不可
魔法攻撃力 表示不可
魔法防御力 表示不可
素早さ 表示不可
スキル
武器変化
高速回復Lv8
干渉無効
魔法
回復魔法Lv1
水魔法Lv1
光魔法Lv1
聖剣時
名前ルシーナ
あれ?
名前にも聖剣時の名前が入ってる?
しかも後から変更できないぞ?!
私が混乱している間にも、王様達の話は進んでいた。
「では、この聖剣をタクト殿に託そう。」
どうやら私はクラスメイトの金髪でいかにもヤンキーな風貌の増田 卓人の剣になるようだ。
受け渡される間もステータスを見ていると、職業にもスキルが付いていることに気がついた。
剣姫Lv1
剣域
自分と剣の届く範囲内すべてを認識できるようになる。
剣聖Lv1
剣装備時ステータスが2倍になり、
1秒がLv×2秒になるように思考速度を上げる。
限界突破Lv1
ステータスを一定時間2倍にする。
一定時間経過後ステータスが最大値の10%+(Lv×2)に減少する。
どういうことだろうか?
完全に勇者が持つスキルじゃないか…
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クラスメイト達が自分たちの部屋に戻ると、増田卓人が私を鞘から取りだす。
「なんて綺麗な白銀の聖剣なんだ」
増田卓人は感心すると同時に思う。
(この聖剣にはスキルが付きまくっているに違いない。
なら、自分が最強だ。)
実際には、ミナの人型にスキル等が付いているため聖剣時にはスキルがないので、他と違う点は、
とてつもない剛性と柔軟性を併せ持つ、通常あり得ない金属でできているため切れ味が落ちず、メンテナンスが不必要な点しかない。
それでも普通からすればとんでもない性能なのだが…
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クラスメイト達が森にやって来た。
どうやら私の試し切りと魔物の討伐を同時にするようだ。
暫く歩くとオークが6体で表れた。
すると増田卓人…、めんどいからタクトでいいや。
タクトがオークに向かって剣を振る。
すると振った地点から斬撃がオークに向かって飛んでいき、オークと近くの木を切り裂いていった。
私が驚いているとタクトも驚いたような声を上げた。
「元のスキルと威力があまり変わっていない?!」
どうやら聖剣を使ったからといってスキルの威力が上がる訳じゃないようだ。
まぁ、聖剣で直接攻撃するならば、威力は桁違いになるんだろうけど…。
そのあとタクトがまるで呪詛の様に小声で限界解放とか唱え始め、
暫くして呪詛のような小声がとまり、
私を地面に投げ捨てた。
「この剣はスキルが付いていないじゃないか!」
などと叫びながら王城に帰っていき、委員長が私を回収していった。