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勇者から逃げだした聖剣  作者: 黒一忍
第三部 第一章 上位世界
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第16話 No.7

 転移させられた私達の目の前にはやる気のなさそうな雰囲気の管理者が1人立っていた。

 遅刻かとも思ったが、管理者に限って自分のことが管理出来ないなんてことは無いと思うので、恐らく今回は1人だけなのだろう。


 私の方は同調が結局絶剣が2本、そして黒神剣(クロス)との同調が終わっただけだ。絶剣との同調はそこそこに出来たのだが、黒神剣(クロス)との同調が黒神剣(クロス)の属性に因るものなのか、なかなか出来ず、今の所“時間”と“精神”の絶剣が私と同調している。

 同調したことにより以前よりも私自身のステータスが上昇している気がする。


 だが、恐らく管理者も私が強くなっていることには気が付いているはずである。にも関わらず単独で私達と戦うのなら何か策があるはずなので慎重に戦いを進めていきたいと思う。


「では、ミナ・ルシーナ対No.7の戦いを始めます。今回もミナには速度制限を付けさせてもらいます。では構えて、………始め!」

 概念 加速を発動して速度制限まで速度を上げる。そしてNo.7の方を見ると………、


No.7が金の延べ棒を食べていた………。


 ………金の延べ棒って食べる物だっけ?いや、違うのはわかっているのだが、暴食、そう言っても問題無い程に食べまくっているので、そう思ってしまっただけだ。


 っと、一通り食べ終わった様でお腹を擦りながら立ち上がったNo.7だったのだが、その肉体に変化が現れる。

 細かった体は筋骨隆々になり、体格も2回り程大きくなった。そして目には先程までは一切見受けられなかった闘志が燃え盛っていた。


 まさか、まさかこれは伝説の………、金の力で超強化マネーイズパワーシステムだとでも言うのか………。


 そう考えて呆気に取られていると、私以上の速度でNo.7が接近してきた。

「っ!?速度制限要らないんじゃない!?」

 咄嗟に絶剣(レイテ)でガードし、絶刀(ヴァーン)で反撃をする。だが、確かに絶刀(ヴァーン)から攻撃が当たった手応えがあったのだが、No.7がいた位置から真っ二つになった金が落ちただけでNo.7は無傷だった。


 まさか………、No.7の所持金が0にならなければダメージを与えられないとか?となるとNo.7の持っている資産を全て削らなければならないということだろうか?

 いや、めんどくさいんだけど………。

 ただ、やらなければNo.7を倒すことが出来ないので、やるしかないのだが………。


 No.7の様子がおかしく、私に向かって突撃してくる様子が無いので私からNo.7に向かっていく。

 No.7が私が近付いていることに気が付いた頃にはもう既に私がNo.7の眼前まで接近していた。


 慌てて逃げようとするNo.7だが逃がす訳が無い。

 管理者権限“時間”を発動する。すると、私に背中を向けたNo.7がNo.7の前方から斬撃が発生して縦に一閃される。未来から過去に向けた攻撃を実行したのだ。そして帳尻を合わせる為に斬撃が発生させておいて、No.7を絶剣(レイテ)の概念 光によって作り上げた縄で縛り上げる。


 縛り上げたNo.7を観察してみるが、やはり外傷は一切無く、その変わりに真っ二つになったと思われる金の延べ棒が50本以上地面に転がっていることから、やはり取り込んだ金を自身の装甲として使用することが出来るのだろうと仮定した。


 しばらくすると、No.7が意識を取り戻した。意識を取り戻す前に金を削りきって倒しておきたかったが、そう上手くはいかないようだ。


 No.7が状況を素早く確認して脱出を図ろうとするが、光の縄をそう簡単に外れないように継ぎ目無しにしておいた為、No.7が脱出できる気配は無い。

 No.7が脱出しようとしている間も私は手を休めることなくNo.7を攻撃している。………第三者の視点から見たら確実にいじめ、もしくは暴力行為として見えるだろう。


 そんな状態がしばらく続いてようやく金では無く銀が出てきた。

 結構金が出て来ていたが、金に関してはようやく打ち止めのようで、No.7の顔色がかなり悪くなっている。


 No.7が覚悟を決めた顔つきになり、自分の手から高速で何かが射出され、それを食べたNo.7の肉体がボコボコと泡立ち始めたのだった。

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