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勇者から逃げだした聖剣  作者: 黒一忍
第三部 第一章 上位世界
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第21話 No.1

「さて、今日で管理者との戦いは終わり。その後は創造神との戦いがまっています。準備は大丈夫ですか?」

 No.1が聞いてくるが、大丈夫だ。問題ない。と言ってはいられない。

 絶剣との同調はなんとか全て終わっている。

昨日戦ったNo.2とNo.6の絶剣も終了し、それぞれ闇(重力の制御)と光(光の制御)の絶剣で、どちらも4属性の絶剣と同じように対応する権限を持っていた場合、問答無用で制御することができる。


 全部で9本の絶剣と同調しているが、今から戦うNo.1は今まで戦ってきた管理者の中でも突出して強い相手だ。今の状態でも五分の戦いが出来たなら上出来というレベルではないだろうか?


 だが、負けるわけにはいかない。管理者が勝てなかった創造神を倒すことが出来る可能性があるのが私だけな以上、マーガム達家族を守るには負けられる訳がない。

 だから私はこう返す。

「絶対に勝ちますよ。」

 根拠や確証は無い。だが、確かな自信を持って告げる。


「いいでしょう。では、始めましょうか。これより、No.1とミナ・ルシーナの戦いを始めます。では………、始め!」

 No.1が開始の号令をかけると同時に概念 加速、そして《過程省略》を発動してNo.1の首を狙う。

 だが当たった手応えがあったにも関わらず、No.1に傷などが出来た様子は無い。

 疑問に思いつつNo.1と距離を取った。その時、私は状況を、その悪さを把握した。


 先程まで何もなかった平地に()があったのだ。それも1000や2000では無く、10万単位の軍がそこにあった。

 それだけなら問題は無い。だが、その全てが神剣を持っていたのだから話は別だ。

 確かに絶剣と神剣では明確な力の差があるが、神剣で何万回も攻撃されたなら流石に傷が付くだろうし、数で押されるのは流石に厳しい。その上で自由に動けるNo.1が攻撃してくることを考えると勝ち筋は無いに等しい。


 だが対抗案が無い訳ではない。

 《時空間収納(アイテムボックス)》から聖剣を2万本取り出してさらに《共鳴》を発動する。これによって聖剣全てが私と同じ絶剣とまでは流石にいかなかったが、神剣よりもやや高い性能となってある程度は対抗出来るようになった。

 ………やってみるもんだ………。

 共鳴した聖剣、共鳴聖剣を《剣神》を使い遠隔操作することで軍の進行を食い止める


 No.1の軍は4人1組で動いてくるため共鳴聖剣でも容易には崩せない。それに1ヶ所突破できても他の聖剣を壊しているチームが他のチームの加勢や突破した共鳴聖剣との戦いを始めてしまう為に一進一退だが、その数は両方とも確実に減っていた。


 私とNo.1がそれをただ見ている訳は無く、戦場の最後方から魔法や概念による攻防が繰り広げられていた。

 攻防がしばらく続けられると戦場にスペースが出来始める。

 それからは全てを出し尽くした攻防が始まった。


 私が絶刀(ヴァーン)絶剣(レイテ)の概念 光と炎を使い光剣と炎剣を絶剣(レイテ)で防御した時のカウンターや絶刀(ヴァーン)で攻撃した時の隙を埋めるために使う。

 光剣や炎剣がNo.1に当たろうものならばそれを概念 炎によって爆発させてから管理者権限“闇”を発動してブラックホールを発生させて超圧縮する。


 だが、爆発が起きてもその後のブラックホールもNo.1に当たっているはずなのにNo.1が無傷で攻撃してくる。

 謎の無敵状態に最初は無理だと思ったが、ずっと戦っていれば見えてくるものがある。

 No.1がダメージを受けた瞬間、No.1の生み出した軍の中の1人がNo.1が受けるはずのダメージを負ったのだ。これを見た私は何回か確認してNo.1がダメージを肩代わりさせていることに気がついた。

 諦めなければなんとかなるもんだ。


 ダメージの肩代わりを確認してからはNo.1の軍の掃討に私自身の戦闘に影響が無い範囲で意識を割く。

 だが、そんな私に恐ろしい一言が告げられる。


「そろそろ私も本気を出しますね?」

 そうNo.1が言った瞬間、突如空気が重くなり、それにより《剣神》で動かしている聖剣の動きが鈍くなる。

 さらにNo.1の軍の動きが明らかに良くなる。

 2つの要因が重なり均衡が崩れはじめる。


 迫りくるNo.1の軍、そして先程よりも強くなったNo.1、私はそれらを相手に窮地に立たされるのだった。

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