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勇者から逃げだした聖剣  作者: 黒一忍
第二部 第二章 神の学校
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第6話 充実した宿舎

「どうして私達は洞窟で戦ってるんだろう………。」

 そう呟きながら私はマーガムとセイスと一緒に悪魔のようなモンスター達を討伐している。


 私達はまるで洞窟のような通路で、自分達に割り当てられた部屋を探しつつ、現れるモンスター達を討伐しているのだ。

 なぜこんなことになっているのか、時間は少しだけ遡る。


 エクスとクレーメさんとの戦闘を終えて、少しだけ休憩してから、天使の案内でSクラス全員が宿舎に移動した。


「では、これがそれぞれの部屋の鍵です。」

 そう言われて渡された鍵は四角い棒だった。

 私以外にはエクスとクレーメさんに渡され、他のメンバーには鍵は渡されなかった。


「これから卒業まで、グループで常に過ごして貰います。」

 そう言われた時、私は思った。


 今のグループで良かった………と。


 私はいつものメンバーだし、クレーメさんのグループは女だけだし、逆にエクスのグループは男だけだから、何か間違いが起こる心配もないだろう。

 ………まぁ、そっち系の人がいた場合は知らないけど。


 改めて鍵を見てみると、鍵には450-5-6と書かれていた。

 もしかして、部屋の番号かな?


「その鍵に書かれているのは、あなた達の部屋の番号になります。では、宿舎の中にグループ毎に入ってください。」

 そう言われて入ったらなんと洞窟になっていて、さらに悪魔系統のモンスターが出てくるからゆっくり部屋を探せない。


 おまけに出てくる悪魔系統のモンスターが異常に強い。

 それこそ、下級の神と同じくらいの強さではないだろうか。


 まぁ、下級の神となんて戦ったことないんだけど、セイスがそう言ってたので、そういうことにしておいた。


 モンスターを討伐しながら進むとようやく、450と書かれた区画に到着した。

 そこから2時間ぐらいかけて、450-5-1と書かれた部屋を見つけて、《過程省略》を使うことでようやく450-5-6と書かれた部屋を見つけた。


 《過程省略》には、スキルの説明にも書いていない弱点が存在する。

 それは複数の工程が入る場合、工程毎に省略してスタートと終わりが連続するようにしなければならない。


 例えば剣で斬るのなら、構える→(抜く→斬る)→止めるという感じで()の中身を省略して結果だけを出すんだけど、今回のような場合は、宿舎に入る→(区画を探す→区画を見つける)→(部屋を探す)→部屋を見つける、といったような感じで2回《過程省略》を発動しなければならない。


 ようやく見つけた私達の部屋の扉、その横にある鍵穴に鍵を差し込むと、カチャリという音が鳴り、扉が開いた。


 中を覗くと、部屋はきれいな木造住宅になっていた。

 良かった、部屋は洞窟の横穴に家具を運び込んだような部屋じゃなくて………。


 でもまさか部屋が住宅だとは思っても見なかった。

 割り当てられた住宅には、風呂にトイレ、キッチン等も設置してあり、さらに2階建てだった。

 2階にはベッドが設置されていて、触って見ると指が沈みこむほどに柔らかい触感だった。

 宿舎の設備はかなり充実している。


 私達は設備の確認を一通りしてから、私達はご飯を食べてから、順番にお風呂に入り、ベッドでいつものように一緒に寝た。


 だが、やっぱりみんなが居ないと寂しい。

 みんなと会うためには、なるべく早く卒業しなければいけない。

 私はなるべく早く卒業できるように、願いながら意識を落としていくのだった。


 朝、目が覚めると、既にマーガムはベッドから出ていて、セイスは床に転がっていた。

 セイスは寝る時点では、ベッドの上にいたはずなので、転がり落ちたのだろう。

 私はセイスを起こしてから、マーガムが作ってくれた朝ご飯を食べて、学校へと向かう。


 ここで問題が発生する。

 私達は宿舎に入った時の番地を知らないのだ。

 このままじゃ確実に遅刻、というか退学になってしまう。

 とりあえず考えていてもしょうがない、そう思い洞窟に入るドアの前に立った。


 ドアの前に立った私は、その時初めてドアの横の丁度鍵穴が開いている場所に、モニターが設置してあることに気が付いた。

 モニターが真っ暗だったので、触ってみると、モニターが映像を映しはじめた。

 そこには、扉の接続先一覧と書かれており、学校、洞窟などが書かれていた。


 私は扉の接続先を学校に選択すると、扉が形を変えて、学校の教室の扉のようになり、私達はその扉を通り抜けて学校に無事通学出来た。

 これからの通学ルートは扉の接続先を変更してから、直で学校に向かうルートになった。


 学校に遅刻することなく無事通学した私達は、天使から衝撃的な事を通告されるのだった。


「あなた達、Sクラスにやってもらうのは、世界の救済です。中級邪神に襲われている世界が3つあるので、その3つをグループ毎に救ってください。 世界が救済されたのを私達が確認した場合、救済したグループは学校に戻され、卒業が近くなります。」


 えっ?!

 邪神を倒す?!

 危険は多いだろうけど、みんながいる世界に早く戻る為に、私は全力で世界を救うことにした。


 ………邪神を倒せば救済したことになるよね?

 そこを天使に確認すると、邪神を倒したとしても、その世界の様々な問題をある程度クリアしないと救済したことにならないそうだ。


 まぁ、邪神を倒すだけならすぐに終わりそうだから、それくらいはやらないとダメってことか…。


 私達はグループ毎に、天使によって他の世界に飛ばされたのだった。

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