静かなるオーラ
「ちょっと決闘するから場所取っておいて! 一週間後ね!」
決闘を運営する係の者は、いきなりの連絡に驚かざるを得なかった。
十二支が決闘。それも一週間後に。
つまりは、一週間猶予を与えるから十二支の一人が決闘するに足る場所を用意せよ。という意味に担当者は解釈した。
それで、あれよあれよという間に話しが大きくなってしまった。
ストッパーは誰もいなかった。
会長である在膳九龍が一言「好きなようにやらせろ」と言ったという事もある。
「好きなようにやらせろ」つまりは「紅虎子の好きなように全てさせろ。望みは全て叶えろ」と言ったに等しい……と担当者は解釈するしかなかった。
それで、適当な決闘の場を用意するというものが、適当という単語の本来の意味通り、十二支の一人が決闘をするに相応しい舞台を用意する。になってしまったのである。
虎子をしても、想像を超えた規模。
衆人環境下での大々的な闘い。
しかしその中で——
「我空也」
彼女の対面のシンクにて佇む弓徒は、落ち着いていた。
「え? 誰? こんな人だったけ?」
思わず虎子がツッコミを入れてしまうくらいに、別人の如き静かなるオーラを纏っていた。




