表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
勇者から逃げだした聖剣  作者: 黒一忍
第二部 第五章 聖邪戦争
131/168

第37話 衝撃の事実

 私が傷付いた神の治療をしていると、何も無かった空間からお父さんが現れた。


 邪神の襲撃の可能性もあったので、即座にヴァーンとレイテに剣形態になってもらい神刀(ヴァーン)神剣(レイテ)を構えたのだが、お父さんと視認したので構えを解いてお父さんの方に歩いていく。


「お父さん、どうしたの?服がボロボロなんだけど?」

 よく見ると身体に怪我はないようだし、それに気配が変わっていないので、洗脳などの精神攻撃の心配も無さそうだ。


 もっとも、そう思わせようとしてこの格好の可能性も無くはないので、すぐに戦闘が出来るように神刀(ヴァーン)神剣(レイテ)は武器のままでいてもらっている。


「海那、話がある。付いてこい。」

 そう言ってお父さんは自分の後ろに別の時空間へと続くゲートを設置してから、ゲートの中に消えていった。


 いや、ここで話せば良くない?

 わざわざ別の時空間に飛んでいく必要性を感じないんだけど、それほどまでに大事な話なんだろうか?そう思ってお父さんの後を追って私はゲートに入っていった。


 マーガム達に一言入れてから行きたかったが、ゲートがいつまで存在しているか等がわからない為、私1人で向かうことになった。


 その後を付いていこうとする影が2つあったのだが、ゲートに生体認証でも付いているのか、ゲートに入ることは出来ず弾かれていた。


 ゲートの先は、私が死んで転生するときにお父さんと話した場所と同じような空間だった。

謁見の間のような場所の椅子が1つだけ置いてある場所にお父さんは座っていた。


「それで?こんな場所に呼び出してまで、どれだけ重要な話なの?」

「………海那の母親の話だ。他の奴には聞かせられん。海那だけは巻き込みたくなかったが、真実を教えておく必要があるからな。」

 お母さんの話?

 今まで絶対にしようとしなかった話を今する理由がわからない…。


「なんで…、今、その話をするの?」

「海那には選ぶ権利があるからな………。俺()と一緒に復讐をするか、敵になるか、それとも無関係になるかを選択する権利がな。」

 どうして、お母さんの話をすることが復讐とか、お父さんの敵になるとか、無関係になる…恐らく絶縁する、という話になるのだろう?


「今回の戦争で、俺達の復讐は最上級上位の神を俺と海那以外を消滅させたことでほとんどが完了している。残るは創造主ただ1柱。」

「まさか………、今回の戦争、仕組んだのは………。」

 お父さん………なの………?


「………。」

 違っていて欲しい。そう思ったがお父さんが首を縦に振って肯定してしまった。


「嘘でしょ………?」

 思わずそう呟くが、お父さんが嘘をついたことは私に対しては無かったから、受け入れるしかない。


 ただ、確かに邪神が出て来てから他の空間に転移するまでの時間がかなり短かったような気はしていた。

 邪神が来ることがわかっていたから、事前に準備をしていたのかもしれない。

 それも他の神にバレないように…。


 となると、お父さんの協力者は………、暗滅主しかいないだろう。

 暗滅主なら邪神の頂点だから邪神を従えて今回の戦争を引き起こすことも簡単だろう。


「………暗滅主が協力者、なんだよね?」

「そうだ。」

 これだけを聞いていると、完全にお父さんは私の、いや、世界の敵になる。

 そして、このことから目を背ければ無関係になるといった具合だろう。


 だが、復讐する理由がわからない。


「1つ、先に言っておくと、暗滅主のアンスはお前の姉だ。」


…。


……。


………?!

 あの暗滅主、私のお姉ちゃんなの?!


 いや、でも私にお姉ちゃんがいたような記憶は一切無い。

 だが、お父さんが嘘をつく必要のないことなので、恐らく本当にお姉ちゃんなのだろう………。


 複雑だ。

 お姉ちゃんがいたのは嬉しいのだが、私そのお姉ちゃんに槍で刺されたりしたから、若干の恐怖もあるのだ。


「海那が覚えて無いのも無理はない。アンス…地那(ちな)が死んだのは地那が6歳の時、今から13年前だからな。」

 私が3歳の時か…。


 ………あれ?

 昔、お母さんのことについて聞いた時、唯一教えて貰えたお母さんが死んだ年と一緒だ。

 まさか、お母さんと一緒に死んでしまったとか?


「俺が弱かったせいで、2人とも死んでしまった。だが地那だけは俺が管理する世界の1つに転生させることが出来た。」

 つまり、お姉ちゃんだけは転生することが出来たのか………。

 目の前で親が殺されたのを覚えたまま…。


 それがどれだけ辛いことかは、私にはわからない。

 ただ、私がお姉ちゃんの立場なら、きっとまともではいられないだろう。


「海那、お前に今から話すのは、お前たち姉妹の強さにも関わる話だ。よく聞いておいてくれ。」

 そう言うとお父さんはお母さんのことについて喋り始めた。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ