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勇者から逃げだした聖剣  作者: 黒一忍
第二部 第三章 世界救済
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第13話 それぞれの得た力?

 私達が世界を救ってから20日ほどが経過した。

 学校は他のSクラスの生徒のグループ全てが世界を救えるまで自習になっている。


 ………学校がそれでいいのだろうか…。


 20日の間に私は魔法の理論[完全版]をほぼ理解し、本来ならば改変できない魔法を改変して発動することや、魔法のコスパを異常なほどに良くすることができるようになっていた。

 というよりかは、《魔帝》のスキルが強化されたと言ってもいいかもしれない。


 マーガムは熱心にメモまでして勉強していたが、何を勉強しているのかは教えてくれなかった。

 ただ、マーガムと模擬戦をした時に防御した際の受け流しやカウンターが上手くなっていたので、おそらく防御系の指南書か何かを読んでいたんだろう。


 レイテはいろんな本を読んでいたんだけど、何故か近接格闘術が上手くなっていた。

 詳しく聞いてみると、どうやら人形態の時には魔法や概念は使えるのだが、剣を自分で出すことは出来ないから人形態の時に使える剣を使わなくてもいい近接格闘術を身につけておきたかったらしい。


 あとは本当に何故かわからないけど、少しだけ毒舌になっていた。

 ………どうしてこうなった。


 漫画を読み続けたヴァーンは、若干中二病になってしまった。

 漫画で見た技を実際にやってみたり、オリジナルの技を作ってみたりしていたのだ。


 若干ではなく、重度の中二病かもしれない。

 オリジナルの技とか、実際に出来ているから黒歴史とかは増えなさそうだけど…。

 とにかくヴァーンやレイテの人形態でも戦闘力があるのがわかって良かったんだけどね。


「おかーさん!見てみて!」

 ヴァーンが私を呼ぶので見てみると、

「人の姿なら、目でも殺せる!」

 そう言ってヴァーンが右手を左目にかざした状態のなんかかっこいいと思ってしまうポーズで、カッ と目を開くとヴァーンの目から炎が発射された。

 そして炎が飛んでいった先にある建物が燃えた。


「「「「………あ。」」」」

 すぐにマーガムに結界を張ってもらって炎を閉じ込め、結界の中に水魔法を放ち続けることでなんとか被害が増える事なく終わった。

 その後、私がヴァーンを叱っていると教師の天使が飛んできて私達は4時間にも及ぶ説教をされることになった。


「おかーさん、ごめんなさい…。」

 ヴァーンが目に涙を貯めながら謝ってくる。


「これからは周りを確認してからやってね?」

「………うん。」

「まぁ、怪我とか無くて良かったよ。」

 甘い気もするけど、天使に4時間に渡って叱られているし、私が優しくするのは問題ないと思う。


「…帰ろっか。」

 私がそう言うと、ヴァーンが私の右手を、レイテが私の左手を握ってきた。

 マーガムがその光景を、出遅れた!と言わんばかりの目で見ていたが、ヴァーンもレイテもほとんど転移と変わらないスピードだったから、しょうがないと思う。


 ヴァーンとレイテがそれぞれ私と手を繋いでいて、マーガムが私の後ろをぴったりついてくる。

「避けてーーー!!!」

 私が《過程省略》を使って宿舎に戻ろうとすると、天使が私の目の前に落ちてきた。


 頭から地面に激突したため、頭が地面にめりこんでいるし、着ている修道服は足の部分がめくれてパンツが見えている。

 ………天使なのにこんなパンツ履いてるのか…。

 私の目の前には、熊がプリントされたパンツがあった。


 天使を地面から引っこ抜き、《時空間収納(アイテムボックス)》からマットを取り出し、マットの上に天使を寝かせた。

 しばらくすると、熊パンツの天使が起き上がった。


 天使がキョロキョロと周りを見渡して私の顔を確認すると、天使が懐から手紙を取り出し、私に渡してきた。

「こ、これを…。」

「えっ?私に?」

 すごく嫌な予感がするぞ…?


 開封して読むと、予感が的中していた。

 なんでも、クレーメさんのグループの世界を救済するために邪神に挑み殲滅してから救済を始めたが、救済途中に最上級の邪神が乗り込んで来たのでその最上級の邪神を排除して欲しいという依頼が書いてあった。


 助けに行かないという選択肢は無いけど、どういう状況なのかは確認しておかないといけない。


「今はどんな状況なんですかっ?」

「現在、全員無事を確認しています。…が、あまり状況は良くないです。」

「すぐに送ってください!」

 私は天使にクレーメさん達の元へと転送してもらう為に、ヴァーンとレイテには剣形態になってもらって、私が先にクレーメさん達の近くに転送してもらい、その後すぐにマーガムを転送してもらうことにした。


 そして私が先に転送された。

「!?危ないですわ!!」

 クレーメさんが叫ぶ。

 次の瞬間、私の後頭部に最上級の邪神の魔法が直撃したのだった。

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