第13話 光の速度で
すいません………
投稿前に寝てしまってました………
一方、レイテの戦いも激戦、そう言って差し支えないものだった。
レイテの放つビームや光剣がNo.4の操る銀色の風によって乱反射され、本来の威力からはかけ離れた威力になってしまっている上に、レイテが動く時には逆風が、No.4には追い風が吹いていてレイテとNo.4では現在出せる速度に差があった。
「っぐ!?」
No.4は防戦一方という訳ではなく、鎌鼬や風を圧縮した弾を打ち出してきている。
それらの一部が当たってレイテが吹き飛ばされるが、防御自体は出来ているのでダメージは無い。
しかし、近付くことが出来ず、得意な遠距離からの光による攻撃は銀色の風によって威力を弱めれてしまう。
レイテは光剣をいくつか生み出して1本を自分で持ち、残りをNo.4に向かって飛ばす。
飛ばした光剣は銀色の風に当たった瞬間乱反射され消えたが、レイテが持っている光剣は消えずに銀色の風の壁を切り裂くことに成功する。
レイテが知る由もないが、ミナとヴァーンそしてレイテこの3人は同一の存在であるが故にヴァーンとレイテはミナのスキルを使うことが出来たのである。しかしいくら同一存在でも概念や管理者権限まで使うことは出来ないのだが。
何はともあれ自分と繋がっている限り乱反射されることは無いと学習したレイテは生み出した全ての光剣と自分とを細い光の糸で繋いでからNo.4に向けて飛ばした。
すると乱反射の影響を一切受けることなく光剣が銀色の風によって作られていた壁を切り裂くことに成功する。
だが、No.4が黙って攻撃を受けるわけもなく、風を吹かせる方向を調整してレイテとの距離を一定以上近付けさせない。
しかし硬直状態が続くことがいいこと、という訳でもなく、相手に援軍が来てしまえば今の均衡は簡単に崩され、あっという間に倒されてしまうのは目に見えていた。
故に双方共に敗北するわけにはいかず、しかし、無理に攻めて相手のペースに乗ってしまうような失敗を犯さない冷静さをもっているのが不幸なのか、硬直状態はほぼ動くことなく時間のみが進んでいく。
(何か………何かあと1つあれば………。)
No.4に有効な攻める手段が現在自分と接続した状態の光剣による攻撃か自分自身が攻撃するかの2種類に限定されているレイテはあと1つ攻める手段があるのなら現在の状況を打破できる。そう考えていた。
そして時間だけが進んでいく内に気がついた。
もしかしたら、速度の限界を越えることが出来るかもしれないことに。
思い付いたらとりあえずやってみる。そういうミナの大雑把な精神を受け継いでいる訳ではないが、この状況を打破出来るのならば試してみる価値はある。
ミナならば、思い付いたらとりあえずやってみる。もし駄目ならその時はその時で考えればいいでしょ。と言って迷わずに実行するだろう。………もちろん起きたことに対する責任は取らなければならないが………。
光剣、その飛ぶ速度は人間の肉眼でギリギリ確認できるほどの速度でしか形状を維持出来ず、ビームだと光速で飛ばせるがその代わりに応用が聞かない。………ならば自身に光を纏わせてそれを動かせば光速で自分を動かせるのではないか。そんな馬鹿げた案を実行した。
所詮は思いつき、上手くいく訳もなく、時間だけをいたずらに消費した。だが、レイテは折れなかった。もう母さんの為にも折れる訳にはいかなかった。………のだが、他にいい案が一切浮かばず条件ややり方を変えて試すことしか出来なかった。
そしてレイテの執念により、ついに自身の光速化に成功した。
全身を均一に覆うようにしていた光を手足首に巻き付ける感じで範囲を狭めて最も速度が出したい位置のみを光速で動けるようにしてそれ以外の場所は薄い光で覆われることでレイテは光速での戦闘でも問題なく動けるようになっていた。
No.4が異変に気がつき、素早く防御を固めた。しかし、素早く程度では現在のレイテからすれば止まって見える程に遅い。故にすぐさまNo.4の背後に回り込み背中を殴打する。そのあと畳み掛けるように連続で攻撃していき、ついにNo.4が動かなくなっていた。
そして「はい、No.4が倒されました。他の皆さんは頑張ってくださいね。」というアナウンスが流れ、ようやくレイテの長い戦いは幕を閉じた。