最終話 エピローグ
みんながいたお陰で創造神に勝つことが出来た。最後の一撃に関しては管理者達の絶剣が私に力を貸してくれたからこそ放てた一撃であり、あの一撃の後から絶剣達が弱体化してしまい、もう虹の炎はしばらくは使えないだろう。
ただ、使える管理者権限は弱体化していないので戦おうと思ったら戦えるだろう。
そう思っていると《剣神》の認識範囲内に創造神が墜ちた場所から人が出てきた。創造神の可能性が高いので確認しないといけない。もしも創造神が無事だった場合はまた戦わなければならない。
みんなを危険には晒したくはないが、みんながいないと勝てないのでみんな一緒で確認しに行く。
創造神の墜ちた地点に向かうと、龍となった創造神が真っ二つで地面に中身が見えるように横たわっていて、右半身の頭の近くに人型の創造神とは見た目がかけ離れている少年が怯えたように私達を見ていた。左半身の近くに創造神の絶剣が落ちていたので回収しておく。すると少年が話しかけてきた。
「あなた達は誰ですか?」
「………えーっと………?」
私達の頭に?が浮かぶ。
「みんな、どう思う?」
少年に背中を向けてみんなに聞いてみるが、首を横に振るだけだった。
「………あなた、名前は?」
「………思い出せません………。」
記憶喪失?それだと、創造神本人なのか、それとも創造神から産まれた別の人間なのか、それとも創造神がまったく関係無い人間なのかがわからない。
この少年がどういった人物なのかはわからないが、このまま放置するのも危険………というか、この世界には食べ物とかなさそうなので一緒に連れていかないと餓死してしまうだろう。
「とりあえずここには食料とかなさそうだから一緒に行こうか。」
とりあえず私達と一緒にマーガム達が育ったガリアスの管理する世界に戻ってしばらく一緒に過ごした方がいいと思って提案してみると、少年は頷いて私の元に歩いてきた。
私は薫のスキル《意思あらばすべてを成す》を使った状態で空間を概念 斬撃で人が通れる大きさに斬り裂いてゲートを作り出す。
そのゲートに私が先頭で入りその後ろに少年がついてきてその後ろをマーガム達がついてくる。
ゲートの中で少年が行動を起こす場合を想定していたが、特に何かするでもなく私達はガリアスの管理する世界に戻ってきた。
戻った後、少年にいろいろと聞いてみたのだが、一切の情報は手に入らなかった。
だが、回収しておいた創造神の絶剣を取り込んで共鳴しようとしたときに、創造神の絶剣が少年に向かうように動き出したため、おそらく創造神の生まれ変わりか、記憶喪失か、だろう。
ちなみに創造神の絶剣は共鳴することは出来なかった。持ち主が少年だから拒否されているのかもしれない。
どちらにせよ、少年が創造神としての記憶を取り戻した時に世界を破壊しようとしないように世界の素晴らしさを理解してもらうために頑張ろう。
少年が記憶を取り出した時に私が生きているとは限らないのだから………。
だが、まず始めにすることがある。
「あなたの名前を決めたいんだけど、みんな案はある?私はジェネスがいいと思うんだけど……。」
そう、名前だ。いつまでも少年では呼びにくいのだ。
名前の案をみんなに聞いてみて、少年がそれから名前を選ぶ形で名前が決まった。
「ジェネスがいい………です。」
こうしてジェネスと私達の生活が始まった。
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部屋の一室、部屋の中を片付けていると、昔に撮った写真が目に写る。
私達が創造神と戦ってから20年が経過してその間に私達は様々な世界を見て回った。
日の落ちぬ世界、白銀に染められた世界、灼熱の世界など、管理者達が残した世界の一部だが、いずれは全ての世界を見て回るつもりだ。
途中でジェネスの記憶が戻ったりして世界を破壊しようとしたが、私達との旅の記憶などを思い出して踏み留まってくれた。
今はジェネスとしての人格が主人格として活動している。ジェネスがピンチの時だけ人格が入れ替わるような感じだ。
世界を見て回る途中で起きた中で大きな事件はそれくらいだ。
邪神や他の世界からの侵略なんかは頻繁に起きていたので大きな事件だと思わなくなっていた。
ちなみに私達は20年前から姿がほとんど変わっていない。とはいってもマーガムとディアス、そしてジェネスは成長したのだが、18歳くらいまで成長したら成長が止まってしまったので、今成長している仲間はいない。
「ミナさーーん!」
私を呼ぶ声がする外を窓を開けて見ると、そこにはマーガムをはじめとして私の仲間がみんな揃っていた。
私は写真を《時空間収納》に収納してから外に出る。
「じゃあ、行こうか!」
私達は次の世界に向けて出発したのだった。
手探りな状態で書き始めた本作でしたが、どうだったでしょうか?
私個人としては学ぶことが多くて書いて良かったと思いました。
反省点としては書くときにはもっと設定を詰めてから書かないとだめですね………。
まぁ、ともかく、祝、完結ということでここまで応援してくださった皆様、ありがとうございました。