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皿洗い師・喜一 everyday dish washing  作者: O.S
第三章 battle study・紅
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勁

 喜一が何かしようとしていたのは感じ取れた。

 故にようやく岸へと戻った弓徒は、合わせた。

 相手が体勢を崩したのを見るや否や、拳を引き、一足で踏み込んだ。

 単純な右ストレート。

 手加減抜きのそれを打ち込んで倒す。

 こいつが何者かは、それからゆっくり調べればいい。

 まずは、倒す。

 決意を籠めた一撃が、その者の顔面に叩き込まれ——


「扮ッ!」


「な——にぃっ!?」


 弓徒へと跳ね返された。

 再び、彼はふっ飛ばされた。

 だが今度は遠くにではない。踏みとどまれた。

 腕に響く衝撃はあるが、それよりも今起こった事の分析の方が優先される。

 今のは——


「発勁か!?」


 顔で受けたのではない。攻撃した。

 より強い力に押し負けた感覚。

 仮面が割れていない。

 拳が当たると同時に、同威力の力を、勁を仮面に通した。

 そう考えるしかない。

 しかし、あのタイミングで即座にそのような事が出来るとは……。


「喜一、こいつは……」


「ああ。かなりの使い手だ」


 二人は視線を交えた。

 相談はそれで終わった。


「本気を出す」


「応。俺もだ」


 気力を充実させ、攻撃に移ろうとした刹那、


「やーめやめ。やめるアル」


 不意に、降参と言わんばかりにその者が手を上げた。


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