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勇者から逃げだした聖剣  作者: 黒一忍
第二部 第五章 聖邪戦争
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第36話 復讐

普通の邪神との差別化で第32話に出てきた特別強い邪神を強邪神と呼ぶようにして該当箇所を修正しました。

~月島 空視点~


 強邪神の強力な攻撃をギリギリで防いでいると、他の神がなんとか勢いを取り戻し、こちらが優勢になった。


 だが、それがいけなかった。


 俺が今のところギリギリで防いでいた攻撃の威力が強邪神の怒りによってかさらに上昇し、遂に俺が防げない威力になってしまった。

 その攻撃の一部が他の神に向かって飛んでいった。


 ギリギリで神が反応して防御障壁を展開したが、そんなものは無意味と言わんばかりに防御障壁を貫通していき、それに被弾した神が全て消滅した。

 これは持久戦なんて狙っていたら全滅もあり得る。

 他はどうでもいいが、俺が死ぬのはお断りだ。


「………ふぅ。」

 強邪神の敵意が他の神に向いたのを確認した俺は、少しだけ休憩する。

 休憩といっても何もしない訳ではなく、休憩という名目の準備だ。

 俺には短縮系のスキルが無いから、《時空間収納(アイテムボックス)》からあらかじめ作っておいた武器を持ってくる必要がある。


 強邪神が今よりも強くなった時の為に、最上級の武器を1つだけ持ってくる。

 強邪神にならば、奥の手は必要無い。

 むしろ奥の手は強邪神を倒した後の最終決戦に必要になるだろう。


 弾自体は俺の持つスキル《自動装填》によって精製・装填されるので、気にする必要は無い。

 それにやろうと思えば先程までやっていたようにハンドガンの弾をショットガンの弾のように撃ち放つことができるので、武器を変える必要は無いと思うかもしれないがそれは違う。


 武器毎に得意とする戦闘方法や距離が異なる上に、全ての武器にその武器に合ったスキルが付与されているので、武器を変える必要は必ず出てくる。


 とりあえず今回はいつも使うハンドガン、それからショットガンとマシンガン、それからサバイバルナイフを使う事にする。


 オールラウンドなハンドガン、ショットガンは近距離広範囲殲滅型、マシンガンが単体連射型、サバイバルナイフは超近距離迎撃用だ。


 それらを全て準備し終わった時、他の神も邪神も数をかなり減らして、ようやく強邪神の敵意がこちらに戻ってきた。


「………早く、消えろ。」

 ぼそりと呟き、強邪神に向かってショットガンを撃ち放つ。

 ショットガンから飛び出した弾は途中で分裂し、分裂した弾からさらに弾が分裂して壁のように広がりながら、強邪神に向かって飛んでいく。


 強邪神が自分だけを守るように矢を放つ。

矢が巨大化し強邪神だけを守り、それ以外の射線上にいた神や邪神が弾の壁に牽かれていった。

 もちろん威力は並みの神や邪神では耐えきれないような威力ではあるが、神はほとんどが最上級なので問題は無いだろう。


 俺は結果を確認してから舌打ちをする。

 結果として巻き込んだ神も邪神も消滅しなかったのだ。


 結果を確認すると同時にマシンガンに持ち替えて強邪神に向かって連射する。

マシンガンは銃身が焼けない範囲なら1秒間に10万発連射可能で、銃身が焼いてもいいなら1秒間に1000万発連射可能なマシンガンだ。

 銃弾は全て神鉄で出来ているので、俺と同じ階級の神でも上手く当たれば30秒あれば消滅させることができる程の威力が出せる。


 強邪神に向かってマシンガンを焼けない範囲で連射すると、強邪神はそれをさっきと違い避け始めた。


「逃げ…るな!」

 マシンガンを右手に持ち替えて、ショットガンを左手で構え強邪神に向かって撃ち放つ。


 すると強邪神は先程と同じように矢を巨大化させて迎撃しようとするが、同じ手を2回もくらう俺では無い。


 巨大矢の先にいる強邪神に銃口を向けてからマシンガンを銃身が焼ける連射速度で連射する。

 すると、巨大矢を貫通して強邪神にマシンガンの弾がヒットした。


 銃身が焼けて弾が出なくなってようやく、俺は引き金を引くのをやめた。

 マシンガンはしばらく使わなければ銃身が勝手に回復するので、ひとまずハンドガンに持ち替えておく。


 改めて確認した強邪神は風穴が空きまくった身体になっていて、もはや力を入れようとしても入らない状態だった。


 周りの神が俺の勝利だ!と言っているがまだ戦闘中なので気を抜くようなことはしない。


 そうして警戒しているとようやく力尽きたのか、強邪神が地に倒れた。

次の瞬間、強邪神の身体が一瞬で収縮した。


 俺は嫌な予感を感じて、慌ててハンドガンをしまい、サバイバルナイフを構える。

 サバイバルナイフには万が一のことを考えて身代わり機能が付与されていているので、致命傷を受けたとき自分の受けたダメージをサバイバルナイフに押し付けることができる。


 とはいえ、サバイバルナイフはこれを含めて3本しかないので、もったいないとも思うが、生き残る為にはしょうがない。


 そして嫌な予感は的中した。


 強邪神の身体が爆発し、周囲一帯を消し飛ばした。

 さすがにこの空間を吹き飛ばすまではいかなかったが、それでも範囲内にいたほぼ全ての神と邪神が死に絶えた。


「ごほっ、ごほっ、ひとまず空間が壊れなかったのは良かったな………。」

「そうだな、まさかあんな手を使ってくるとはな。どうやら俺達しか残っていないようだぜ?」

 ………!?

 まだ神にも生き残りがいたのか………。

 ………?こいつ、ここに転移してきた時に俺に話しかけてきた奴か。


「さっさと学校に戻って残してきた生徒共を助けてやろうぜ。」

「その前に、どうやって生き残った?」

「霊体化したんだよ。それで威力をほとんど受け流した。」

 なるほど、幽霊系統の神か………。


 生き残りの神が俺に転移するように急かしてくるので、転移するのは力の消費がデカイから、ゲートを開く。とだけ伝え、ゲートを開いた。


 そして生き残りの神がゲートに入ろうとした瞬間、生き残りの神の後ろからマシンガンを連射する。


「………な、なんで………。」

「最上級上位の神と今の創造主は絶対に許さない。」

 あの時、俺の嫁であった本当の創造主を見殺しにしたお前ら最上級上位の神と直接手を下したそう呼ぶのも忌々しい偽の創造主を許す訳がない。


 邪神になることなく、今まで耐えて来たのは時が来るのを待っていたからだ。

 流石の俺でも神全てを敵に回して勝てるほど強くは無い。


 だから邪神との戦争が起こるように暗滅主を手引きした。

 戦争の最中なら誤射や事故で殺しても大丈夫だしな。


 だから、さっきのショットガンで誰も消せなかったのにはイラついた。

 だから、強邪神には感謝するべきだろう。

 俺を消耗させはしたが消耗の許容範囲内で最上級の上位を消し飛ばしてくれたんだから。

 

 唯一残ったこいつも自分のスキルを答えてくれたおかげで、随分楽に殺すことが出来た。

 さて、残るは偽の創造主のみだ。


 だが決戦に向かう前に、海那にだけは真実を伝えておく必要があるだろう。

 俺は海那の元へと転移した。

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