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勇者から逃げだした聖剣  作者: 黒一忍
第三部 第一章 上位世界
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第11話 3対4

「では、戦いを始めたいと思いますが、その前にミナ・ルシーナの速度を制限させてもらいますね?」

 ………え?嘘でしょ?まさかのルールで長所を潰されるの?

 そう思っているのが顔に出ていたのか、No.1が補足してくる。


「私やNo.10以外にあの速度と戦えるような管理者はいませんから、仕方ない措置なんですよ。でも思考速度等の体を動かす以外の速度はいくらでも上げられるんで、存分に戦ってください。」

 そう言われると反論はしにくいのだが、そもそもあの速度で戦えないと創造神には勝てないんじゃ………?

 というか、だから今まで勝てなかったのかもしれないけど。


「では、No.3とNo.4、No.5にNo.8とミナ・ルシーナの戦いを始めます。」

「ちょっっっと待って!?」

 あれ?四連続とかの言い方じゃなかったよね?今のは、4人同時っていう言い方だったよね?

 期間が短くなった分、休みなしで管理者と戦うというのは予想していたが、まさか協力戦だとは思わなかった。


 そんなことを考えていると、呼ばれた管理者が次々に現れる。

 No.3は見た目背が小さく、ドワーフと同じように見える。No.4は背は高くエルフと呼ばれるとしっくりくる見た目だ。

 No.5は熱い男、そう言うのが適切(?)そうな体に炎が燃え盛っている男で、テンションがうざそうな印象を受ける。

 No.8はドラ◯エのような形の整ったスライムではなく、不定形のスライムの姿で間違いなく物理無効だろう。


「何か、問題ありますか?」

 ………あ、話が続いているのか。

「いや、なんで4人同時なんですか?そもそも連戦でいいじゃ無いですか!」

「それは………、めんd、いえ、あなたの速度を抑える空間を維持するのが難しいからです。」

 ………今、めんどくさいとか言おうとしてなかった?

 まぁ、とりあえずはそういうことにしておこう。ここで揉めてさらに厳しい条件になるのもいやだし。


「では改めて………、ミナ・ルシーナ対No.3、No.4、No.5、No.8の戦いを始めます。では、始め!」

 こうして3対4の戦いが始まった。


 先に行動を開始した私は概念 加速により上げられる限界まで速度を上昇させる。どうやら通常の5倍の速度が限界のようで、私からすればとんでもなく遅いがここが上限ならここで固定するしかない。


 ヴァーンとレイテそれぞれが人型になり、ヴァーンがNo.8に、レイテがNo.4との戦闘に入る。

 ヴァーンとレイテが戦うのは私の一部ということだからか、特に何か言われることが無かったので大丈夫なのだろう。


「さてと、私も戦わないとね。」

 残ったNo.3とNo.5を見てそう呟きつつ、自分の手を伸ばす感覚で絶剣を作り上げ、《過程省略》を発動してNo.5の背後に移動し《過程省略》を使った斬撃を放つ。

 ………が、地面が盛り上がり斬撃が塞き止められる。《剣神》の認識範囲内でNo.3が地面に手をつけていることからNo.3の妨害なのだと判断する。


 しかし、《過程省略》に間に合う防御が出来るのは少しマズイ。私の戦い方は《過程省略》を多用する戦い方が主体なので、その戦い方を変える必要がある。具体的には《剣神》の技術を総動員した戦い方だ。

 《剣神》の剣技には《過程省略》では省略できない物が多数存在し、それらの剣技は複雑なので私もそれ相応の集中をしなければ使うことができないのだ。


 《過程省略》を使いつつ、《剣神》の技術をフル活用する。

 《過程省略》を使い相手の背後をとり、《過程省略》を使った斬撃をしつつ、防御に盛り上がってきた土の壁を破壊するために剣技を使用する。

 見ただけでは絶剣をただ地面に対して垂直に振りそこから飛び出た斬撃波の一撃、だが実際は斬撃波に斬撃波が複数同時に発生しており、物体に衝突した瞬間、すべての斬撃波が同時に当たることで物体を確実に破壊することができる。

 故に、壁として盛り上がった土を切り裂きNo.5に攻撃が届く。


「よしっ!………ってそれありなの!?」

 せっかく攻撃が届いたにも関わらず、No.5が灰になったと思ったらその灰の中からNo.5が現れたのだ。

 ………不死鳥の持つ体質のようなスキルを保有しているということだろうか?


 どうやらNo.3とNo.5の組み合わせはかなり強固な防御のようだ。No.3も私が使用したさっきの剣技はもう警戒しているだろうからNo.3を捉えるのも至難の技かもしれない。

 私が硬直状態に陥っている時、ヴァーンとレイテの戦いは激化の一途を辿るのだった。

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