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勇者から逃げだした聖剣  作者: 黒一忍
第三部 第一章 上位世界
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第7話 管理者No.10

「早速始めてもらうけど、準備はいい?」

 そう言われて私は絶剣と呼ばれる恐らく最高の剣を手に持ち、最弱の管理者に向ける。

「大丈夫です。」

「早くしろ。」

「では、今からミナ・ルシーナとNo.10の殺試合を始めます。………始め!」

 こうして私と管理者(No.10)との殺試合が始まった。


 その瞬間、私を取り囲むように配置された剣や槍、鎌といった近接武器が私に向かって飛んできた。

 だが、既にこの管理者(No.10)の攻撃のパターンはわかっているので焦ることなく、すべてを《過程省略》を使って破壊することで無力化する。


 それと同時に概念 加速を使い管理者(No.10)と同じように時間が停止している状態で活動できるように私は速度を上げ続けた。

 その時、私は以前の戦闘との違いを認識することになる。

 どうやら加速の速度に違いがあるようで、前回よりも圧倒的に早く、そして《限界突破》すら使わずに時間の停止している状態にまで到達できたのだ。


 私の目の前で僅かに狼狽する管理者(No.10)。その隙を見逃す筈もなく、私は管理者(No.10)に向かって絶剣を横一閃に振り抜いた。

 管理者(No.10)が回避しようとするが、回避されるよりも早く管理者(No.10)を斬ることに成功し、私が先制攻撃出来た。………と思っていた。


 私の腹から血と共に管理者(No.10)の持つ絶剣が見えるまでは………。


 腹から見える絶剣を見た私は、痛いとか苦しいでは無く、私にも血が流れていたということにびっくりしていた。

 以前お姉ちゃんに攻撃された時には血は流れなかったのに、今回は流れている。

 恐らく絶剣になったことによる変化がここにも現れているんだろう。

 今も痛みと共に血が流れ続けているが、貧血になったりすることもなさそうなので、演出として考えた方がいいかもしれない。


「刺せた?刺せた!これで終わりだ!あはははははは!」

 私の腹を刺せたことにより、高笑いを始める管理者(No.10)。それを聞きながら私は腹に力を込めて絶剣を抜けないようにする。

 理論上私自身が絶剣なので、絶剣を固定することも可能なはずである。


 自分が持つ絶剣が動かないことに気が付いた管理者(No.10)がまるで化け物を見たかのような顔でこちらを見ているのを横目で確認しつつ、管理者(No.10)の肩を掴んでそのまま背負い投げで地面に腰から叩きつける。

 その際、絶剣が動いて私の傷口が拡がったが、《高速回復》のお陰ですぐさま塞がり再び絶剣を固定した。


 口から血を吐き、絶剣を手放した管理者(No.10)だったが、すぐさま態勢を整えると、私から絶剣を取り返そうと突撃してくる。


 冷静さを失っているのか、直線で突っ込んできた為、私は回し蹴りで応戦するとかかとがちょうど頬に直撃して管理者(No.10)が飛ばされ、ゴムボールのように地面を跳ねる。


 その間に私は自分の体で固定していた管理者(No.10)の絶剣を《武器創改造》を使って10cm程の球体にしてみた。

 まさか出来るとは思っていなかったが、物は試しにやってみたら出来てしまったので、嬉しい誤算だ。

 落とすといけないので、ひとまず私の体内に保管することにした。


 すると、自分の絶剣が無くなったことに気が付いたのか、管理者(No.10)が叫び始めた。

「おい!?俺の絶剣をどこにやった!?」

 本当のことを言ってもいいけど、少しだけ煽って見よう。まだ出せる力があるのなら私はそれを見てから倒したい。

 それが私が強くなるための気付きになるかもしれないのだから………。


「食べました。あれ?もしかして、絶剣がなかったら私と戦えないとか………、言わないですよね?」

 バカにしたようなスマイルもセットでお届けだ。

 この煽り文句とスマイルの煽りセットでぶちギレた管理者(No.10)だったが、特に違うことをしてくる訳ではなかった上に違うことである何も無い所からの攻撃も絶剣が無いため私に傷を付けることすら出来なかった。


 それを見て冷静になった管理者(No.10)は逃げた。

「俺を倒しても何の得にもならないだろ!?」と叫びながら。

 だが、エクス達を玩具にしたりした罰は受けてもらう必要がある。

 それに管理者を倒さないと強くなれないのなら、確実に倒す必要がある。


 私と管理者(No.10)の鬼ごっこが始まったが、決着は早々に着いた。

 どうやら管理者(恐らく)No.1によって逃走防止用の結界が張られていたようで、管理者(No.10)がその結界に張り付いて動けなくなっていた。

 恐らく結界にはトリモチのような特性が付与されていると思われる。


 私は結界に張り付いている管理者(No.10)の首を跳ねた。十分に管理者(No.10)に恐怖を与えることは出来たので、これ以上苦しむことが無いようにと思ってやった。


「はい、ミナ・ルシーナの勝利です。これで管理者権限“時間”が解放されたはずです。」

 ステータスを久しぶりに確認すると、いろいろと変わっていた。


ミナ・ルシーナ 絶剣 神

Lv表示不可 職業(クラス)剣姫Lv10 16才 女

HP計測不可 MP計測不可 SP計測不可

攻撃力 計測不可

防御力 計測不可

魔法攻撃力 計測不可

魔法防御力 計測不可

素早さ 計測不可


スキル

武器創改造

高速回復Lv10

干渉無効

魔帝

神化

神性開放

共鳴


贈与(ギフト)スキル

時空間収納(アイテムボックス)

魔力変換

未来予知

解封(ロック・アンロック)

相転移

鑑定

並列思考


職業(クラス)スキル

剣神

限界突破Lv10

極限突破

並列思考Lv10

過程省略

覚醒



魔法

回復魔法Lv10

火魔法Lv10

水魔法Lv10

光魔法Lv10

風魔法Lv8


概念

斬撃

加速


管理者権限

時間(絶剣保有)


 ステータスが軒並み計測不可になっているのだが、元のステータスがわかっていないので、問題は少ないかもしれない。

 スキル等に特に変化は無い。

 言われた通り管理者権限の枠が追加され、その中に時間が追加されていた。


 時間は過去に対して干渉できる権限のようだ。ただし、この権限を入手した時点より前には干渉出来ないようだ。

 絶剣保有というのはよくわからないが、管理者(No.10)の絶剣は私と徐々に融合してしまっているので、もう保有しているのかもあまり良くわからない状態になっている。

 まさか体の中に置いているだけで融合するとは思わなかったのだ。ただ何故か他の絶剣もこうして融合していった方がいい気が私はしていたのだった。

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