表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
勇者から逃げだした聖剣  作者: 黒一忍
第二部 第四章 より強くなる為に
116/168

第22話 8つの罪

 翌日、私達がSクラスに着くと私達以外の全員が既に揃っていて各々の席に着席していた。

 あれ?

 もしかして何かあった?

 私が疑問に思い立ち止まっていると、天使に座るように促されたので、私は疑問を飲み込み席に座った。


「はい、では全員揃いましたので、今回の作戦の説明をさせていただきます。」

 ………何も聞いてなかったんだけど………。

 そんな私は放置で話が始められた。


「ミナさんを除く全員で邪神を3柱撃滅、もしくは撃退してもらいます。」

 それを聞いて全員が驚いた顔をしている。

 どうやら作戦内容は聞かされていなかったようだ。


 それにしても私がいない邪神との戦闘………、イレギュラーが起こる可能性は考慮されているのかな?

 もし、されていないなら私は意地でもみんなを追いかける気でいるんだけど。


 予想外の乱入、予想外の攻撃、武器の故障、等の様々なイレギュラーが現時点で予想できる。

 だけど、私がいることでどれだけ乱入されても《剣神》で聖剣を飛ばすことで中級下位以下の邪神なら撃退できるし、それより上の階級でも上級中位以上でなければ足止めくらいはできるし、予想外の攻撃には《過程省略》で対応出来る。

 というよりも《過程省略》があれば大抵のことに対応出来てしまうので、《過程省略》には感謝しかない。


「私を置いて行くのには何か理由があるんですか?」

「ミナさんがいると、他の方が成長しないんです。気が緩んだりする方もいるようですし…。」

 ………え?

  いや、確かにゲームとかでも強い人がいると気が緩んだりする人いるけど…、邪神との戦闘は命を懸けたものだ。その戦闘で気が緩むことなんてまずないと思うんだけどな…。


 そう思っていると、レムナから紙が飛んできた。

 開いて読んでみると、

[ミナと私達との戦闘能力の差が開きすぎてるのぉ。だからミナ無しで邪神を倒して自信をつけさせ]

 ここから先はレムナが寝てしまったのか、とてもじゃないけど読めたものではなかった………。


 つまり私が居ない状態で戦ってもらうことで、私が居なくても戦えるという自信をつけさせたいってことかな?

 なら、私がいない方がいいんだろうけど、マーガムとセイスと離れるのは辛いな。

 離れるのに条件を付けるくらいは許してほしい。


「あの、もしも邪神が増える等のイレギュラーが発生した場合、私を皆がいる場所に転送してくれるのなら学校に残ります。」

「わかりました。」

 天使が即答してくれたが、何かあってからでは遅いので、すぐに転送できるように天使を1人、マーガム達が帰ってくるまで私と一緒に行動してもらえるように言ったらその通りになった。


 マーガム達が転送され、天使にしばらくSクラスで待つように言われて待っていると、天使が天使を連れてやってきた。


 私と一緒に行動することになった天使は、なんというか無機質、その言葉が一番しっくりくる、そんな天使だった。

 私の行動に一切反応することは無くただ私の後ろをついてくる。

 ついてくるだけで表情などは一切動かないので、むしろ何も見ていない、聞いていないからこそ反応してないのではないか、そう思ってしまうほどだ。


 そんな無機質天使と共に私は図書室にやってきた。

 図書室に来たのは、神になった者が強くなる手段を調べる為だ。

 さすがに暗中模索で強くなるのは最後の手段にしたい。

 薫から《意思あらばすべてを成す》を借りてくるのも最後の手段だろう。

 調べて強くなる手段が無かったなら最後の手段を使うつもりだ。


 とりあえず、神 強くなる とかで調べてみたけど該当する本が多過ぎてもっと絞る必要がある。

 なので、神 強くなる 創造主 で調べてみると2冊の本が該当した。


 1冊は【創造主になるためには】という創造主の心構えと創造主になる方法を書いた本だった。

 だけど、いざ読んでみると創造主になる方法は創造主に勝つ、としか書かれていないし、心構えの方は先代を見習え、みたいなことしか書いていなかった。


 時間を無駄にした。

 そう思いながらもう1冊の【罪神】というよく分からないタイトルの本を読むことにした。

 タイトルからして役に立つとは思わずに読んでいたけど、そんなことはなかった。

 神になってから強くなる方法が記載されていたのだ。


 書いてあった内容はこうだ。


 神になったときに決まった階級は基本的に変わらない物です。

 しかし、その階級を上げる方法があります。

 それは自分が持つ罪、それを理解すること。

 それは人の持つ大罪と言われているものですが、8つの罪があり、最上級の上位クラスの神はほぼ全てが自分の罪を理解しています。


 ではなぜ、罪を理解すると強くなるのか、その疑問に答えましょう。

 ここで言う自分の持つ罪とは、自分が一番の強みであり弱点なのです。

 それは一歩間違えれば邪神になってしまうほどの力を秘めている故であり、その力を十全に扱うことが出来れば今までの自分以上の力が使えるようになります。


 一部だけだけどこんなことが書いてあった。

 一応罪の認識方法も書いてあったんだけど、完璧な感覚論で書かれていたので、解読できなかった。

 ドーンをギュッとしてバーン!とか誰が理解できるのだろうか………。


 強くなる方法がわかったのでまず自分の持つ罪を認識できるように頑張ることにした。

 しかし、8つの罪か………。

 よく聞く7つの大罪だと、傲慢、嫉妬、怠惰、強欲、色欲、憤怒、暴食、の7つなんだけど、それに1つ罪が加わるのか、それとも私が知ってるのとは別の罪なのかはもっと読み進めていかないとわからない。


 それから私は毎日【罪神】を読み進めながら、自分の持つ罪を認識できるようになるために自分をひたすら見つめ直すようになった。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[一言] そーいや、昔、七つの大罪の一つに「虚飾」があった気が…
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ