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勇者から逃げだした聖剣  作者: 黒一忍
第三部 第一章 上位世界
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第24話 全力

「ほぅ?ほうほう………。まぁ待て、一旦観察させよ。」

 私の目の前まで創造神が近づき、私をじろじろと観察してくる。それに反応して迎撃しようとするが静止させられたのと、敵意を一切感じ取れなかったので観察される。

 しばらく観察したあと創造神は私から離れる。


「この時を待っていた………。ウォーミングアップも済んだことだし、移動しようか。」

 創造神がそう言うと私と創造神だけが転移し、ミニチュアが入ったシャボン玉のような球体が無数に宙に浮いている場所に転移した。


「それを見てみろ。だが、決して球体には触れるなよ?」

 創造神が指を指した先を見てみると、先程までいた世界で見た景色と同じ光景が映されていたが、ヒビが入るとすぐに粉々になって塵すら残さず消えていった。


「それは私が管理者共に与えた世界と管理者共が生み出した世界だ。」

 この全てが世界………。

 綺麗な光景だが、ここにある世界は果てしなく脆い。それこそ本当にシャボン玉のようだ。だが、そんな世界を私は創造神から守らなければならない。


「戦うんでしょう?なら場所を変えませんか?ここでは私は全力は出せませんから。」

「いいだろう。まぁここで戦闘はするつもりがなかったがな。」

 そう創造神が言うと、私と創造神だけが再び転移し、建物どころか地形すら無い平地が広がる場所に転移した。

 世界を破壊するつもりの創造神と世界を守りたい私とではあの空間での戦いやすさに圧倒的な違いがあるため、どうしてもあの場所での戦闘は避けたかったので場所を変えることが出来てホッとしている。


「では、始めようか!」

 そう言う創造神の手には無色の絶剣が握られていた。

 私も右手に聖炎大神剣(ヴァーン・レイテ)が絶剣となった聖煌大絶剣(ヴァーン・レイテ)を、左手には黒神剣(クロス)を装備して、さらに5000本の聖剣を《時空間収納(アイテムボックス)》から取り出して全てと《共鳴》することで強度などを飛躍的に上昇させる。


「っ!なるほどな。それがお前の戦いかたか!」

 《過程省略》によって創造神の背後に瞬間的に移動して概念 加速によって光速すら越えたスピードで首に向かって一閃する。

 だが、首にあたる部分だけが防御され、最小限の防御範囲で防御された。


「なるほどな。では、今度はこちらからいくぞ!」

 創造神が絶剣を一振りする。嫌な予感がして《過程省略》で剣が振られた直線上から離れる。

 すると直線上にあった逃がしきれなかった聖剣が塵すら残さず消えていく。


 何が起きたかはわからないけど、あの絶剣の攻撃は受け止めない方がいいだろう。どこかに飛ばされてしまうか、消滅しているのだろうから。


「不思議そうだな?これは別の時空間にとばしているだけだ。安心しろ。」

 創造神がそう言ったことで私の懸念が1つ消えた。

 だが、手の内の1つを明かした創造神はかなり自信があるのか、あせる様子は一切無い。


 創造神と私の攻防は激しく、なんとか相殺出来ていたが、まだ完全な全力ではないとはいえかなり厳しい。だが、創造神の顔にはまだ余裕が伺えるのでより速く、より強く戦いに望まなければならない。

 私は《限界突破》を発動すると共に管理者権限“王”を発動して仲間全員の力を一時的に貸してもらう。


 すると先程まで余裕があった創造神の顔から余裕が消え失せる。

 ここを好機として《過程省略》で一気に距離を詰めて聖煌大絶剣(ヴァーン・レイテ)を振り下ろす。

 絶剣と絶剣がぶつかり激しく火花を散らす。強制的に転移させられないのは、管理者権限 “闇”でブラックホールを生成して転移の瞬間だけ自分の回りに置いて転移するために必要な数値を壊すことでなんとか転移から逃れられている。

 だが、そんな曲芸じみた策はブラックホール自体を両断することでブラックホールが重力を失い消滅させられることで突破された。


 転移させられることを嫌い、創造神から一旦距離を離す。すると私の丁度死角から創造神の絶剣の剣先が私の頭に向かって突き出される。

 《剣神》の空間認識能力によって認識した瞬間、身をひねることで回避すると同時に聖煌大絶剣(ヴァーン・レイテ)を下から上に切り上げる。


 すると創造神にむかって聖煌大絶剣(ヴァーン・レイテ)から銀に煌めく炎が飛ぶ。

 炎が創造神に当たると創造神の顔に焦りが見え始める。

「お、お前、何を………、した?概念が使えなくなるなど、今までなかったぞ?!」

 概念を使えなく出来るのか………、今回始めて使用する炎だったからまだ私が知らないことがありそうだ。


 戦闘は私優位に進んでいるが、一瞬でも油断すれば一気に巻き返される程しか優位には立てていないので、相変わらず気の抜けない戦闘が続いた。

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