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勇者から逃げだした聖剣  作者: 黒一忍
第二章 ホゾンの街
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第15話 魔物四天王

 私達は、扉を開いてボス部屋に入った。


 しかし、ボスが出てくる気配がないので不思議に思っていると、


{最終階層}

{ここまで来れる人間がいるとはねー。

 私もさすがにびっくりだよ!

 まぁここが最後で最難関だから、頑張って逝ってね!

 クリア条件はすべてのモンスターの討伐!

では、今からウェーブ1スタート!}


 こんなことが書かれた看板が出現した。

 しかし、これクリアさせる気が無いやつではないかと思うんだけど?

 あと、ウェーブって何ウェーブまであるのかな?

 そんなことを考えていると、笛のような音が鳴り、ボスが出現した。


 ボスは大量のキマイラだった。

 私はマーガムを抱え直し、マルムを背負う。

 キマイラを斬っていくが、巨体である上に、3つも頭が在るために、頭が落ちた程度では死ななかった。


「マルム、魔法合成で火魔法と風魔法を合成してもらってもいい?」


「わかりました。

 灼熱の風よ、今ここにすべての熱を解き放ち、風の如くすべてを撫でるように敵を焼き尽くせ、“バーストウィンド”」


 すさまじい熱量を持った風がすべてのキマイラに襲いかかり、キマイラの肌を焼き尽くしていく。

 しばらくすると、キマイラの再生力を上回ったのか、キマイラが次々と光に変わり、ドロップアイテムを落としていく。


 とりあえず魔石だけ回収しておく。

 すると、看板が出現し、


{まさかキマイラを突破するとはね!

 しかし、奴は四天王の中で最弱のモンスター!

 まだ君がクリアしたわけではないよ!

 それでは、ウェーブ2スタート!}


 またしても笛のような音が鳴り、ボスが出現した。

 ボスは、ベヒモスだった。

 それも大量の。

 しかし、すべてのベヒモスが斬ると大抵、光に変わるので、キマイラよりも全然楽だった。


 すると、また看板が出現した。


{君の攻撃力、とゆうかその剣、セコくないかな?!

 まぁ、次の奴は四天王の中で最もしぶといからね。

 君でもクリア出来るかわからないはずだよ!}


 読み終わるとまた笛のような音が鳴る。


 次のボスは、スライムだった。

 ただ色が真っ黒で、すごく禍々しい。


 スライムにはコアが存在し、それを壊せばスライムは倒せるらしいのだが、全体が黒いし、密度も高いので《剣域》で捕捉も出来ないので、スライムを斬って霧散させていきコアを砕くか、一撃ですべて消し飛ばすしかない。

 しかも、一撃でコアを砕く威力で斬らなければならない。


 私はオーガブレードに《武器変化》を使用する。

 イメージしたのは、とんでもなく巨大な剣。

 それこそ、50階建ての高層ビルと同じくらいの大きさのもはや剣とは呼べない代物だった。


 ちなみに刻んだ紋章は消えていた。


「重っ!」


 さすがに片手では、降り降ろすので精一杯だったが、スライムに直撃したので結果としては良かった。


 しばらくして、看板が再出現した。


{そのデカブツ何だよ!

 どっから出したんだよ!

 ここのクリア報酬要らないじゃんか!?}


 クリア報酬?

 ダンジョンにはそんなものもあるのか。

 貰っておいて損は無さそうだから、早く欲しいな。


{これが最終ウェーブ!

 これをクリアすれば、このダンジョンを制覇したことを認めよう!

 しかし、最後のボスは四天王最強!

 君にクリア出来るかな?

 では、最終ウェーブスタート!}


 笛のような音が鳴る。


 現れたのは、真っ黒な龍と黒の竜だった。


 私は超巨大オーガブレードに《剣舞》の紋章を刻んでから浮かせて、竜に向かって飛ばした。


 しかし、龍の指示なのか、多数の竜によって的確な受け流しがなされ、被害が最小限に抑えられてしまう。


 何度か魔法を撃ってみたけど、ダメージが通った様子は無いので、やはり物理で殴る…じゃなくて直接斬るしかないだろう。


 私の移動速度には、龍以外はついてこれないので、まず取り巻きの竜から片付けていこうかな。


 しかし、龍が直接出て来て私の邪魔をしてくる。

 だからといって龍に向かえば、竜達の集中砲火を浴びるので、戦況は硬直していた。


「《遠隔防御》!」

 マーガムが《遠隔防御》を使用して、盾を出現させて龍を止めてくれた。

 どうやら、【神鉄】で作った盾の防御力も加算された防御力になっているようだ。


 マーガムが龍を止めてくれている間に、私は竜を切り伏せていく。

 そして龍が盾を破壊した時には、竜をほとんど倒すことが出来た。


 龍が竜を倒された事によって激昂したのか、地面が破壊されるほどの咆哮を放った。


 私達は、咆哮を避けられずに吹き飛ばされる。


 私は《剣舞》で超巨大オーガブレードで竜を叩き斬っていく。

 竜の数が足りずに、受け流すことが出来ずに光になっていく。


 その間も、龍との戦闘は続いている。

 まさか聖刀で鱗しか斬れないとは、なんて頑丈な鱗なのか。


 竜は倒しきれたが、依然として龍の防御を突破しきれていないのだが、この後も戦闘が無いとは限らないので《限界突破》を使う訳にもいかない。


 なんとか、《剣舞》と《剣聖》と《剣域》を駆使して、龍を撃破しなければならないな。


 しかし、ステータスを2倍にして思考を4倍させて領域内を認識していても後少しが足りない。


「ミナさん!」


 マーガムが持たせていた聖剣を渡してくる。

 そしてマーガムとマルムが風魔法を使いながら離れていき、マーガムが《身体強化》と《獣化》してから、【神鉄】製の盾を構えた。


 あれならば充分に龍の攻撃にも耐えられるはずだ。

 私はマーガムを信じて、龍に向かっていく。


 マーガムから託された聖剣を左に、聖刀を右手に構え、さらに《剣舞》で超巨大オーガブレードを浮かせて、擬似的な三刀流の手数で龍を削りきろう。


「これなら対処できないでしょ!」


 私は《剣舞》でオーガブレードを操って突撃させ、左手の聖剣で龍の攻撃を防御してから、右手の聖刀で龍の鱗を削っていく。


 龍の腕の鱗を削りきったと同時に、頭上からブレスを吐かれる。


「あぶなっ?!」

 なんとか、避けるが射線上にマーガム達がいた。

 あわや巻き込まれてしまったかとも思ったが、マーガム達は無傷だった。

 マーガムのスキルと神鉄の防御力があって初めて防御できる、それほどに高威力、高範囲のブレスだった。


 私は一瞬だけでも龍の動きを止めるために、魔法を使用した。


 「“フラッシュ”」

 威力なんて無いただの目眩ましだが、それによって一瞬の隙を作ることが出来た。


 私は龍の腕を切断した。


 その後、手数が減って私の攻撃を捌けなくなった龍は徐々に削られていき、光に変わっていった。


 龍が消えた後に残ったのは、滅茶苦茶大きいサイズの魔石と、【鑑定のスキルオーブ】だった。



 そして、そのあとボスが出現することもなく、目の前に魔法陣が出現した。


 私はマーガム達と合流してから、魔法陣を起動させた。

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