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勇者から逃げだした聖剣  作者: 黒一忍
第二章 ホゾンの街
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第11話 ホゾンのダンジョン

 私達は、ダンジョンに入る手続きをするためにギルドに来ていた。


 受付嬢に、「ダンジョンに入りたいんですけど…」と言ったら簡単に手続きしてくれた。


 Bランクになると、さまざまな手続きが短くなるようだ。


 ギルドがダンジョンを監視しているらしく、ギルドで手続きしないと、ダンジョンに入れないのだ。

 ちなみに、ホゾンのダンジョンはモンスターがかなり多く出現するらしいので、溢れないように監視しているらしい。


 受付嬢に案内されて、ダンジョンの入り口まで来た。


 そこには、結構な数の冒険者達がダンジョンに潜る光景が広がっていた。


 私達も、冒険者達に続いてダンジョンに潜った。


 いくつかに道が別れて、それぞれに冒険者達がパーティー毎に別れていく。


 私達も、前の冒険者が入った道と違う道に入る。


 そしてしばらく進むと、オークが9体出現する。

 オーク達の手には、剣や弓、杖が装備されている。


 私は、マーガムを左手で抱えて、マルムをおんぶした状態で、オークを刀で壁に向かって叩きつける。


 すると、絶命したのか光になって消えていく。

 その光景に驚いていると、オークを倒しきった後、マルムが説明してくれた。


「ダンジョン内では、モンスターは死ぬと光になってからドロップアイテムを落とします。

 これは、ほとんどの物をギルドが買い取ってくださるようです。

 人間が死ぬと、死ぬ際の意思によってですが、霊魂石と呼ばれる特殊な金属になります。

 霊魂石が使われた武具は、所有者を選びますが、もし使えるのなら、とてつもない力を所有者に与えると言われています。」


 そんな金属があるのか。

 とてつもない力って言うのは、たぶんスキルを所有者が一時的に使えたり、ステータスを上昇させたりとか、聖剣にも存在しない能力なんだろう。


 私はそんなことを考えながら、マルムに聞きたいことがあったのを思い出した。


「そういえば、マルムって魔法使いだから、魔法が使えるよね?

 魔法の使い方を教えて欲しいんだけど………いいかな?」


「もちろんです。

 魔力があることに気が付かれていますか?」


 私は、これかな?と思うものはあると答える。


「魔法を発動するには、発動させる魔法のイメージと詠唱、そして発動するためのワードが必要不可欠です。

 魔法のイメージは、どのような魔法をどのように使用するかを、具体的にイメージする必要があります。


 詠唱は、基本的に誰でも詠唱破棄ができますが、詠唱をした方が威力とMP消費量が段違いになります。


 最後の発動するためのワードですが、これだけは、口に出さないと魔法の発動が出来ません。


 ちなみにステータスの魔法欄に記載されていない属性でも、魔法は使えます。

 実際にやってみせますね。」


 そういってマルムが詠唱から始めた。

「赤き炎よ、敵を燃やせ“ファイアーボール”」


 サッカーボールくらいの大きさの球体状になった炎が、壁に向かって飛んでいき、壁を少しだけ焦がした。


 私も詠唱してみる。

「赤き炎よ、敵を燃やせ“ファイアーボール”」

 ………でかっ!

 マルムのファイアーボールの10倍はある気がするんだけど?

 とりあえず遠くの壁に向かって飛ばす。


 壁に当たったファイアーボールは、爆発した。

 壁に穴が開いてしまうほどに、強力な爆発だったようだ。


 私が呆然としていると、

「ミナ様すごいです!

 こんな威力が出せるのは、宮廷魔導師くらいです!」

 珍しいマルムの姿になのか、それとも私の魔法に対してかはわからないが、マーガムはびっくりしていた。


 私は魔法の練習相手をオークに決めて、マーガムとマルムを抱えながら、超スピードで移動しつつ、オークにファイアーボールを投げまくっていると、下の階層に降りる階段を見つけた。


 階段の前でマーガムとマルムのレベルが上がっているかと思って確認したが、1から変わっていなかった。


 試しにマーガムとマルムに、1対1でオークと戦ってもらった。

 すると、レベルが1だけだが上昇していた。


 つまり、ある程度のダメージが必要ということか。


 私は、モンスターに対して、マーガムは剣で切れ込みを入れるように、マルムには威力最小でMP消費量を必要最小限に押さえた魔法で攻撃するように言っておく。


 オークの群れが現れる。

 マルムがすべてに向けて、一円玉くらいのファイアーボールを当てていく。


 それを確認してから、私の刀をマーガムに構えさせておき、そのままマルムと一緒に抱えて超スピードでオークに切り傷を付けていく。


 すべてのオークに切り傷を付けたら、ファイアーボールを詠唱破棄して、ファイアーボールを乱発する。


「“ファイアーボール”“ファイアーボール”“ファイアーボール”」


 オークがすべて光に変わったのを確認してから、私は2人のステータスを確認した。


 結果としてレベルは上がっていたので、ダメージを1でも与えていれば経験値がもらえるようだ。


 それから私達は、経験値が入るように戦い、ドロップアイテムを回収しつつ、階層をどんどん更新していった。


 ドロップアイテムの中身は、豚肉が大量、オークの宝珠が2個だった。

 オークの宝珠はレアドロップで、すごく高値でギルドが買い取ってくれるらしい。


 丁度10階層でそれっぽい扉を見つけた。


 そう、ボス部屋である。


 私達は、HPとMP、SPが完全に回復してから、ボス部屋に入っていった。

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